冷たい床の感触をほほに感じ、僕はようやく意識を取り戻した。

（裸にされている！！！）

僕はあわてて体を起こそうとして、両腕を後ろ手に縛られていることに気がついた。

それと同時に、自分が誰かと抱き合って縛られていることも……

相手も裸……そして女性だった。

仰向けの女性に覆い被さるように体を重ね、うつぶせの状態で意識を失っていたのだ。

女性の腰と僕の腰は、太いゴムチューブのようなもので縛り付けられている。

太ももの付け根も同じように縛られ、動かないようにしっかりと固定されていた。

そして僕のペニスは……半ば勃起した状態で女性の中に入っていた。


あごの下に女性の頭がある。

僕はおそるおそる相手の顔を確かめた。

（これは？！……いちの……へ……一戸若菜さん！！！）

僕は愕然とした。彼女は職場の同僚で、来月結婚して退社することになっている。

図らずもそんな彼女を、僕は知らぬ間に犯していたことになるのだ。

彼女も気絶させられているらしい。

長いまつげが静かに閉じられている。

とにかくこの状況を何とかしなければ……

僕は必死に身をよじり、彼女との体を離そうとした。

しかし、固く結ばれた自転車のチューブは、そう簡単に外れるものではない。

僕はもがくのをやめて、静かに息を整えた。

これ以上暴れたら、彼女が目を覚ましてしまう。

それに、僕のペニスは先ほど以上に勃起しているのだ。

僕は努めて冷静になろうと思いを巡らせた。


ここは会社の地下書庫だ。

僕は書類を探しに来て、突然背後から後頭部を強打され、意識を失った。

彼女もたぶん、そうなのだろう。

犯人は僕と彼女を裸にし、抱き合うような格好にさせて縛り上げた。

結婚する彼女に想いを寄せていた者が、腹いせに彼女を辱めようとでもしたのだろう。

しかし、ペニスはそう簡単に入ってしまうものではない。

僕と彼女は裸にされたあと、犯人たちの手によって入念に「準備」されたのだ。

僕はペニスをしごきあげられ、彼女は性器を指で触れられて……

お互い挿入が可能な状態になるまでには、ある程度の手間がかかる。

その間、僕と彼女は何も知らずに気絶していたのだ。

やがて、彼女の性器がぐっしょりと濡れ、僕のペニスも十分なまでに硬直する。

僕は犯人らに抱えられ、仰向けになった彼女の上に慎重に下ろされたのだ。

一人がペニスを彼女の性器にあてがい、もうちょっと右、ちょっと左というように……

そうなると、犯人は少なくとも２人……いや、３人以上だろうか……


彼女の意識はなかなか戻らなかった。

大柄な僕が上から押しつぶしていたせいもあるだろう。

胸を押されて呼吸が困難となり、軽い酸欠状態になっているようだった。

僕は彼女から体を離そうと上体を浮かせていたが、それも疲労から限界にきていた。

「ごめんね」と彼女にささやくと、僕は再び彼女の体の上に身を横たえた。

胸を圧迫され、口から「ふっ」と短い息を吐き出すと、彼女はそのまま気絶を続けた。

彼女の体に負担がかからないよう、体勢を変えることもできる。

しかし、今は目を覚まさないほうがいいのだ。

それよりも、僕はもう一つの危機に直面していた。

それは、射精……


目が覚めてから、僕のペニスはたちまち元気を取り戻し、今では完全に勃起している。

若い女性を抱いているのだから当然のことだ。

僕のペニスは彼女の体の中に、根元までしっかりと収まっている。

それは太さ、長さとも最大のものとなり、今では膣の奥にまで届いているのだ。

この忍耐をどこまで続けることができるのか……

男にとって、それはまさに拷問だった。


犯人たちは、僕が射精し、彼女の体が汚れることを望んでいるのだろう。

僕は「絶対に犯人たちの思うようにはならないぞ」と、固く心に闘志を燃やした。

そんな決意とは裏腹に、僕のペニスは最後を目前にして激しく脈打っている。

内と外から襲ってくる絶え間ない葛藤と苦悶の果て……

僕は目の前が真っ暗になり、再び彼女と抱き合ったまま、ついに意識を失ってしまった。