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第三章

カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1: 第三章
投稿者: mio
第三章 掌の上の自白
それから二週間。
悠真は自分がおかしくなっていくのを、止められなかった。
仕事中も、会議の最中も、雛の笑顔とあの柔らかい声が頭から離れない。
返信が遅れると不安になり、既読がつくとほっとする。
自分が、かつて女をそんな目で見ていた側だとは思えない。
そして今夜。
雛のマンションのリビング。
照明は落とされ、ただ一つのスタンドライトだけが彼女の輪郭を浮かび上がらせていた。
悠真はソファに座らされ、雛は彼の前に立っている。
白いシャツのボタンを一つだけ外し、静かに微笑んでいる。
「悠真さん……もう、限界でしょ?」
雛の声は優しい。まるで傷ついた子犬を宥めるように。
「……どうして、俺はこんなに……」
言葉がうまく出ない。
喉が渇き、指先が震える。
雛はゆっくりと近づき、悠真の顎を指で持ち上げた。
その仕草は穏やかだが、絶対的な支配を感じさせる。
「言ってごらん。
何が欲しいの?」
悠真は目を逸らそうとしたが、雛の視線に捕らわれて動けない。
「……君に、触れられたい」
声が掠れる。
「それだけ?」
雛の指が、彼のネクタイを緩め、シャツのボタンを一つ外す。
爪が胸の皮膚を軽く引っ掻いた瞬間、悠真の背筋に電流が走った。
「もっと……」
彼は自ら口にした。 「もっと、ひどくしてほしい……
俺がどれだけ弱いか、教えてほしい」
雛の瞳が、細められた。
「ふふ……ようやく、自分で言えたね」
彼女は悠真の膝の上に跨がるように座った。
スカートが捲れ上がり、白い太ももが彼の腰に密着する。
悠真の両手首を後ろ手に掴み、軽く捻る。
「動かないで。
動いたら、もっと焦らせるよ?」
「っ……」
痛みと快感が混じり合う。
悠真は息を荒げながら、雛の顔を見上げた。
「ひな……様」
その言葉が出た瞬間、悠真の中で何かが決壊した。
雛は満足げに微笑み、彼の首筋に唇を寄せた。
甘く吸い付き、歯を立てる。
痛いのに、もっと欲しくなる。
「いい子。
最初からこうなるって、わかってた?」
悠真は震える声で答えた。
「わからなかった……
いや、わかってたのかもしれない。
君に会った瞬間から、俺はもう……」
雛は彼の耳元で囁いた。
「全部、私の掌の上だったってこと?」
悠真は自ら首を傾け、彼女の唇にすがるようにキスを求めた。
雛は許し、深く舌を絡めながら、彼の髪を優しく、でも強く掴む。
「痛くして……
俺が惨めになるくらい、ひどくしてほしい。
ひな様の前でだけ、本当の俺を見せたい」
爪が胸を引っ掻き、赤い線が浮かび上がる。
「いいわ。
全部、受け止めてあげる。
あなたが自分で望んだ苦しみも、快楽も……全部」
悠真はもう、抵抗する気など微塵もなかった。
ただ、彼女の視線に曝され、彼女の手に壊され、彼女だけに全てを捧げたいという衝動だけが、胸の奥で燃えていた。
 
2026/07/22 13:30:09(pwAiyXrr)
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