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1:魔法使いの戸惑い...
投稿者:
健二
健二です。
自覚しながら魔法をかけてもらった事がありますか? 以前の投稿にも書きましたが、相手にこれから魔法をかけるよと宣言されてかけられたとしても、自分ではどうにもならないの が魔法なんだと改めて実感しました。 自分でも理解できない状況に一瞬で変わってしまったり、さっきまでの思考が一瞬で別な考えに変わってしまうのにそれらを瞬 時にはおかしいと理解出来ないのです。 魔法をかける側にすれば、一瞬で変えてしまうよりじわじわと変えて行こうと思えばそのとおりに出来る訳だし、その変化魔法 を人にかけた時に痛みなどの感覚を伴うかどうかも思いのままなんだそうです。 でも、もし魔法を使う宣言もなしに自分に何らかの魔法がかけられたとしたら、それを「運命」と受け取ってしまうのではない かという考えに行き着いた時は正直ゾッとしました。 沙也ちゃんが意外とエッチで、意外と容赦のないいたずらっ子的性格だと言う事を思い知らされた朝、僕たちは連れ立って大学 へと向かった。 と言ってもここから大学まではほんの30秒、なんせアパートを出ればそこが構内という好立地?なのだから、講義開始時間の 15分前位まで彼女の家のダイニングで美味しいコーヒーに舌鼓をうちながらくつろいでから出て来た。 3号棟の前を歩いていたとき、向い側の学食の前から隆が1人で手を振りながら僕を呼んでいるのに気がついた。 「おはよ、健二、沙也ちゃんは今日もキレイだね、ご機嫌で...?」 「おはよう、隆君」 沙也ちゃんに絡む挨拶は、本気なのかカラカイなのか...知り合った頃は後者の様だった気もするが、ここ2、3日で大学内でも 目立った存在となってしまった今となっては、ほとんど目が泳いでる状態で会話するから本気なんだろう。 「隆、今日は一人なの?」 そう返した僕に、隆は沙也ちゃんを避けるように後ろから僕の肩に手を回してひそひそと話しかけてくる。 「ちょっと相談があるからさ、つき合えよ、サーヤ抜きで話したいんだけど...」 その様子を見ていた沙也ちゃんが、すかさず会話に割り込んでくる。 「あんたたち、何かまた怪しい相談でもしているんじゃないでしょうね」 「そんなんじゃないよ、男にはね、女の子に言えない深ーイ悩みが発生する事も有るんだよ」 僕の首に廻した腕を振りほどいて沙也ちゃんに食ってかかる隆を横から見ていたとき、その悩みがなんだか僕には解ったのと同 時に、思わず吹き出しそうになってしまった。 なぜなら彼女に話す事に夢中になるあまり、隆は無意識に何度か自分の又の間をズボンの上から凄い勢いで掻く作業に追われて いたからだ。 「じゃあ、途中からでもいいから講義に顔出しなさいよ。健二君は昼の学食オゴリ1回で貸してあげるけど、ちゃんと返して よ!」 「ナマ言うな! 俺の方が健二との付き合い古いんだよ!」 笑いながら会話を返している間にも、隆はチョロチョロとまたの間を掻く。 原因を作った沙也ちゃんは知らぬ顔の半べえを決め込んで講義のある2号館方面へと歩いて行ってしまった。 沙也ちゃんが視界から消えたのを確認すると、さっきまで元気一杯に沙也ちゃんとやり合っていた隆の声が急にトーンダウンし た。 「健二、チョット学食で話そう」 そう言って時々瞬間的がに股になりながら、午前中でまだそんなに学生のいない学食へと急ぐ隆。 何組か喫茶メニューを楽しんでいる学生のグループから一番遠い所に座った隆が、正面に座るように僕を促した。 「健二、お前は貰わなかったか?」 僕は笑い出しそうになるのをこらえて、きわめて平然を装って答えた。 「貰ったって...何を?」 その反応に一瞬「あれ?」という顔をしていた隆が、更に顔を近づけ消え入る様な声で僕に言った。 「インキンだよ...お前は貰わなかったのか...」 「インキンって、誰に?」 「お前も一緒に行っただろ...駅前の風俗でだよ」 「インキンって、風俗で感染するの?」 その答えに、「あーっ、もう煩わしいっ」と1回又の間を両手で掻きむしってから、再び顔を近づけてきた。 「変だとは思うんだけど、ヒロも直也も貰ったらしい...」 原因を知ってはいても、「えっ」と驚いてみせる。 「でもおかしいんだよな、あれから一日でこんなに成るわけないって感じなんだけど、3人一緒だからな」 「病院には行ったの?」 「ああ、俺は恥ずかしいけどすぐに行った...だけど...」 「だけど...?」 隆はひと呼吸置いて再び股間を掻きむしってからこっちに向き直した。 その行動と、沙也ちゃんの意地悪ないたずらについに僕は笑ってしまった。 「笑うなよ~。で、病院行ったら何でも無い、清潔にしてくださいって薬もくれないんだ...」 「だって、そんなに痒いんだろ」 「それが、病院で先生や看護士さんの前で脱いで見せるとなんともないんだよ、だから余計に変な目で見られて...」 そこまで聞いて僕はついに大爆笑してしまった。 静かに喫茶タイムを楽しんでいた学生の何人かが、怪訝そうな顔でこっちを振り向く。 それにしても沙也ちゃんの魔法は、改めてイジワルだ。 「笑って....ごめん...それで薬は...」 「処方してもらえなかったから、ドラッグストアでかゆみ止め買って塗ったら、今度はしみるしみる。あんまり付け過ぎてケツ の穴までスースーになっちゃって最悪だよ」 「そんなにひどいのか?」 「見せてやりたいけど、多分健二にも...解らないだろうな....」 そう言うと隆は一度周りを振り替えり、近くに人がいないのを確かめてからズボンのベルトを緩め、チャックを開けてからパン ツのゴムを自分の体の前の方にグーっと伸ばしてから僕に覗き込むように目で合図を送って来た。 僕も周囲を確認してからおそるおそる覗き込むと、見るからに痒そうにピンク色に変色した皮膚の中心部付近に別の生き物のよ うに白くなってジクジクした部分が広がっていた。 しかしそれ以上に驚いたのが、大人のサイズのチンコなのに本体と同じくらいの長さの皮が先っぽにぶら下がっていた事であ る。 一言で言えば「もの凄い包茎」 これではオシッコもそこら中に飛び散ってしまって大変だろう。 ちょっと見るのが辛くなって目を外して隆にこう言った。 「凄く...痒そう...」 「お前、見えるのか!」 そう言いながら、隆は自分のパンツの中と僕の顔に交互に目をやった。 「うん...それにそのチンコも...」 そう言った途端、隆はパンツのゴムを放し、チャックをあげて急いで身支度を整えて僕の隣に座った。 「あれも...見られちゃったか...インキンだけならまだしも...突然ああなっちゃって...死にたいよ」 落ち込む隆に、努めて明るい声で返した。 「確証は無いけど、必ず元に戻るって...そんな気がするんだ」 「やっぱり健二は良いやつだな、お前に言われるとそんな気がしてくるから不思議だよ」 そこへ、学食の入り口のほうからドヤドヤとヒロと直也が連れ添ってやって来るのが見えた。 「あのチンコのこと...内緒にしといてくれな。。」 隆の頼みに、僕は軽く「ウン」と頷いた。 「講義出たら、サーヤがここに二人がいるからって」 「抜け出して来たっていうわけさね」 そういいながらも、交互に微妙にまたの間を気にしているのが解る。 「お前らはどうなのさ」 隆が切り出すと暫く口ごもっていた二人だったが、意を決したように又の間をボリボリ掻きながらヒロが口火をきった。 「俺...同級の医学部に行ってる友達に相談したら、見せてみろって。で、さっきそいつに合いに行って研究室で見せようとした ら...」 「何でも無かった...だろ」 そう隆が口を挟んだ。 それに対してヒロが小さく頷く。 「で、直也はどうなんだ?」 「俺は...ちょっと人に見せられる状態じゃないから....」 「そんなにひどいのか?」 すると、直也はヒロと隆を順番に見つめてから 「状態は多分お前らと変わらないんだと思うよ...ただ...」 「チンコが見えなくなっちゃったとか?」 隆がそう切り出すと、沙也ちゃんに魔法で小学生サイズにまで小さくされてしまったヒロが微妙に反応するが、直也は気にする 事無くゆっくりと首を横に振る。 「ちょっと、今は言う気にはなれないな...」 一瞬固まった空気が4人を支配したが、重い沈黙を隆が破る。 「人に見せようとすると何でもないのに、さっき俺が健二に見せたら、こいつはちゃんと認識してたぜ」 その言葉にヒロも直也も「えっ」という顔をして反応してみせた。 「みんな、大丈夫だよ。さっき隆にも言ったけど、すぐに治ると思うよ...何の保証もないけどさ、大丈夫だよ」 するとヒロがちょっと安心した顔をみせる。 「不思議だよ、人に見せるとなんでもないのも、健二の保証の無い安心感も、両方が理解不能だな...」 続いて直也も重い口を開く。 「俺の場合は...人に見せるなんて状況には無かったから...もしここで脱いで健二に見せたら、多分気絶すると思う...」 「そんなにグロいのかよ...」 再び隆が割って入ると、悟った様な表情でため息を一つついた直也が答える。 「その...匂いで...........洗っても洗ってもダメなんだよ。さっきだって男子便所で小便したら、個室に入っていたやつが凄い勢 いで出てきて、洗面所で「ゲェーっ」って....もう、助けてよって感じだよ」 知られたくない秘密を吐露できた事と、僕も含めて悩みを共有できた事に安心したのか、その場の空気はだいぶ和んだものに なっていた。 僕はというと、自分だけ軽いお仕置きで済んだのに、いつもつるんでいたこいつらがこんなに落ち込んでいるのを初めて見た し、男としてこの沙也ちゃんの魔法は例え一週間の期限とはいえ相当キツいなと思ううちに、悲しくも哀れみの気持ちで一杯に なってきてこみ上げるものが有った。 ふさぎ込む3人をなだめている時、突然頭の中で響く沙也ちゃんの声を感じた。 (いやだ、健二君。すごーく目立ってる。優しさのエネルギーがいっぱいに溢れてるみたいだから気をつけて。そんなに心配さ れたら、沙也も凄く悪い気持ちになっちゃう。とりあえずごめんなさい。この講義が終わったらそこへ行って3人を元に戻すか ら、とにかく今は安心して哀れみの気持ちを隠してね) 沙也ちゃんならすぐにここに来て、いや来なくても魔法で彼らを元に戻すくらい簡単なはずなのに、講義が終わってから直接来 てだなんて妙な所が真面目だから、魔法の使える人の心理も難しいなと考えつつ彼女が約束してくれた事による安心感で肩の荷 が降りた気がしていた。 少し落ち着いた様子の3人と努めてたわいのない会話を交わしているとき、その3人越しにこちらの方へ近づいてくる2組の学 生グループを認識した。 こちらの様子をうかがいながら近づいてくる一つは女性の3人組、もう一つは何やらトレーニング中と言った様子の柔道着とレ スリングタイツを着た男たちの4人組だった。 先に近づいて来た3人の女の子たちは、キャッキャとした会話をしながら僕たち4人の様子をうかがっていたかと思うと、1人 が前へ出て隆に向かって話しかけてきた。 「ねえ、隆君だっけ、恭子から聞いていると思うけど、私たちが協力するから恭子とよりを戻す気はないの?」 そう話して来た女学生を僕は知っていた、いや、ここにいる全ての学生が知っているだろう。 4年生の藤森彩香は、昨年の学祭でミスキャンパスに選ばれ、4年になった今年は既にテレビ局から内定を貰っているともっぱ らの噂の才色兼備な超有名人である。 そんな彼女が隆の別れた元カノの知り合いだからと言う理由でこのタイミングに現れるのも解せなかった。 隆は藤森とその友人たち二人を一瞥すると、不機嫌そうに言葉を口にした。 「恭子に言っといて、俺も悪かったけど、ヒロに迷惑をかけた事が許せないって」 「だから、それを話合いたいって恭子は言ってるの。ヒロ君だっけ、あなたにもちゃんと謝るからって言ってるから、お願いだ から二人で付いて来て」 その様子を見て「修羅場だなぁ」僕に耳打ちしてきた直也に、今度は男の野太い声が語りかける。 「直也君、もうそろそろいい返事を聞かせてくれないと、今度の大学対抗に出られないんだよね」 こちらは、一度直也が冷やかし半分で顔を出してスパーリングをした総合格闘技サークルの勧誘のようだ。 確かに直也は体格も良いし、格闘技好きが嵩じてスパーリングでも抜群の強さを見せたらしい。 ただし、隆とつるんで草食系を自認する今となっては、おだててもなかなか木に上りそうにない。 「今日は、先輩がとにかくもう一度直也君と話がしたいとの事で、どうしても同道ねがおうと言う心構えで来ました」 なんだ、自分も修羅場じゃないかと隆の方を見てみると、そちらはそちらで藤森様御付きのお二人とヒロと隆で大口論中。 静かだった学食が一気にざわめき出して結構不穏な空気となっていた。 とにかく場をおさめようと騒がしく口論している方に振り向いたその時、僕の呼吸は止まった。 自分から10センチほどの距離の所にあの藤森彩香が立っていたから。 「あなたが健二君? 確か星野沙也ちゃんの彼氏よね、今年彼女はミスコン出ないのかしら。今、私たちの間でも彼女が出る出 ないで盛り上がっているのだけど、出るのなら相談にのるからあなたも一緒に来て」 そう言って僕の手を取る藤森先輩。 なんでこんな展開になるのかと冷静さを装おうとしているが、彼女の色香にどうかなりそうになる。 すると突然、反対側の手がぐっと握られ、藤森先輩の手から僕を引き離した。 沙也ちゃんだった。 「先輩、申し訳ありませんが、私はミスコンに出るつもりは有りませんので失礼させて頂きます」 一瞬、きょとんとした藤森だったが、その顔に新たに敵対心が浮かび上がったのが僕にはわかった。 「そう、まあとにかく今日は恭子の話だけでも付けないと...さあ、隆君、ヒロ君行きましょう」 そう言って隆とヒロの口論の場へ入って行った藤森だったが、そこは既に落城寸前の状態だった。 頑に突っ張っていた二人だったが、モデル事務所にも所属している二人の懐柔策に既にでれでれ状態だった。 逆に直也の方はと言うと、屈強な男たち4人に両腕を抱えられ、今にも強制執行が始まりそうな緊張感が張りつめていた。 「なんとかしないと...」 そう呟いた僕に、沙也ちゃんが耳元に口を近づけてまで小声でささやく。 「この7人には、魔法の痕跡を感じるの。さっきのあなたの力を感じて外へ連れ出そうとしているみたい」 「そんな...」 沙也ちゃんの言葉に絶句するしか無い僕。 まだ知り合って4日しかたっていないのに、もうこんな事に巻き込まれるとは。 「でも、私が忠告してすぐに健二くんの力の痕跡が消えたから、この4人のうちの誰なのか特定できていないみたい。 それに、こんな手を使ってくるのだから、相手は人間...」 「魔法の使える?」 「そう、何かしらの理由でね。魔法使いだったら、その場で健二君を同定して魔法で呼び寄せるか、私やその他の邪魔者を消し て何も無かった事に...そんな事は考えたくないけれど、彼女たちの精神そのものまで変えた様子ではないから...今、魔法を使っ ていないから確信は持てないけどね」 どうして魔法を使ってこの事態を解決してくれないのか聞こうとしたその時だった。 「いい加減に観念しろ!」 大きな声と共に、ほぼもみ合い状態になっていた直也が引きずられる様に連れ出されそうになっていた。 同時に、隆とヒロもふらふらっと女の子たちに支えられるように出口方向へと向かって行く。 「沙也ちゃん、どうしよう...」 この期に及んでも、まだ沙也ちゃんは魔法を使うのをためらっているみたいだった。 「健二、健二!、俺の、オレのズボンを....」 そう叫んだ直也の声に、はっと気づいた僕は格闘技同好サークルの4人の間に割って入り、息を止めながら一気に直也のズボン とパンツを引きずり下ろした。 「ぐえ~ 何だこれ。おえっ」 「うおー、目が痛い! げええーっ!」 直也の直近にいた4人は、突然の激しい嘔吐に見舞われ床を這いずり回っていた。 隆とヒロ、そして女の子二人は胸を押さえてしゃがみ、藤森先輩もハンカチを口に当てて咳き込みながら出口へと向かってい た。 喫茶タイムを楽しんでいた他のグループたちもすぐに外に飛び出し、昼食の準備で忙しいはずの厨房からは「早く原因を探せ」 との怒声とともに一気に喧噪が増していた。 してやったりの笑顔を浮かべた直也は、隆とヒロを両肩で抱きかかえ既に出口に向かっていた。 僕はと言うと目のシバシバ感に耐えながら息を止めたまま沙也ちゃんの元に駆け寄る。 すると彼女は涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔のまま笑いが止まらない状態でテーブルに突っ伏していた。 急いで彼女を抱きかかえて、僕も直也の後を追い表へと出た。 外で合流した僕たち5人は、逆に人気の一番多い噴水のある中央広場のベンチへと逃げて来た。 学食の方は、突然の異臭騒ぎでまだ騒然としているようだが、ここにはそう言う事には無関心な学生たちが十分な人数でたむろ していた。 「あははは....健二君ナイスプレイ!」 あまりの出来事に未だに笑いの止まらない沙也ちゃん。 「それにしても自分の魔法でここまで被害を被るとは思っても見なかったわ」 ハンカチで涙を拭きながら思い出し笑いを繰り返す彼女に思い切って聞いてみた。 「どうして魔法を使わなかったの?」 「どんな相手かが判らなかったから、それにあの場で私が魔法を使えば私が魔法使いだって相手に知られる可能性があったの。 もし知られてしまえば、健二君が目標と言うのを悟られる事にも繋がるし、私の魔法を封じながら不意打ちで私を消してしまう 可能性も出てくるの。だから迷っていた」 沙也ちゃんが「消される」なんて今の僕には想像もできない。 「でも、魔法の痕跡が判るのなら、かけた本人を魔法で特定することは...」 「難しいわね...空間的に離れた場所からかけられた魔法ならどんなに離れていても相手がそれを望んでいなかった場合なら瞬時 に特定できるでしょうけど、普通は知られたくないと思う魔法の効果に守られているから。あの場合は既に皆魔法にかかってい たみたいだったし、魔法そのものはたいしたものではなかったけど、必ず効果を監視している魔法場があそこには有ったはずだ から、そこで魔法を使えばよほど複雑に思考防御していない限り、特定されたでしょうね」 そこまで話した時、放心状態から回復して聞き耳を立てていた隆が割ってはいってきた。 「沙也ちゃん、さっきから聞いていて全然意味判んないんだけど...」 その問いにヒロも直也も真剣なまなざしを向けてくる。 「意味が判らなくても、私は魔法が使えるの。それだけ!」 暫くポカンとしていたヒロが、何かを悟ったように沙也ちゃんに聞いた。 「それじゃあ、もしかして俺たちのチンコが痒いのは...」 「そ、私の魔法」 こともなげに言ってみせる沙也ちゃんに、今度は直也が訪ねる。 「じゃあ、オレのがこんなに臭いのも....」 それに対してにっこり笑って頷いてみせる沙也ちゃんに、今度は食ってかかる直也。 「てめえ、ブス、いい加減にしろよ。早く直せ!」 「きゃあ、か弱い乙女でございますぅ」 とおどけてみせる沙也ちゃんだったが、「ちょっと待って」と真剣なまなざしで皆を制止すると、目をつむってあたりを伺うそ ぶりを見せた。 その態度に直也もこわばった表情であたりを見回し、身構えていた。 「大丈夫みたいね、もう気配はないわ、さあ、3バカ、受けてたちますよん」 そう言われて安心したのか、いの一番に直也が立ち上がり 「じゃあもう一度オレの匂いを味わってもらおうか!」 と言うが速いが、ベルトを外してズボンを脱ごうとするが 「もう結構でございますわ」 と沙也ちゃんが言った瞬間にその途中のままの姿で固まってしまった。 「おい、これもサーヤのしわざか、しゃらくせえー、うーん! ガー」 かけ声は勇ましいのだが、ぴくりとも動けない。 「おーおー、魔法に挑もうなんて、何と勇ましい直也ちゃんでしょう。あんな所にダーリンを連れて行ったからこーなったの。 でも、沙也もちょっと反省したからあそこはもちろん元に戻してあげるけど...」 さっきまでもの凄く力の入ってる顔をしていた直也だったが、今はなぜか上気していて声も出ないみたいだ。 「直也君、勃起すると意外とかわいいんですねぇ」 その言葉に改めて直也のズボンを見てみると、いつの間にかテント全開状態になっていた。 どうやら沙也ちゃんの魔法で強制勃起させられて言葉も無いらしい。 「他の二人も可愛くなっちゃうかな?」 そう目配せしたとたん、ベンチに腰掛けていたヒロと、芝生に座っていた隆が「あれ、あれっ」「なんだ、ああっ」 と声を上げながらゆっくり立ち上がり、直也の隣に立たされて同じように固まってしまった。 もちろん前は二人とももの凄いテントを張っている。 こういう所に沙也ちゃんのエッチさ加減を感じるのは僕だけだろうか。 「さあ、3人とも用意いい? 合唱祭に向けてのコーラスの練習をしましょうね、まずは直也君! ハイ ドー」 「なに言ってんだー サーヤー あれー 何だこの声ー」 それを聞いて思わず吹いてしまった、直也の声は何を言っても「ド」の音階になってしまっていたのだ。 「次はヒロ君で、ハイ ミー」 「やめてくれー あれー 変だー」 「最後は隆ちゃんね、ハイ ソー」 「ふざけんなー てめー 健二ー 笑うんじゃねー」 皆がそれぞれ文句をいうのだが、3人同時に喋ると完璧なCの和音になるから、もうおかしくてしょうがない。 「さあ、いよいよ歌ってもらいますよー みんな気持ち良く歌ってもらう為に先生ちょっと工夫しましたからね。さあ、準備し て!」 そう言うと3人とも腕を後ろに組んで胸を張った良い姿勢にされてしまった。 ただし、ズボン前がテントを張っているが。 「まず直也君、こう...かな?」 と言いながら、沙也ちゃんがくちからペロっと舌を出すとそれに合わせて直也が「ああー」と「ド」の音でよがる。 「うーん、じゃあ、こうね」 と今度は少し口を開けてその中で舌を大きく動かした 「ああーっ」 さっきより立派な声、いや音で直也がよがるのを聞いて沙也ちゃんは満足げに 「これで行きましょう、じゃあ、この刺激がずーっといくわよー ふうーっ」 と直也に向けて息を吹きかけると、リズミカルに「ド」の音でよがり出す 「ああーっ ああーっ ああーっ ああーっ」 こういうのを目の当たりにすると、沙也ちゃんて本当にエッチないたずらには天才的なものがあるとは思うが、こんな目立つ所 で無限に感じさせられる事を想像すると、ちょっと身の毛がよだつのと同時に魔法のかけ方に多少の嫉妬を覚えた。 そうしているうちにも、既にヒロも隆も魔法でフェラ並みの快楽を与え続けられ、それぞれ「ミ」と「ソ」の音でよがり続けさ せられていた。 「ああーっ ああーっ ああーっ ああーっ」 「ああーっ ああーっ ああーっ ああーっ」 「ああーっ ああーっ ああーっ ああーっ」 それにしても、端から見ると真剣に発声練習をしているとしか思えないから不思議である。 「それではクライマックス、行くわよー」 彼らのよがりに合わせて手を振っていた感の有る沙也ちゃんだったが、今度は手のフリに合わせて強制的に強烈な快感を送り込 むスピ-ドを上げて行った。 「ああ”ーっ ああ”ーっ ああ”ーっ ああ”ーっ」 「ああ”ーっ ああ”ーっ ああ”ーっ ああ”ーっ」 「ああ”ーっ ああ”ーっ ああ”ーっ ああ”ーっ」 多分沙也ちゃんのことだから、僕の時と同じように彼らの鈴口を全部塞いじゃって射精できなくしているのだろう、心無しか、 叫びに近い声が混ざるようになって来たように聞こえるのだが、音程が正確なため、それは迫力となって聞くものを圧倒した。 そして沙也ちゃんが大きなアクションで両手を広げ、一斉に振り下ろすと、僕には断末魔としか聞こえないハーモニーが構内に 響いた。 「あああ”~~~~~~~~~~~~~~~」 「あああ”~~~~~~~~~~~~~~~」 「あああ”~~~~~~~~~~~~~~~」 顔が紅潮し、焦点の定まらない目がグルグル回転している所を見ると、今まで押さえつけられていた射精が延々と続いているよ うに思えた。 そして、沙也ちゃんが広げた手のひらを力強く握った瞬間に終演は訪れた。 その場にドカッと崩れ落ちた3人は、息も絶え絶えになりまだ芝生の上でそれぞれにピクピクしていた。 「すごーい、みんな最高ーね」 自分のいたずらに感激したのか、子供のようにはしゃぐ沙也ちゃんに遠巻きに見ていた何人かの学生が拍手を送った。 調子に乗ってそれに向かってお辞儀をする沙也ちゃんを今は微笑ましく思えるが、その魔法の矛先が向けられた3人は人ごとで は済まされない状況だろう。 僕は息が整い始めてきた3人のそばに寄ってありきたりの言葉をかけることしか出来なかった。 「大丈夫...」 ふうーと大きく息を吐いて、まず隆が答える。 「沙也ちゃんとつき合っているお前が、偉大な人物に思えて来たよ...」 ヒロと直也も息を絶え絶えにしながら目線をこちらに向けてきた。 「なあ健二、俺たちがサーヤって可愛いと思う気持ちも、魔法なのか?」 「うん、凄く気さく仲間だと思えるもんな...」 その問いかけに隆も大きく頷く。 「みんな大事な友達だよ...でも、ごめんなさい。やっぱり...」 言葉を詰まらせた沙也ちゃんの後を、隆が紡ぐ。 「俺たちに魔法をかけて、サーヤが魔法使いってことは忘れさせちゃうってシナリオだろ...」 ゆっくり頷いた沙也ちゃんが先を続ける。 「本当は、みんなに知ってもらって、この5人だけの秘密にする事でもいいのだけど、今日あんなことがあってみんなを巻き込 みたくないから...あんまり知り合った人の記憶を操作するの好きじゃないけど、私が魔法使いと言う事も打ち明けたかったのも 事実。でも...これからも私たちは親友だから、心配しないで...私と居ると、少し変な事が有るかもしれない不思議な関係は続い て行くの...」 そう言い終わると、沙也ちゃんは両手で顔を覆ってしまった。 それを見てゆっくり起き上がった隆が呟く。 「健二が守ってやらないと、沙也ちゃん自分で消えちゃうかも知れないぜ...なんてね、おれ、かっこいいべ!」 照れておどけてみせる隆の目に涙が浮かんでいたのを、多分僕は一生忘れない。 「さあ、サーヤ、失敗すんじゃねーぞ、やるんならすっぱりやっておくなせい!」 「おう、おれも覚悟はできてんだ、さあ、早いとこやっておくんな!」 それにしてもみんな、魔法使いの登場するアニメの最終回見過ぎって感じたのは、この時は多分僕だけだったのだろう。 意を決して立ち上がった沙也ちゃんが口をひらいた。 「あー、いつまでも3バカの相手はしてられないから、健二君帰ろ!」 それを聞いた3人が一斉に立ち上がる 「何言ってんだよ、自慢じゃないけどこの間まで4バカで通ってたんだよ!」 「健二、なンとかその女も馬鹿の仲間に入れて5バカってどうよ!」 そう強がっていた二人だが、どうも股間が気になる様子。 当たり前である。インキンは治ったが、大量の射精でベトベトの冷え冷えなのだから。 ただ、最後のヒロの一言に、僕らはノックアウトを食らう。 「サーヤ、そんな小学生みたいなポコチンの何処がいいかなぁ~、まあ、飽きたらいつでも相談にのるぜ!」 30分くらい前までその事で死ぬほど悩んでた男に言われたくないやと言う思いがおそらく沙也ちゃんにも伝わって、二人は思 わず顔を見合わせて笑った。 今日はここで3人と別れて、再び沙也ちゃんのアパートにお世話になる事にして歩き出した僕らの前を、藤森彩香たち3人が横 切って行ったのだが、一瞬曇った沙也チャンの顔を僕は見逃さなかった。 「やっぱり、直也君の匂い攻撃で他の7人の魔法は霧散したのに、彼女だけは残っている。でも、彼女は魔法使いじゃない...誰 が彼女を操っているのか...油断は禁物ね」 そう沙也ちゃんが教えてくれた数秒後、藤森先輩は僕らの方を見てにっこり笑ってくれた。あの沙也ちゃんに向かって敵対心を 感じさせた不気味さを微塵も表に出さずに。 「僕に魔法をかけてその力みたいなものが見えないと言うか、感じられないようにする事は出来ないの?」 その問いに難しそうに沙也ちゃんが答える。 「魔法の源に魔法は効きません。効くのだったら魔法でいくらでも作れるでしょ? 愚問...」 そんなものなのかなと不安を抱く回答だったが、今日の窮地もみんなで乗り切った事に妙な自信を感じていた。
2010/07/13 12:38:49(FVHXx4Xx)
投稿者:
(無名)
魔法で女を太らせるだけでなく20センチのデカ乳輪にした沙也ちゃんの魔法のセンスに興奮しました
女の子のアソコを8歳並にしちゃったりすごいマリマンにしちゃったりとイタズラしてほしい 早く続きが見たくてたまりません!!
10/08/02 00:15
(30b4lOVN)
13
削除済
2010/08/10 00:38:55(*****)
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