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撮影されて感じるんです、新しい快感
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:撮影されて感じるんです、新しい快感
投稿者: 井口
これから結婚するカップルは演出しなくても歩いているだけで幸せのオーラで絵になる。
 アマチュアバンドのミュージックビデオを撮ったことがある、それを気に入ってくれたというから僕としてはとても嬉しい、そのバンドのお客の友達だからまあ簡単に面識の無い他人、でも知り合いじゃないほうが気が楽だ。
 結婚式に流す動画、彼もイケメンだし彼女も美人だからとても絵になるのがありがたいし、アイフォンで撮ってもこの画質なんだから今はこれでもう映画作ってる人がいる。
 天気の良い午前に歩いているところや公園で撮影して、天気が悪くなってきたので切り上げて、生い立ちの部分の動画作りを彼らの家で三人ですることにした。
 「やっぱり小さい頃から涼君美形だね、知恵さんも可愛い、やっぱり見られ慣れてるんだね、カメラかまえてもそのままで自然だ、ほら君たちが気に入ってくれたMVだけどさ、あれはもう本当に普通の人、メンバーの知り合いで出てもいいよって人たちだから、カメラに慣れるまで大変だった、スマホなのがいいのかな。」
 「そうですねスマホで撮られるのはもう日常じゃないですか、そのせいですよ、井口さんだってカッコいいって知恵が言ってますよ、なあ。」
 「もう恥ずかしいでしょう、でもカッコいいです大人の渋さっていうのかな、でもそんなに年変わらないですよね。」
 二人は26才と25才、若い結婚だ、私は28才。確かに社会にでていれば関係の無い年の差だ。
 2時間くらいで写真を取り込んで、ざっくり形にする、細かい詰めの作業はじっくり自分でするし、ナレーションは僕が入れることになった、声はいいってよく言われるし、音にあわせて編集より、動画にナレーション合わせるほうが百倍楽だ。 プロのミュージシャンがコマ単位で映像まで詰めてるって話をテレビで見て、自分はプロになんかなりたくないってつくづく思った趣味だから楽しいのだ、空間デザインで飯を食ってるけれどセンスのクライアントがいっぱいいるけれど、適当な落とし所で妥協ができるし、それほど心は傷つかない。 だから趣味の映像と音楽にはこだわりたいし、それで喜んでくれる人がいるのはとても有り難い。 今回も土日使って素材をある程度揃えたい。
 外は天気予報を裏切って豪雨になっていた。
 「あの井口さん、明日も撮影ですよね、天気がどうなるかわからないし、往復してもらうの悪いんで泊まっていってください、話しもしたいし編集ってそれで済むんですよね。」
 MacBook Pro、最新じゃないけど、動画の切った張ったは楽勝だ。 とても気持ちのいいカップルなので甘えることにした。
 好きな映画だったり音楽やアート、楽しい時間が過ぎてすぐ僕もほろ酔いだ。 タバコ吸わない二人に謝りながら換気扇の下で煙を換気扇に向かって吐く。 私も吸っちゃおうかな、一本いいですか? 知恵さんが横に来て久しぶりなのだろう、最初の一口は顔をしかめてむせるのを我慢したのがわかる。
 「えーなんだよ知恵、吸ってるじゃん。」 俺も一本いいですか?涼まで吸い始めた。 俺は不思議だタバコ吸えばいいし酒も飲めばいい、寿命が縮まる?俺の人生になんで介入するんだそう思ってる。 だからバンドマンが好きだ、音楽って見えない快楽に人生をかける、上手い下手、プロになれるなれないどうでもいい、目に見えない音の振動に人生を捧げてるあいつらが愛おしくてたまらない。
 「高校の時にバンドやったんだよね、俺はベースやれって付き合いでさバイトしてたから金あったからさ、ギターのやつがね中1からやってるからさもう弾けるしさ、俺の彼女は子供のころからピアノやっててさ何でも弾けるの。バンド組むじゃん彼女がさギターの彼に惚れるんじゃないかって心配でさ、二人がしてる音楽の話しを全然理解できないからさ、もうめちゃ成績落ちたよ、けっこう頭のいい学校だったからさ、youtubeでさベースの弾き方とか音楽理論とかさ彼女にクラッシクってどこがいいのか聞いてさ、そんな事聞くってさ素人なわけでさ、ああごめん、何の話だったけ。」
 「いいっすよー今夜は嵐だし、やっぱ井口さん魅力すごいっす、あの俺もっと稼いで、広い部屋に引っ越したら内装とかプロデュース頼みたいです。」
 「この間取りなら子供一人だったら問題ないでしょ、僕の親は芸術家に憧れてたから、壁にクレヨンで絵を描いても怒らないで褒めてくれてさ、親もクレヨンで壁に絵を描いてさ、自由な人だったよ、今も天国で二人で幸せにやってるよ。」
 「え、井口さんもうその、一人なんですか?」
そう知恵さんは不安そうな顔をする、涼もちょっと困ったって顔だ。
 「そんな顔するなって、事故だったんだよ今思うと二人同時にね天に召されたのが幸せって思ってる、大学の時だったからまだましさ、子供の時にさ親を亡くした人だっていっぱいいるからさ、21才でさ親戚はいても天涯孤独だからさ、保険金もすごかったしね、お金あるからさ、高校の時の最初の彼女はさいい子だけど美人じゃないしさ、風俗行ったりさお金で綺麗な女の子いっぱい抱いたけどさ、彼女だけさ本気で心配してくれて傷ついてねそれでも支えてくれてね、でもさあいい子なんだよ本当にこんなクズな俺を愛してくれてさ、でも病気になってさ、ドラマみたいだろ、お金なんてさ意味無いんだよ、全部だよ親が死んだから手に入れた金全部それでも助からなかったよ、ああごめん、こんな話し聞きたくないよな、ごめん。」
 二人は泣いていた、俺も泣いている、俺はこれから明るい未来のある二人になんでこんな親友にもしない話ししたのだろう、反省する、ああそう言えばは一度恥を晒したことがある。
 さ金で女買ってバカやってたときに興味本位で女王様のいるバーってのに顔を出した、ヘラヘライジメられて、金払って痛い思いしてバカじゃねえかって、他のM男見て思っていた。
 「ねえ君さあ、バカにしてるでしょ、皆んなわかってるからね、冷やかしだったらさ帰りな、ママこの人の分私が払うから叩き出して。」
 女王様はご立腹だ。 「金はありますよ、冗談じゃない払ってくよ、イジメられて何が気持ちいいんだ変態だよ。」
 「そうだよ俺達ね人生かけて変態なんだよ、お前は何もわかってないんだよ、頭悪いんだな。」 M男に喧嘩売られる始末、俺はママと女王様に控室に拉致られる、抱えてるもの全部吐き出しな、金払うとかそういう問題じゃないさ、お前さ心が壊れそうなんだろ。 ママは接客あるから去っていった。
 エロも何も無いロッカールーム、裏はこんなものだ。
 女王様はまっすぐ俺を見る、俺も見返す。
 「俺は最低のクズなんです、それでも優しくしてくれる幼馴染が死にます、金も全部使って、親の遺産も全部、いくらだけ借金してもダメなんです。 あいつが死にます、だから俺も死のうって思ってます。」 「そうなんだじゃあしょうがないね、うんお前は最悪の客だけどさ、最高の男だわ。」
 フロアに戻る、はい まずはごめんなさいして。 皆んな聞いてこいつさ人生の全てをかけてさ幼馴染みをさ助けたいんだけど、ダメみたい、こいつさ最愛の人を失うんだよ、だからさあ。」 女王様が泣き崩れた、ママが抱きとめる。 そんな話しをしたのかしないのか、もう酔っていたから。
 
 どうも飲みすぎたみたいだ、頭がふわふわする、気がつくと来客用の布団の中で寝ていた、外は明るくなり始めていた、天気は回復してる、これならいい素材が撮れそうだ、やっぱり頭が痛い。
 キッチンで水をバカみたいに飲む、タバコ吸いすぎたのかな気持ち悪い。
お風呂に入りたい、ぬるくなった湯が張られてるこれで充分だ、常温くらいが気持ちいい。 二人が起きてきたのだろう、音が聞こえる、何十億も人がいる、その中で出会えたらそれが奇跡なのに、なんでわからないんだ、好きになるだけでも、まして本気になれることって。
 一部完 続く

 
 
2023/06/04 18:26:40(Ns9ZqXkV)
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