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1:秘密の悦楽
投稿者:
ゆき
主婦となって22年が過ぎ、大学生と高校生となった息子たちは親の手を離れ、社会に出る日を待つだけになった。
早くに出産をした真由美は45歳の身を持て余すようになり、夫の許しを得てパートに出るようになっていた。 パートとはいっても結婚前に努めていた服飾関係の会社に復職をさせてもらったのだ。当時の同僚は出世を果たし、社会に戻りたい話をしたら誘ってくれたのだ。 今はフルタイムパートの身だけれど、社員の道を開けてくれている上司であるかつての同僚に感謝している。この日も朝から通勤の手段として、いつもの満員バスへと乗車していたのだった。 仕方のないことではあるが、乗車率の高い車内は身の置きどころがないほどの込み具合に、誰もがひしめき合っていた。そして自分の背後に張り付く誰かの身体の温もりを感じ、バスの揺れに身を揺らすのにもようやく慣れてきたところだった。 いつしか真由美は自分の背後にいる人物が、もしかしたら同じ男性ではないかと感じるようになっていた。気遣いを感じさせる密着の仕方、仕方がないとはいえお尻に当たる下半身の当る位置などからそう思っのだった。 明らかに下半身が出来るだけ当たらないように心掛けているのが分かり、申し訳ない気持ちを抱かせる心遣いをいつも見せてくれている。けれど男性の生理現象というのか、あの形が分かるまでに硬くさせている日が時にはある。 嫌だと嫌悪する気持ち、男性だから意図せずそうなることも理解できなくもないという気持ち、それらがここらの中で交互に折り重なる。偶然を装う痴漢ではないことは分かるから、素知らぬふりをする大人の対応で済ませられると言い聞かせ、時の流れに身をまかせていた。 それには理由もある。夫との営みも週に一度あるかないかという程度に減り、そのことに不満はなかったけれど、秘めた欲求がないわけではなかったからだ。だからといって誰かと……なんて考えられない。この程度の刺激なら不可抗力なのだからと自分に言い訳ができて、ずるい考え方をすれば正当化ができるからだ。それに30代らしき、ちょっと素敵な男性だということも分かっているからというのもあるのだから。 べつに浮気をするわけでもないし、これくらいなら……と。年齢を重ね女を長くやっていると、こんなふうになるのかと真由美は今の自分を皮肉に思わないでもないけれど……。 そんな日々が数ヶ月も過ぎたころ、変化が起こり始めていた。真由美は仕事柄もあって自分で服にアレンジを加えることが好きだった。スカートにスリットを入れたりワンピースの前面を切り裂いて、上から下までボタン留めにしてみたり。 季節は初夏へと移り変わり、薄手の服装になるのは否めない。時おり密着する下半身からは露骨に男性の部分が伝わり、通常の状態とは言い難いことが増えるようになっていた。 サイズもさることながらその逞しさ、そしてなぜ勃起させていることが増えているのか。真由美は心がざわついて落ち着かなくなってくる。まさかこんなおばさんに興奮しているというの………? そのことに気付いてからは、どうしていいのか分からなくなってしまった。 だからといって特段に対策をするでもなくバスでの通勤を続け、その日が来てしまった。 柔らかなシフォン生地のスカートに逞しい存在が接触し、バスの揺れに任せて自分のお尻に埋まる瞬間が何度となく訪れる。 冷房の効いた車内にひしめき合う人の中で、そこだけが温かい。朝の渋滞で少し進んでは停まることを繰り返す車内で、真由美はスカートが上へと指で摘まれて引き上げられていくことを感じた。 思いがけないことに手で制したけれど、それほど引き上げられないで止まった理由はすぐに分かった。後ろのスリットから指が入ってきたからだ。 嫌っ……やめて! ストッキングを身に着けない下半身に男の指が蠢き、股の下を後ろから前へと指が前後に動かされる刺激に太腿を急いで閉じる。けれどその効果は意味をなさないほど指は動き続け、真由美の花弁がショーツ越しに開かれて敏感な蕾が捕らえられてしまった。 夫の義務的な所作とは違う的確な男の指の蠢きは真由美を黙らせるには十分な快感をもたらしてくる。座席に座る眼の前の人や左右の人、とにかく周囲の人に気付かれやしないかと動揺する気持ちを隠し、努めて平静さを真由美は装うしかなかった。 必ずしもその男性が自分の背後にいる日ばかりではないが、バス停でタイミングを合わせて並ばれた日は、必ず朝から悶々とさせられることが決まっていた。 男性は過激さを増してショーツの脇から大胆に指を侵入させるようになり、真由美の蕾を可愛がるようになっていた。優しく小さなのの字を描くように指の腹を当てて動かされ、真由美は吊り革を掴む手とは逆の手を肩から下げるショルダーバッグを掴む指に力が入れて目を閉じる……。 ゆっくりと挿入された指を何度となく抜き差しを繰り返され、クリトリスと膣の中とを交互に攻められる日々。嫌でも自分の女の部分に炎が灯されてしまっていた。 その夜、夫を誘ってみたけれど疲れたといって背を向けられて自分の身体の火照りを収めることは叶わなかった。 明くる日、真由美はバス停であの男性が来るのを待って列に並び、バスに乗車した。本当はパンツを履いて拒絶を示そうと思っていたけど、都合よく利用させてもらおうと思ったのだ。元はといえば、彼のせいなのだから少しくらい責任を果たしてもらってもバチは当たらないはずだと……… 今思えば倫理観が麻痺していたとしか言いようがない。 そう、麻痺していたのだ……。
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2026/02/09 13:43:22(CuSjXMCp)
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