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昔話~my平成の記憶SP(前編)
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:昔話~my平成の記憶SP(前編)
投稿者: 唯315
1990年代の終わり、携帯電話に初めてカラー液晶が出た頃のお話です。

日常のしがらみとは全く関係ない話のできるメール友達、というものに興味を持った私は頑張って作ってみることにした。

当時はまともなネットもなく、伝言ダイヤルでの相手探しが主流だった。
留守録みたいにプロフや番号を録音して返信を待つ、みたいなもので、一応性別、地域別、くらいは選べるようになっていた。

条件は性別は問わない。出来るだけ遠方の人。
同性だった場合、身バレのリスクを避けることと異性の場合、妻帯者なのでアヤシイ関係に陥ることのないよう物理的な距離を設定するためだ。

12月になったばかり。

暇な仕事の休憩時間、煙草を吹かしていつものように適当に相手探しをしていたある日。
全国版になんとも可愛らしい声の伝言を見つけた。

内容は忘れてしまったが、援交か何かの募集だったと思う。

直感的に話してみたい、と感じた。
とにかく、その声が気に入って番号を入れてみた。

当日かどうかも憶えてないけれど、午後、メールボックスに返事が入っていた。
その日は確か休みで家でゴロゴロしていた時だった。


「今日は。なにしてますか?」

私「休みで家にいてダラダラしてるよ。伝言の人?」

「そうだよ。宜しくね。」

私「学生さん?君は何してるの?学校は?」

「学生じゃないよ。今ベッドの上。援終わったとこ。相手がシャワー浴びてて暇だったから(笑)」

私「えー!?ごめん。邪魔したね。」

「邪魔じゃないよ。あ、出てきた。またね-」


頭の中で容易に想像できる光景を意識しないようにしながら内心相手を間違えたかな、とも思った。

その日の夜。


「今晩は。仕事終わったよ。」

私「遅いね。何の仕事?」

「ホステスしてるよ。夕方からだから遅いの」

私「学生じゃないんだ。働いてるのに何で援交なんかしてるんだい?」

「お金貯めてる。仕事だけじゃ少ないんだよね。」

私「稼ぎたいのはわかるけど彼氏が知ったら悲しむよ」

「彼氏なんていないよ。」

私「でも感心しないなぁ、他にもバイトするとか稼ぎ方はいくらでもあるでしょ?」

「あなたには関係ないでしょ?」

私「関係あるよ。もう聞いちゃったし。そんな軽々しく寝ちゃだめだよ」

「だって気持ちいいことしていっぱい貰えるし。別にいいじゃん」

私「ダメだよ。そんな簡単に体を重ねちゃいけない。心身共に繋がれる相手、これから巡り会う本当に大切な人のためにとっておきなさい」

「……………」

私「堕胎経験は」

「…………1度…」

私「もっと自分を大切にしなさい」


初めから説教全開の私に、嫌なはずなのに付き合ってくれる彼女。

彼女の名はM。19歳(歳は誤魔化して働いている)
私はT。当時は結婚当初友人が紹介してくれた勤め先を最低3年は勤めようと我慢(笑)していた。

その日から、時々彼女からメールが入るようになった。


M「なにしてる?」

私「嫌だけど働いてる」

M「(笑)ごめんなさい。邪魔だよね」

私「構わないよ。返事出来ないときは出来ないし。運転中と風呂と睡眠中以外は大丈夫(笑)」


とりあえずメ友っぽいのは出来たようだけど…
仕事の愚痴とか時事話とか…何でも話せる、というわけにはいかない相手、何でも希望通りにはいかないものだな、などと思っていた。

とはいえ、下心はなくとも若い異性が相手であることに少し嬉しい気もあるし。


M「ニャ。仲良くしようね、ねー」


初めての絵文字。猫とハート。
普段なら見ることも使うこともないそれは新鮮だった。


M「奥さんとはシてる?」

私「共稼ぎだし二人とも昼夜交替だし殆ど会わないからね。そんな暇があるなら明日のために寝ます(笑)」

M「じゃ1人でしてるの?溜まるでしょ?わたしが相手してあげるよ。Tさんならお安くしとくから(笑)」

私「まだそんなことを(怒)ダメだよ、近くでなくてよかった」

M「え~、私、自信あるよ。可愛い、って言われるし。Tさんも気に入ると思うよ」

私「自信あるとかの話じゃない。援交やめないならもうメールはしない」

M「援交はもうやめたよ。メールしないなんて言わないで」

私「ホントかなぁ…わかった。君の言うことを信じる」

M「ホントだよっ!違和感あるから名前で呼んで。皆そうしてるし。何かよそよそしいし」

私「う~ん、自分が名前で呼ばれるの嫌いだから人も名前で呼ぶなんてしないけど…わかったよ、M」

M「そうなの?(笑)じゃ、わたしは違う呼び方で呼ぶよ。何にしようかなぁ…あ、K!」

私「K?食べ物?」

M「そういうキャラクターがあるの。イメージがぴったり(笑)」

私「知らないなぁ。Mがそう呼びたいなら(笑)名前よりいいし」

M「じゃあらためて宜しくね。K」


生まれて初めてニックネームなもので呼ばれることになった。

Mはとても利口な娘だった。
私に誤字があると叱られ(笑)自分が打ち間違えるととても恥ずかしがった。

学生時代からの遍歴。
母子家庭で、DVらしきことがあるようなこと。
上京に憧れ、そのために貯金していること。あと少しで叶うこと。
日常の出来事。
思ったこと。感じたこと。
色々なことを話してくれた。

職業柄、男のあしらいは手馴れたもののはずだけれど、私に対して素のままの純真な若い娘でいてくれた。


M「Kは他のメール相手とどんな話するの?」

私「他に?いない。Mだけだよ。そんなに器用じゃないし。付き合い嫌いだしね。Mは?」

M「皆切っちゃったから今はいない。Kだけでいい。」

私「そんな寂しいことを。いくらでも作れるだろうに。」

M「そんなこと言わないでよ。わたし、重い?そうなら我慢して控えるよ」

私「嬉しいとは思うけど…そんなふうに考えたことないなぁ」

M「うふふ。よかった。K人形のストラップ買ったんだー。わたしのお守り(笑)」


気づくといつの間にか、毎日、おはようからおやすみまでの仲になっていた。
そしていつの間にか、年も変わっていた。


M「わたし、Kが好き」

私「私もMが好きだよ?」

M「そういう意味じゃなくて、異性として、だよ」

私「え……」


告られた。突然。
なにがいいのかさっぱりわからないけれど。
異性として悪い気はしないけれど。

まずい。

何がまずいのか。

大のお気に入りの娘にそんなこと言われると…


応えてしまう。


もうそれくらい近い仲になっていた。


私「遠いし…文字だけだよ?相手、間違えてるよ」

M「そんなこと言わないでよ。仕方ないじゃん。好きになっちゃったんだから」

私「………」

M「いいよ。無理しなくて。奥さんいるし。わたしが勝手に思ってるだけだし。思い切って言ってみたんだけどなぁ(笑)」


本心には逆らえない…応えてしまう。


私「同じだよ」


合わせるために言ったんじゃない。
いつの間にか。
自身で認めざるをえない事実。
言わないようにしてきただけ。
意識しないようにしてきただけ。

妙齢の男女が何の垣根もなしに毎日四六時中、心の内を話し合い続けるとどうなるか。

その答えの1つ。


M「嬉しい。でも無理に合わせてくれなくていいよ」

私「無理なんてしてない。好きだよ。ずっと意識しないようにしてきた。同じなら…してもいいよね?」

M「ホントに?嬉しい!どれくらい?」

私「今、目の前にいたら抱き締めたいくらい」

M「ふふふ、折れちゃうよ(笑)」


お互い、どんな容姿か知らない。ただ、文字で話すだけの関係。それだけの。

でも、


誰かを好きになるのに条件なんてない。


もうそれからの2人は堰をきったように、他人なら恥ずかしくて直視できないような会話を毎日毎々、朝から晩まで続けるようになる。

そう。


まるで恋人であるかのように。


季節は間もなく春を迎えようとしていた。
 
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2019/03/31 06:33:44(BEBietsK)
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