会社に着くと、受付の女達が、明らかに孝司を見ながらクスクス笑っていた。「なんで、あんなのが、まだ、この会社にいられんだよ?会社の恥だよ、恥」「聞こえるよ(笑)」「聞こえる訳ないじゃん」よく聞こえる。
孝司は、当然の事ながら、営業課にいない。だが、クビには、ならなかった。今、雑務課という課にいる。
「キャー」「イヤー」身体と机の上に、虫や蛇があふれかえっている幻を見せる。その中の虫数匹が服の中に入ってくる。「ギャー」「ど、どうしたの?」近くにいた人達が受付の女達の所に集まって来た。「え?」我に帰る。
「さてと」孝司はエレベーターに乗り込んだ。