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朝食を食べ終わると、“ごちそうさま”も言わず、
2人の息子は食卓の席を立ち、それぞれ学校へと家を出る。 もちろん“行ってきます”の声は聞こえなかった。 夫は目の前に置かれた食事に手をつけず、新聞を読んでいる。 美和は息子たちの成長に合わせパートとして事務員の職に就いた。 だけれど毎朝早朝に起き、こうして息子、夫に朝食とお弁当を作っている。 夫は新聞を閉じ、ソファに捨てるとカバンを手にし、息子たちと同様に “いってきます”を言わずに家を出た。 美和は家族が食べた食器を洗いながら、なにをしても反応のない家族に さびしさとつまらなさを感じていた。 仕事をしながらこうして母である事を辞めないのは、 同居している 姑から小言を言われない為であり、 美和自身、家族に対して義務的な 気持ちしか残っていなかった。 その姑は朝から老友たちと喫茶店へ、朝食を食べに出かけてしまっている。 美和は食器を洗い終えると、おぼんに“もう一食”乗せキッチンを出ると 階段をあがり、2階、奥の部屋のドアをノックした。 「ゆうちゃん、ご飯ここに置くね」 美和の長男勇太は23歳だが中学の時から部屋に閉じこもり、 ひきこもっている。何度も社会復帰させようとしたが 姑は一番最初に生まれた初孫の勇太を溺愛し、厳しく責める美和を 逆に攻め立て勇太を守った。 そのせいで勇太はひこもり続け、 こうして今朝も部屋から出てこない。 美和が最近驚いたのは勇太の携帯電話料金だ。 勇太を溺愛している姑は勇太の好きなものを買い与える。 といっても ひきこもった部屋でパソコンから通販でものを買い、 支払いを姑が するだけである。掃除で姑の部屋に入った際、 何気なく置いてあった 勇太の携帯電話料金明細書は月に10万円を超えていた。 「こんなに・・・」美和は驚いた。どんな事につぎ込んでいるのか、 明細を凝視すると、あるSNSにアクセスしている。 携帯、パソコン音痴の美和はただそのサイトが気になってた。 美和は事務職のパートに就いて1年になる。 職場は年齢層が高いが最近入してきた20代の女性がいた。 美和はその女性、朋美を昼食に誘う。美和から誘うのは、はじめてだった。 「ねぇ朋ちゃん、○○SNSって知ってる?」 美和は目の前で元気良くハンバーグを食べる朋美に聞いた。 「んーゲームサイトですよね、携帯とかスマフォの」 ハンバーグを口に入れたまま答えた朋美は幼い表情をしていて 美和は自分が歳をとった事を改めて感じた。 「あら、ゲームをするの?携帯で?」 朋美はハンバーグを飲み込むとカバンから携帯電話をだし、 そのサイトを開き、目の前の美和に画面をみせた。 「これですよね?大手のゲームサイト。登録してIDを作って アバターとかプロフとか作るとサイト内で いろんな人と出会えるんですよ。」 「へぇ…。」 朋美は器用に片手で携帯電話をいじりながらもう一方の手で お箸をうまく使いご飯を口に入れる。 「ほぼ出会い系サイトですね。いまは規制もされはじめてるけど。」 「出会い系…」 朋美はお箸の先を口に入れたまま美和をジッと見つめる。 「興味あるんですか?」 朋美がニタニタしながらそう聞くと美和は恥ずかしそうに 「違うの、息子がねハマってるみたいで」 そう言葉を返し野菜炒めを口に入れ、食事を続けた。 47歳。美和は歳をとってしまったと 最近感じている。 朋美が入社し、朋美と仲良くなり、お昼や買い物を共にする事がある。 その度に20代の朋美と自分を比べてしまう。 着れる服、身体のライン、髪型やそれに食べる物。 朋美は好きな物を沢山食べる。美和は野菜を中心にしないと すぐに太ってしまう。47歳になったいまでも一応細身を保っているが、 ハンバーグを食べるとすぐにお腹が出てしまいそうで、 美味しそうにハンバーグを食べる朋美を羨ましく思った。 でも朋美を嫉妬するわけではない。朋美はさっぱりとした正確で 歳が離れているが、まるで友達のように向き合えた。 「美和さんも登録してみたらどうですか?」 朋美はそう言いながら美和の携帯電話を手にとった。 「私はわからないから…」 そう言いながらも美和は朋美から自分の携帯電話を奪い返す事はなかった。 朋美はそのサイトをブックマークすると登録の仕方を美和に教える。 「時間があったら触ってみるね」 美和はそう言うと携帯電話を閉じカバンに閉まった。 「いい人に出会えるかも知れませんよ」 朋美はニタニタしながら美和言うとまたハンバーグを口に入れた。 美和の帰宅は毎日18時。17時に仕事を終えると 一目散に帰宅し夕飯の仕度をする。 今日も時計が17時をさすと上司にお疲れさまでしたと挨拶し、 席を立ち、女子更衣室に入った。身支度をし、携帯を開くと 姑から着信と留守電がある。『老友たちと外で夕飯をとります。』 いつも通り簡潔な内容だった。主人からもメールがあり、 『接待、帰宅は深夜』とこれも簡潔な内容だった。 親子ねぇ。そう思うと今夜の夕飯の仕度を急がなくていい事に気づいた。 まだ学生の息子2人 はお小遣いから外で夕飯を食べる。 引きこもりの長男は誰もいない昼間の時間にキッチンに入り、 カップラーメンなどを自分で用意し、美和の夕飯にはほとんど手をつけない。 美和はカバンを手にすると女子更衣室からでて朋美のデスクに向かった。 「あら朋ちゃんは残業?」 お茶に誘おうと思った朋美はパソコンの画面、Excelとにらめっこをしている。 お疲れ様と言葉を交わすと美和は自由だがする事のない不自由な時間を感じた。 普段、仕事と家事に追われ自由な時間を得られない美和は 何をして過ごしていいかわからなかった。 会社をでると駅前大手チェーン店のカフェに入る。 アイスティーを店員から受け取り、比較的人のいないエリアの席に座った。 携帯電話を開く。ブックマーク、○○SNSを選択し開いてみた。 アバターはいかにも若者向けのデザインで47歳の美和には少し幼稚にみえた。 アバター用の着せ替える服など沢山の課金アイテムがある。 (こういうのにつぎ込んでるのかしら) 引きこもりの長男、勇太が10万円近くつぎ込む理由はわからなかった。 IDを新規作成。少しためらいはあったが、美和はそれを選択し、自身のIDを作成する。 プロフィール。どう記載すればいいか美和は悩んだ。 正直に自分を表せば、47歳、主人がいて息子三人がいるおばさん。 女性としての自分をあきらめたわけではないが、 男性を意識する機会はなく、つまらない女だと思っていた。 40代、関東地方在住とし、初心者です仲良くしてください、とだけ記載した。 アバターはデフォルトのままいじらず、サイト内をみて回る。 すると10分もしないうちに、ID専用メールに着信がある。 (あら…)美和はその早さに驚いた。男性からのメール。 ありきたりの挨拶文であったがその早さと見知らぬ人と繋がる事に感心していた。 『こんにちわ、プロフ拝見しました、仲良くしてください』 何通もくるメールに戸惑い、美和は返信どころか、メールを読み切る事に終われた。 美和はどこか嬉しかった。家事を一生懸命しても一言も褒めない夫、 感謝しない息子、引きこもり心閉じた長男、それになにかと咎める姑。 美和は久しぶりに自分をかまってくれる人に出会えた気がした。 沢山くるメール。読み慣れるとそれが誰彼構わず送っている内容に思えた。 その中に一通、気になるメールがある。 20代後半の会社員。住んでいる地域が近かった。 年上の女性が好きでメールしたという彼。気になった美和は 『おばさんですよ』と返信した。 すぐに返信がくる。『気にしないでください。本当に好きなんです、年上の女性』 ぜひメールを続けたいという彼に美和は『返信、ゆっくりですが』 とだけ送り携帯電話を閉じた。美和は氷が溶けきったアイスティーを飲み干すと店を出た。 それから毎日彼からメールが来る。なんでもない会話だか、朝のおはようや、 夜のおやすみの挨拶が嬉しかった。こんな会話さえ日常にはなかった美和にとって 彼からのメールは美和の楽しみになっていた。 一週間がたち、彼がこんなメールをくれる。 『お酒、飲みに行きませんか?』 会うなんて考えてはいなかった。美和は返信せずに一日おいた。 昼食、また朋美を誘う。 「朋ちゃん、私ね、登録したのよ」 朋美の目は、やっぱりなという目であった。ニタニタしながら美和に聞く。 「それで…?すごいメールきたでしょ」 「うん。」 美和は朋美の髪型をみる。昨日美容院に行ったのか、綺麗なパーマとカラーで艶艶していた。 「すごい量のメール。それでね1人の男性とメールしてるの」 朋美は美和の話に集中し、大好きな豚カツに手をつけていない。 「でね、その人が会いたいって」 携帯電話の画面を開き、メール内容を見せながら美和がそう言った。 朋美は携帯電話を凝視するとメール内容とプロフを読んだ。 「28歳かぁ若いよね…」 美和がそう言うと朋美は 「んー有りじゃないかぁ」 と言った。続けて「美和さん、見た目若いし」 そう言うとまたニタニタした顔で食事をはじめた。 「朋ちゃんみたく自分に自信がないのよ」 美和はそう言うとお味噌汁のお椀を手に取った。 「お世辞じゃなくて美和さんは若くみえるし、髪型と服装を変えてみるとか」 美和はセミロングの髪をまとめ、服はユニクロや無印良品で揃える主婦だ。 朋美のようにトレンドや色気を意識した服装からもう15年離れている。 「どんな服装すればいいのかしら」 美和のつぶやきに朋美は「任せて」と笑顔で答えた。 『来週の金曜日なら。』 美和は帰宅時の電車内でそうメールした。 日曜日に時間を作り、朋美と服選びと美容院へ行く。 金曜日に会社の懇親会があると夫と姑に言い、朋美がアリバイ工作してくれる。 朋美は実際に職場の飲み会を開き、美和を出席扱いにした。 美和はいままでの自分の人生ではありえなかった経験を身体中から感じていた。 大きな繁華街がある駅前、切符売り場の前に美和が立っている。 金曜の夜。多くの人が待ち合わせで立ち、行き来している。 美和は髪を大人なショートカットに切り、髪をダークブラウンに染めている。 その小顔に良く似合い、実年齢より遥かに若くみえる。 落ちついた紫色のワンピースは大人な品があり、身体のラインがみえるから色気があった。 秋の夜、少し肌寒い街を歩くた為シルクのグレーのストールを羽織っている。 ヒールは高く、身長がさほど高くない美和の身体を高くし、 またヒールの角度でお尻が突き出していた。 すべて朋美が選んだ服だ。アクセサリーからカバンまで朋美は大人な女性の演出を美和に施した。 美和は少し恥ずかしそうにカバンを手前に両手で持ち、周りを気にしている。 19時切符売り場前。待ち合わせ時刻になると美和の心臓はドクドクと音を鳴らす。 改札から一人の男性が美和に向かって歩いてくる。 スーツ姿。トレンド好きな若い会社員。携帯電話を片手でいじりながら周囲を気にしている。 『紫のワンピースです』 そうメールしておいた。男は美和を見つけると近づき声をかけた。 「美和さん?」 美和はIDなど作った事もなく、本名の美和で登録していた。 「レンさん?」 美和が言葉を返すと、男の緊張した顔がほぐれた。 「あぁ良かった。はじめまして」 男は職場での社会人のように深々と頭を下げ挨拶した。 美和はその姿に彼の誠実さを感じた。 「こんばんわ、はじめまして。」 美和もそういうと氷のように固まった身体がほぐれた。 「お綺麗ですね」 彼はそう言ったがそれがお世辞である事を美和はわかっていた。 どんなに着飾っても、シワや肌の質感は誤魔化せないだろうと。 だけれど彼の言葉が嬉しかった。彼の優しさ誠実さが嬉しかった。 二人は居酒屋の個室に入ると他愛ない会話を交わした。 あくまでIDの美和とレン。私生活の話はしなかった。 彼がお手洗いの為に席を立つ。美和が携帯電話を開くと朋美からメールがあった。 『ご主人から連絡ありました、飲み会に出席中と伝えましたよ』 朋美は美和に女性としての時間を楽しんでほしかった。 毎日の生活を義務的に過ごす美和の姿を目にしていた朋美はずっと美和を解放してあげたかったのだ。 彼の席に戻る。お互い酔いも回っている。 彼は自分の席ではなく、向かい合う美和の隣に座った。 個室、死角があり、店員は呼ばなければ来ない状況。 美和は何をされるか気づいていた。いきなりのキス。 最初は唇を合わせるだけだったが、彼は一度唇を離し美和の身体を引き寄せると 舌を絡ませキスをした。卑猥ないやらしい音を鳴らす。 夫とセックスレスになって以来のキス。キスに慣れた男は大胆に舌を絡ませ美和の身体をまさぐる。 美和は身体の力が抜けていた。お酒の力もあるが、 身体が解放され彼に任せている。背中を仰け反らせ、彼の勢いに身を任せている。 居酒屋の個室、簡易的な個室だが照明の暗さもあって周りの目は気にならなかった。 掘りごたつ形の机の下で彼は美和のワンピースを少し幕仕上げ下着に触れた。 美和が「ぁあ」と声を上げた。彼は咄嗟に「静かに」と言いまた美和にキスをした。 舌が絡み音がなる。机の下では下着の上からでも美和の性器が濡れ、音を鳴らした。 何年振りだろうか。美和が女として性を感じたのは。 男はスラックスの股間に美和の手を引き寄せると 「勃起してるでしょ」と言った。 美和は恥ずかしそうにうなずくと彼の股をなぞった。 男性の性器の形。温かく勃起していた。 二人はキスをしながら机の下でお互いの性器をまさぐった。 彼が「店を出よう」と言うと美和はうなずくだけでまるで子供のようだった。 二人は居酒屋をでると店前で抱き合いキスをした。 身体を引き寄せ、抱き合いながら街を歩く。 彼は美和をネットカフェに引き寄せる。美和は 「ここで?」と彼に言った。 居酒屋の代金は彼が払った。お金がないわけじゃない。彼は 「興奮するから」とだけ言い、美和の手を握り入店する。 二人はペアシート座ると居酒屋の時と同じようにキスをしあった。 美和の身体をソファに寝かせると美和の股に顔をうずめ、美和のアソコを舐めた。 まるで動物のような舐める彼。シャワーも浴びていない性器を舐められる恥ずかしさと 声を出せない状況が美和を興奮させる。彼は無我夢中で美和のアソコを舐めている。 美和は自分の指を噛み、声を出さないようにしている。 気持ちよかった。身体は正直に反応している。 セックスブランクがあったが美和はまだまだ女だった。 彼は舐める事に満足すると、立ち上がり、そっと音を出さぬように自分のベルトを外す。 チャックを下ろし下着を下ろすと勃起した性器を晒した。 舐めてとも言わずに美和の顔に勃起した性器を近づける。 美和はそれをまず触ってみた。温かく、固い。ドクドクと血が流れているのがわかる。 十数年振りに目の前にしたそれを美和は口に入れた。 生温かい性器が口の中に入る。舌の上に彼の性器があり、匂い、味を感じる。 口の中に入れたまま舌を動かすと彼の身体はビクビクと震えた。 口からだし、舌を使い、竿を舐める。血管と尿道にそって裏側から舐めると彼の身体はまたビクビクと震えた。 玉を舐める。口にふくみ上手にころがすとまた出しまたふくみ、彼の反応を楽しんだ。 感覚として美和はセックスを覚えていた。大好きだったフェラチオ。 ずっと緊張し子供のようだった彼女は女に戻っていた。 時間をかけ、フェラチオをしていると彼は 「イッてしまうから」と自分の性器から美和を離した。 彼は美和の身体に覆いかぶさるとソファの上でそっと彼女の性器を触り、 ゆっくりと自分の性器を入れた。ゴムもつけなかった事に美和はあとで気づいた。 美和は声をださず、彼の腰の動きに合わせ、彼の身体を抱きしめた。 久しぶりの男性の性器が彼女中に入っている。 彼女は彼にしがみつきグングンと身体に押し込まれる男性性器を身体中で感じた。 翌日以降、彼からメールはなかった。 一度切り。大人のルール。美和は携帯電話を開くとブックマークからサイトを開き、 男性から送られてくるメールを閲覧し、また身体を満たしてくれそうな男性に返信した。
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2012/10/27 21:13:24(1L47cAj0)
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