数年前

　郷愁漂う信州の里は夫の実家がありお盆には兄弟の家族が集うにぎやかな家でありました。
しかしここ数年はその面影はすっかり変わっていました。
義兄の嫁、幸子の急逝や息子夫婦の別居などがかさなり残された還暦まじかの義兄は鬱で職場を退職、実家は荒れ果てた状態が続いていました。
　夫は台湾にここ二年単身赴任でお盆もそこそこに職場へ向かっていた。
私は夫の出発の見送りを済ませて一時間かけて義兄の様子と幸子の墓参り兼ねて訪ねていました。
昔の農家づくりの家はすっかり周りが草で荒れ果てていた。
「ごめんください」
返事のない家の玄関は鍵もなく戸を開けても人の気配を感じませんでした。
多少の不安を感じながら家に上がると廊下の向こうから聞こえる声、それはビデオの映像から聞こえてくる。
「義兄さん」
私は声をかけて障子の戸を開けた、横になって見上げる義兄の目が異様に感じた時、ビデオの映像にハッとした。
　女性が観るに堪えないいかがわしい内容に美佐江は目を背けるのでした。
その時、義兄の手が美佐江の足首を掴みその場に倒されるのでした。
あまりの恐怖に声も上ずりもがくがそれも義兄の力には組み伏せられました。
瞬く間にスカートははぎとられ、ブラウスの下から手を延ばされて乳房は義兄の荒々しい手に揉み上げられました。
「何をなされるのですか」
ブラウスも裂かれブラジャーは外されて恥じらう女体は義兄の欲望の対象となっていました。
妻を亡くし、職を失い家族のきずなを断ち切られた切ない思いが私に向けられたのでした。
以前の穏やかな義兄の面影はなく変貌した姿は想像以上でした。
私の下着は剥ぎ取られ肉体を曝されて好奇な眼差しで視姦されて・・・
　それからしばらくの時間、義兄の欲望の相手にされました。

　義兄もそれから暫くして他界、夫はまだ台湾暮らしです。　

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