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エロ無し
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:エロ無し
投稿者: 弟子の太一
いつ見ても惚れ惚れとする山支度。
目の前で、セブンイレブンのレジに並び、おむすびとお茶を買っている様も、流石は師匠だと思う。
地下足袋にくたびれた作業ズボンにチェックのシャツ、編み編みのポケットが沢山付いてるベスト
車には背負い籠がある。
師匠はそれを背負って山に入る。

「太一君は、何を買うんだい?あまり、匂いの強いのは止めてくれよ?熊が寄ってくるからな」
師匠の頭は、もう山に入っている。
「あ、分かりました。自分もおむすびとお茶にします」

こうして、買い物を済ませ車に戻る。
目の前にそびえる八ヶ岳を眺める。
「師匠、デカい山っすね」
師匠も山肌を眺め
「ああ、デカい山だよ。山に嫌われねぇーようにしねーとな」
「師匠?山が嫌うって、なんすか?」
「あー。なんでもねー。さてと、お参りして登るか」
師匠のオススメのお宮に軽くご挨拶をして、登山口に立つ。
師匠はお決まりの爆竹を師匠が自ら作った缶コーヒーの缶で出来た入れ物で鳴らす。
ぱぁーーん!!
これは、熊避けらしい。
師匠は、登りながら何度もコレをする。
かなりうるさいが、熊よけには1番いいらしい。
「師匠?今日は何を狙うんですか?」
「今日は、キノコだよ。昨日、太一君が川原の柳でヌメリスギタケモドキを見つけただろ?そろそろしめじがいい頃合いなはずだ」
「じゃ、シメジ狙いですね!やったー!」
「はははは、太一君も好きだなぁ」
こうして、師匠を先頭にゆっくりと八ヶ岳に入る。
初めの内は、そこらの山と一緒だ。
景色も、匂いも。
僕達は登頂登山はしない。
山は僕らの食料庫だ。
こうして師匠と山に入り始めた頃は、師匠が1つ1つ、足を止め、取って見せて、コレは何何。アレは何何。と丁寧に教えてくれた。
お陰で、山菜からキノコ、歩き方や色んな山の事を教えて貰った。
色んな動物達にも出会った。
テン、キツネ、鹿、イノシシ、カモシカ、熊も出会った。
師匠は言う。
「山で出会う熊は、案外と大人しいもんだよ。出会い方さえ間違えなきゃ、まず、襲われない。」
「師匠、出会い方って・・・」
「山の熊ってなぁ、俺たち人間を見てるんだよ。ほら、あそこの茂み見えるか?あの陰とかでさ、じっと俺たちをみてるのさ。クマにとって害があるかどうかを、な。」
「えっ、でも、ニュースでよくキノコ狩りしてた老人とか、襲われてますよ?」
「ああ、そうだな。出会い方さ。どんな所で熊が潜んでるか、どんな所にいるか、どんなものをいつ頃食べてるのか、とかな、色んな事を頭に入れとくんだよ。図鑑やネットに乗ってる。嘘も多いけどな。」
「うーん、よくわからないけど。要するに、人間が気づかなくてもクマは人間が来た事を知ってるって事か。」
「ああそうだ。クマにとっては、山はホームで、俺たち人間がアウェイだからな。クマにとって、そのアウェイの人間がクマの庭を荒らすか、素通りするか見張ってるのさ」
「ああ、なるほど」
「害が及びそうなら、クマから警笛を鳴らしてくれるさ。それに気づかずに近寄れば、やられる」
「威嚇って、事っすか?」
「ああ、薮に潜んで薮を揺らして音を出したり、もっと近くなら、ブフォーブフォーって鼻息を鳴らす。まーあれだ、鼻息を聞いちまったら先には進めないな」
「鼻息が最後通告ってことっすね」
「ま、そんなもんだ」
「でも師匠?どこにいるかなんて、そればっかりはわからなくないっすか?」
「そうでもねーさ、熊ってな、以外と臆病な動物なんだよ。ほら、あそこの太いカラ松あるだろ?幹を見てみろ」
「ああ、ありますねーカラ松。あのカラ松の幹ですか?なんか、表皮が剥けてますねー。アレがどうかしたんすか?」
「太一君、ちょっと行ってみるか。一緒に」
「あ、はい」
近くで見るとカラ松の幹の皮が縦50cm幅30cmくらい剥けていて、剥けてる上と下には、何かの爪痕の様なものが残っている。
「し、師匠?これって、まさか・・・?」
「ああ、熊の爪痕だよ。テリトリーの印さ。ほら、あっちのヒノキを見てみろ。あれにもあるだろ?このカラ松とあのヒノキまで、テリトリーの1部ってわけだ。」
「ちょ、ちょっとぉー師匠、やめてくださいよー出たらどうするんですかぁー」
「ん?出たらって、熊か?」
「そうですよー、テリトリーなんでしょ?ここ、熊の?」
「ああ、あの茂みとかで俺たち見てるかもなぁー笑」
こうやって、師匠は色々と教えてくれる。
師匠が言うには、クマは人が怖いんだそうだ。
熊も出来れば人とは関わりたくないと思っているらしい。
だから、山にいる熊は、危害がないと思えば、わざわざ危険な人間の前に姿を現したくないんだそうだ。
見過ごせるなら、熊もそれが1番だと思っているのだろうと師匠は言った。
なるほど。
要は、窮鼠、猫を噛むってやつか。

クマの話をしていたら、最初のポイントに着いた様だ。
「太一君、1度、お茶を飲んでおくといい。俺も飲む」
そう言って師匠は地面のドカッと腰を下ろしてリュックからお茶を出して飲み始めた。
じゃあって事で、自分もお茶の封を切った。
師匠が「太一君、1人で山に入る時は、耳を澄ますんだ。10mに1度は周りをよく見なさい。」
「それは、どうしてですか?」
「山でヤバいのは熊だけじゃない。この時期のオオスズメバチもヤバいんだ」
「スズメバチっすか?こんな山にもいるんですか?」
「むしろ、オオスズメバチは山の方がホームさ」
「ええっ!そうなんすか?」
「ああ、それに熊もな。薮の異変や鼻息なんかも10m手前でも耳を澄ませば聞こえる。」
「そーなんすか。でけー鼻息っすね」
「ああ、そう言う時の熊は興奮してるからな。それと、10mくらいの短い距離でオオスズメバチが何匹も膝辺りの高さを飛んでたら、近くに巣がある証拠だ。アイツらは地面の中に巣を作る」
「ヤバー!マジっすか・・・聞いといて良かったぁー」
「山は急ぐもんじゃねーからな、ゆっくり、じっくりさ」
そう言いながら師匠は立ち上がる。
「さてと。太一君、あそこの斜面、見えるか?今から、アレを登る」
と師匠が指差した方向を見る。
緩やかな斜面。
斜面の上の方を見ると赤松がたくさん生えている。
目の前の斜面には、コナラが多い様だ。
下草は少なく、水はけは良さそう。
ああ~。
って事は・・・
「師匠、わかりましたよ?本しめじっすね?」
「太一君、さすがだなー。その通り、すぐそこだ。」
斜度に緩急の有る場所に出る。
急な斜面の地面が見えている所に白っぽいキノコの足が見えている。
「師匠?これって!?」
「ああ、これ全部、本しめじさ笑」
横にズラーっと。
約5mくらいに並んでるように生えていた。
3本の株になっているものや、7本くらいの立派なかふの物もあった。
「太一君、この3本くらいで傘も小さいものは、触れずに残しといてくれ、コレが来年の種になる。」
「わかりましたー!」
長さ10cmくらいで5本とか7本とか、立派な株だけ籠に収める。
それでももうかなり重みを感じる。
来た足跡を辿り、山道へ戻る。
「あははは、太一君、思っていたより取れたよ。これで降りても良いくらいだ」
「ホントっすねー!大量ですよ」
「でも、本命はまだ上さ笑 行くぞ?」
「本しめじより、本命って、もしかして、霜降りっすか?」
「ああ、一昨日、この山見たか?霜降りてただろ?」
「あああー、確かに朝は上の方、白くなってましたね」
「ああ、上手くすれば開く前のいいのが取れる。行こう」
「はい!師匠」
こうして、本しめじを取った場所から、登ること30分程度。
「師匠、生えてる木が変わりましたねーコレ、クリスマスのときのアレっすか?」
「ああ、それも生えてるけど、ちょっと違う木だよ」
「なんでしたっけ?モミでしたっけ?」
「ああ、モミはコレ」と師匠が指を指す。
「で、コレがツガ」と師匠は指を指して教えてくれた。
が、わからない。
「えっ!?えっ!?何か違うんすか?モミもツガも一緒じゃないっすか」
「ああ、そっくりだけどな。ちょっと上。見てみろ?松ぼっくり付いてるだろ?」
と言われ、上を見る。
「あ、ああーっ!ホントだ!松ぼっくりが違う!モミの方は松ぼっくり、長いんすねー!よく見ると葉っぱも違いますねー。へぇー。」

師匠が言うには、良質なキノコは赤松林よりツガの林の方がいいらしい。
マツタケ、霜降りしめじ、オオツガタケ、クリフウセンタケ、等、いいキノコの宝庫なのだとか。
ここで、師匠も本格的にキノコを探したいらしく、師匠が範囲を決めて、各々でキノコ狩りを始めた。
30分に1度、合流する場所を決めて、そこが見えなくなる場所までは移動しない。
少しでも不安や何かあったら大きな声を出す。
など、決めて各々、下を見つつ、決めた場所を立ち止まって確認しながらキノコに夢中になった。
初めの内は、落ち葉だらけでキノコなんて目に入らなかったが、念願のオオツガタケを自力で見つけてからは、あれよあれよと20本くらい見つけ、その脇から霜降りしめじを見つけ、気がつくと約束の30分だった。
合流地点に戻ると師匠は、僕の倍以上取っていた。
「太一君、俺はもう充分だわ笑 手伝うよ。ちょっと、その前に水分を取ろう」
そうだ、これから重い籠を背負って降りなくちゃいけない。
「師匠、降りる事考えたら、自分もコレで充分ですよ」
「そうか、じゃあ、もう少し登ると開けた所があるから、そこでお昼食べて降りるか」
ツガ林を抜けると目の前がパァーと開けた。
向こうまでずっと山が続いていた。
デカい空に。

おむすびがやたらと美味かった。
「師匠?そういえば、いつも1人でこんな奥まで来てるんすか?」
「ああ、もっと歩く」
「ええっ!?1人の時は、もっと行くんすか?」
師匠はもう55で、僕はまだ30そこそこだって言うのに。
涼しい顔で遠くを見つめながら師匠はおむすびを頬張っている。
僕は、汗だくだって言うのに。
師匠は無駄な肉はないのだ。
動きもとてもスマートに見える。
斜度のキツイ所は、師匠が先に登り、僕に手を伸ばしてくれる。
なんて体力なんだろう

そんな事を考えながら、おむすびの最後の1口を口に入れる。
師匠はふぁあああーと伸びをして、気持ち良さそうだ。

山は登りより、正直、下りの方がしんどい。
膝にくる。
小休憩は上りより多くとるのがコツだと師匠が教えてくれた。
その為、下りの方が時間は多く見積もるんだそうだ。

下りは、のんびり、師匠と笑い話で盛り上がりながら、途中でサルナシを取って食べたり、山葡萄を見つけて食べたりしながらのんびり降りてきた。
なんだかんだ、朝に入山したのに、降りてきたらもう午後の4時を少し回っていた。
「太一君、お疲れ様。くたびれたろ?」
「いえいえ、師匠には負けますよ笑 僕より、若いんじゃないんすか?」
「あはははは、歩いてるからなー。年に負けないように笑」
偉大な師匠、大声で笑った。

山で食べたおむすびは、寒かったけど美味かった。
めちゃくちゃ美味いキノコも師匠のお陰で沢山とれた。

師匠、来年も、ご一緒してください。
それまで、絶対にお元気で!

(半分よみもので、半分、リアルです)
追記
エロなくて、すんません笑
 
2024/10/26 23:14:41(qMX5hFlC)
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