「うぅん…もぉっ！聞いてるの？…バカぁ…zzZ」

24:00過ぎの居酒屋にて…
本日上司の本村ケイコさん（40）は酩酊状態から爆睡モードに入る。

オレは渡部ヨシト（36）。
中途入社半年の中年新入社員…。
このケイコさんと営業パートナーを組んでる。

オレはただでなくても扱いにくい（性格、年齢的に？或いは両方か(笑)）と評判で(笑)…
更に行かず後家と陰口を叩かれ社内でも評判の良くないケイコさんとのコンビはある意味相棒状態…

我が社の特命係と揶揄されてオレもケイコさんも四面楚歌状態。

今日も居酒屋で散々ケイコさんは愚痴ってました…


…なんだろこの閉塞感…

上がらない営業成績とテンション…

毎夜のごとくサービス残業のあとの晩飯は居酒屋。
荒れる女上司の愚痴を聞かされ終わる日々…

今日もタバコがやけに目に沁みるぜ…


「ありがとうございました！」


爆睡ケイコさんを背負って居酒屋ののれんを後にした。

「係長！起きて下さいよ！」

近くの公園までおぶってきたが、疲れてケイコさんをベンチに寝かす。

「…どーしょ…」

起きないな…

このケイコさんは仕事一筋で社内でもとりわけて浮いた噂は一切なく、結婚話も今まで一切ないらしい。

…確かに女って意識したことないな…オレも。

なんか負けず嫌いが酷すぎて良くも悪くも無器用な人だし。

ケイコさんはいつも愚痴ってる。

「アタシはどうせ結婚できない女ですよ…どうせ…」

なんか…他人に思えないんだよな…

彼女なりに頑張ってきて何一つ報われなくて、達成感がない。その上女の幸せも掴めない悔しさ…

なんとなく解るよ。

オレもどこへ行っても一匹狼みたいな感じで嫌われて職場を転々として今だし…
もうオレの同世代だと結婚して家庭があってバリバリ仕事してるっていうのに。

なんか無器用な所は良く似てる。

ケイコさんに怒られるな(笑)
いっしょにするな、って。

ベンチで気持ちよさそうに眠るケイコさん。

や…やべっ…
なんか可愛く見えてきた…

良く見れば胸だって大きいしスタイルも悪くない…顔も意識したことなかったけどかなり美人顔だ。

きっとこの見た目を覆すほどな負けん気の強さが仇になってるんだろうな…

「係長…係長！」


「むにゃむにゃ…もう、ナベくん……」

寝言か(笑)
ん？

「ナベくん…す…」

？？

「好きぃ…」

なんですとぉ…