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彼と彼女の欲望 その深淵を覗く者
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:彼と彼女の欲望 その深淵を覗く者
投稿者: 熊髭 ◆OQJdZRTLq.
傍らで二つ年下、四十路半ばの妻が寝息をたてていた
永らくレスだが、関係は良好だ 自分は晩酌の酒が足りなかったのか、明日は朝一から一人バス釣りに出掛けるというのに寝付けず、ぼんやりしていた

妻には申し訳無いが、もう人生のパートナーとしてしか見られなくなっていた いつしか自分には婚外に年上の彼女が出来ていた 

「明日逢えるなら飛んで行くけど」

「ごめんなさい、明日は空いてたけど映画の予約席取っちゃったの」

お互い家庭が有り、少し距離も有るので頻繁には逢えない 仕方ない 明日は惰性で続けているバス釣りにでも行くことにした

ぼんやりスマホをいじりながら何を調べるでもなく検索していた ふと、有るサイトが目に止まった

アダルト系のSNSサイトだった しかもかなりマニアックな内容だった 近親?SM?複数?
登録者のプロフには欲望剥き出しの画像や動画が連なり、衝撃だった 
SNSが持つ匿名性は様々な性癖、願望を晒し求めることに最適だ
自分自身も、結婚前にはこうしたSNSで何人かと出会い、関係を持ったことが有るが、ここまで上級者が集まっているのは初めてだ

ひとつのスレッドが目に付いた

彼に撮影されながら他の男性に放尿することに興奮する らしい

好奇心?彼女に振られた自棄感?酔った勢い? そんな感情に駆られ レスしていた
そもそも、彼女のプロフには何の画像もなく、自己紹介もスレと似たような書き込みで余りにも情報量が少なかった 自分のような初心者の書き込みに反応する筈もない
 
いい加減明日に備えてもう寝よう 

彼女に振られてしまった自分は、一人バス釣りに出る為にスマホを置き、横たわって妻に背を向けた 

目を閉じる、寸前 スマホの画面が光った こんな時間にメールが来るなんて 

件のスレ主からだった 

良かったら明日、彼に会って貰えないか 

一気に酔いが覚めた 明日は午前か夜なら空いている旨を伝えたが、それから返信は無かった

冷やかし か よく有る話だ、と思いながら短い睡眠を取り、早朝に目を醒ます 妻は相変わらず寝ている 自分達が子を授かれなかったからでは無いが、引き取って十年になる元保護犬のワンコだけが、だるそうに微動だにせず目だけで自分を見送ってくれた 


釣りは楽しいかと言えばそうでもなく、多くの時間を費やす割には喜びは少ない
あまり乗り気でもなかった今日は尚更つまらなかった

時刻は昼前 帰るか、と竿を仕舞っていると、ジーンズの前ポケットの中のスマホが光った 件のスレ主だった 

今から会えませんか?

自宅の有る街まで二時間 車中で何回かメールを交わしながら運転し、話はいつの間にか繁華街の喫茶店で会うことまで進んでいた


「この人じゃねえか?」

喫茶店の入口に立って店内を見渡していると、怖面で白髪混じりの無精髭を生やした、「彼」が「彼女」に話しかけていた

「あ、初めまして」

まずは挨拶を交わし、彼と彼女の対面に座った 彼は精力的な話し方で、今から撮影しても良いか、と自分に問いかけた 緊張からか、膝頭が震えていた チラ、と顔を上げて初めて彼女をまともに見てみた

喫茶店内だというのに厚手のコートに身を包み、眼鏡をかけていた 恐らくは五十路手前ほどであろう彼の彼女は、意外なことに若かった

それだけではない 若く、身体は華奢で細く、そして美しかった

眼鏡の下の小さな顔をまじまじと視た 
まるで 天野喜孝が描く美人画がそのまま肉体を持ったかのようだった

綺麗な瞳だ 自分は純粋にそう思っていた
次の瞬間 あ、え?この美しい女性がスレ主?

自分は混乱し始めていた






 
2019/11/05 17:59:48(Q6w606HO)
7
投稿者: 熊髭 ◆OQJdZRTLq.
彼女の肛門を味わいながら、彼女を見上げる
 狂気を帯び、潤んだ瞳には見覚えが有った

妖 あやかし だ

藤田和日郎の描く、妖の目だ 凶悪で禍々しく、そして美しい 妖 

肛門を貪る自分を、ねっとりと見下げている 唇にはダラダラと溢した唾液が塗れ光っていた 唇に指を這わせ、口内を犯すように彼女の舌先を指先で愛撫した

「お前、口の中も性感帯だもんな」

彼は彼女の全てを知っている 彼女の身体を使って、自分に宝探しをさせているようだった

彼女の唇の端からひと雫、唾液が溢れた
自分は思わず肛門から口を離し、その雫を自分の口で受け止めていた 
彼女の指先が自分の口内に浸入してきた お互いに見つめ合ったまま、お互いの口内を指で犯し合っていた

狂ってる 目の前の出来事は現実なのか?

脳内に直接焼き印を押されたような沸騰を感じた 

彼女の口内から指を抜き、その彼女の唾液を纏わせた中指を彼女の肛門に埋め込む 

「お尻、気持ち良い…」

抜き差しを繰り返す 時折指を抜いては、彼女の眼前でその指を味わった 彼女はそんな光景を見て、恍惚の表情を浮かべている

もはや自分は彼女の舐め犬だ 

「おしっこ…おしっこかけたい…」

彼女が独り言のように呟く 彼女は己の興奮を隠そうともせず、自分を見つめる 

「うんちも出したいの…身体に、かけたい」

「じゃ風呂場行くか」

彼は機材をバスルームに移動させていた

もう、自分の置かれている状況に何の疑問も無かった 彼女の尿を浴びたい ただそれだけが自分の欲望だった


バスルームに仰向けに寝転がり、彼女は自分の肩口を押さえ付けるように足を開いて立っていた
また、唾液を溢している 今度は意図的に自分を目掛けていた

まるで親鳥が与える餌を貪る雛鳥のように、一滴も逃すまいと必死に首を振り唾液を飲み込む自分を見て、彼女は微かに微笑んだような気がした



19/11/06 12:47 (V9JpbWvH)
8
投稿者: 熊髭 ◆OQJdZRTLq.
妖の瞳が、自分を捕らえている

息遣いは忙しなく、これから眼前で起きるであろう光景を思い浮かべ、ねっとりとした視線を自分に向けていた

肩口を押さえ付けられた自分もまた、欲していた いつの間にか、彼と彼女の棲む深淵に足を踏み入れていたのだ 

「出るぅ」

捕らえた者と、捕らえられた者が 一筋の液体で繋がった

彼女の中心部から止めどなく噴き出す尿 彼女は目を見開き、この世の者とは思えない程の笑みを浮かべながら、その光景を堪能している

妖の瞳を見つめながら、彼女の迸りを受け止める 髪、目、鼻、口内 全てが彼女の尿にまみれる 気が付けば、萎縮していた陰茎が最高に勃起していた

もっと もっと

彼女と自分の欲望が重なった瞬間、射精の数倍の快感が脳内に雪崩れ込んできた きっと、彼女も同じ快感を脳内に感じている筈だ

「変態…変態…」 

彼女が恍惚の表情で呟いている 自分に向けてか、はたまた彼女自身に対してなのか
或いはその両方なのか

彼女の体温を身体、顔中で感じ、自分もまた恍惚の表情だったに違いない 彼女の足を掴み、顔面に足裏を自ら押し付けた

もっと もっとだよ


「ちょっと休憩するか、タバコ吸おう」

空間の支配者である彼が言う

「二人でシャワー浴びて、休憩しよう」

彼は機材をバスルームから撤収し、バスルームの扉を閉めた

「臭い、おしっこ臭い」

先程の狂った妖の瞳から、少し正気が戻った彼女にシャワーをかける 

「あったかい」

彼女は一方向から固定したシャワーの下で、おどけるようにクルクルと回りながら微笑んだ

バスローブを纏い、ベッドにちょこんと座る彼女 対面には彼がソファーに腰掛けている

タバコをふかしながら、自分に問いかけてきた

「今八時半だけど、どうする?」

急に現実が頭の中を駆け巡る そろそろ帰らないと妻に怪しまれてしまう、か? 彼が用意してくれたスポーツドリンクを一気に飲み干す

「すみません、今日はこれで」

「うん、そう、じゃあ出るか」

彼女の方を振り返ってみると、彼の言葉を即座に理解し、既に帰り支度をしていた 支度と言ってもまた全裸にコートなのだが

彼女の瞳は、また彼だけを視界に入れていた



19/11/07 12:12 (t62WxMKu)
9
投稿者: 熊髭 ◆OQJdZRTLq.
先程と同じようにエレベーターに乗り、フロントを横切る 何組かのカップルが、エレベーターから三人で出てきた自分達を見て怪訝な顔をしている 外はどうやら雨のようだ 街は酔い始め、ホテルは盛況だった

「今日は有り難う御座いました」

彼と彼女に、何とも間抜けな礼を言う

「じゃ、また」

ホテルの前で、お互い逆方向に歩き出す 彼と彼女は、また新しい玩具を求めるかのように、振り返りもせずに夜の街に溶け込んでいった 

中古の四駆に乗り込み、エンジンをかける 今朝までは何て言うことも無い、退屈な休日だった筈だ

ほんの少しの好奇心から口を使ってしまった魚は、魅力的な擬似餌に隠された針に気付かずに捕らえられてしまう 釣られた魚の生殺与奪の権は、釣り上げた者が持っているのだ


「ただいま」

「お帰り、今日は釣れた?」

妻が缶ビールを片手に話しかけてくる ワンコは自分に飛びかかり、ブンブン尻尾を振っていたが しきりに手指の匂いを嗅ぎだすと、プイとケージに入ってしまった 妻や自身のものでは無い、他の牝の匂いに気付いたのだろう 明らかに嫉妬していた 婚外の彼女と会ってきた時にも、必ず同じようにケージの奥から睨み付けてくる

「さすがだな、悪かったよ よし、オヤツあげよう」

「何言ってるの?あら、髪の毛濡れてるわね 雨、まだ降ってた?」

自分の髪を濡らしていたのは、彼女の迸りだった 慌てて風呂場に向かう

「何でもないよ、ワンコにオヤツあげといて」

シャワーで彼女の匂いを洗い流しながら、今日の出来事を思い浮かべた 彼女の瞳を瞼の裏に映し出す 
勃起していた 今頃になって、脳が今日の光景を、痴態を、興奮を全身に流し始める 

瞬く間に射精し、陰茎はまだ勃起している 連続で扱き抜くなど、何年振りのことか 婚外の彼女との時にもこんな事は無かった

風呂から出て、自分もビールを開ける チラ、とワンコを見やると、まったくもう、といった表情でブフー と溜め息を吐かれた

「今日はもう疲れたから先に寝るよ」

寝室に入り、スマホを充電器に置いた 灯りを消し、明日の仕事に差し支え無いように身体を休めねば



真夜中に、ふと目覚めた 妻も就寝し、前夜と変わらぬ寝息を立てている

まだ夜中の三時だ もう一度寝よう、と思った その時

鼻腔から微かに、彼女の尿の匂いがした


スマホの画面が ボウ と仄かに光っていた








19/11/07 13:08 (t62WxMKu)
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