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カオス
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:カオス
投稿者: ゆんた ◆y3D96y2lQY
小さな悲鳴が朝の木々に吸い込まれ、幼い手が宙をかく。ありふれた白いバンが静かに走り出すと、辺りは何事もなかったかのように静寂を取り戻した。

男が後部座席をルームミラーで確かめる。短いワンピースのすそから、ふっくらとした足が見えた。目は恐怖で見開かれたままだ。

まだ4、5歳くらいだろう。かわいそうに。これから彼女を待ち受ける運命を思い、ドクドクと脈打つ欲望に男は股間を固くした。



玄関のライトをつけてリビングに入ると、留守番電話のランプが点滅しているのが目に入った。古い順に再生する。

「もしもし?連絡ぐらい下さい。」
冷たく他人行儀な声。離婚調停中の妻からだった。

何件も同じ内容のメッセージばかりで、いい加減うんざりしながら削除する。携帯にはかけてこない。

「ちっ。タバコ切らしたか。」独りごちながらサンダルを履いて外に出ると、近くのコンビニに入った。
コンビニの中は冷房が効いて過ごしやすい。暇つぶしに雑誌をめくると、失踪事件についての記事が目に止まった。この前は30代の女で、今度は20代の女か…全く物騒な世の中だ。
我ながらありきたりな感想だ。雑誌を棚に戻し、タバコを買うとパチンコ屋のネオンが光る方角へと足を向けた。

「おじさん。」「ねえ。おじさん!」
服の裾を引っ張られて初めて自分が呼ばれている事に気付いた。

「突然すみません。川向って、どうやったら行けるんですか?」

まだ小学生くらいのガキが、祖母の家を探しているらしい。
「もう少し北だ。一人か?大人は一緒じゃないのか?」

面倒な事は嫌だが、さっきいやな記事を読んだ所だ。立ち読みなんかしなければよかったと思うが、もう遅い。

「私一人です。北がどちらか分かりません。もしもお時間がありましたら、少しでいいので道を教えてもらえませんか?」

うんざりした。やけに大人びた口調も鼻につくし、川向といえば俺を呼ぶネオンの逆方向だ。こいつは女じゃなくてガキだ。雑誌の記事は忘れる事にした。

「悪いな。ちょっと用事があるから、あそこのコンビニの店員にでも聞いてくれ。」

ガキは苦手だ。押しの強いガキはさらに嫌いだ。

「私、待っててもいいですか?」

「何を待つんだ?」
「パチンコ終わるの。20分くらいで財布が空になるから、それまで待ってます。」

これが、おかしな才能を持つ小さな天才と俺の初めての出逢いだった。


 
2012/03/10 02:37:35(DXwi89nj)
2
削除済
2012/03/10 18:11:50(*****)
3
投稿者: ゆんた ◆y3D96y2lQY
ついてないと思った。押しの強いガキどころか、こいつは絶対頭がおかしい。

「コンビニ行って道を聞いた方が早いぞ」

口早にそう言うと、俺はそのまま派手なネオンで飾られたパチンコ屋へと向かった。が、ものの見事に20分で財布が空になる。

「本当についてないな」

あのガキのせいだ。大人気なくさっきの子供のせいにして店を出た。子供の姿はなかった。

金もないし、する事もないのでこの日は部屋に戻るとカップ麺を食べて寝てしまった。もうずっと長い間こんな毎日が続いているような気がする。





今日も丸い輪が、目の前をふわふわと流れていく。不思議な事に私の目には、人に理解されない色んな物が見える。カラカラと空を舞ってくっついたり、離れたりする分子。

容器の中に押し込められた液体の分子達の運動。

フィボナッチ数を美しいと感じたのは9歳の時。

そして、人の顔を見てると数字やイメージが見える事がある。私の両親はそれを才能だと言って喜んでくれたけど、分子のイメージや人の事はあまり言ってはいけないと諭された。

「なっちゃん電話~。おばあちゃんからよ」

お母さんの呼ぶ声に大きな返事を返すと、私は急いで階段を駆け降りて受話器をとった。

「なつきちゃん?ちゃあんと勉強してる?学校の勉強も大事よ」

「うん。分かってます。今日はその話?」

最近学校の勉強の手を抜いている事をお母さんから聞いたのだろうと思うと、少し気が滅入る。

「違うの。来週おばあちゃんの家に遊びに来ない?少し話しておきたい事があるの」

穏やかにゆっくりと話す。祖母はいつもこんな風だけど、今日はさらにゆっくりと話した。

私は、来週会いに行く約束をすると受話器を置いた。なんとなく変な感じがする。

そしてこの日、私はとても嫌な夢を見る。どこかの林の中でぼんやりと立っていると、雨の滴が枯葉に落ちる音だけが聞こえる。しばらくすると男の人が歩いてきて、ガサガサと大きな穴を掘り始めた。


ただそれだけの夢だったけど、目が覚めると冷や汗をかいていて、誰かに見られているような強迫観念にとらわれ、中々寝付けなくなってしまった。

今思えばあの瞬間から、私達は目に見えない何かで繋がってしまっていたのかもしれない。


12/03/11 02:12 (8GsVaTs1)
4
投稿者: トネリ
ID:the_django
消しちゃイカンよ。
12/03/12 15:03 (L0Lc9RdI)
5
投稿者: うっ…
つづき…よみたひ。
12/03/16 02:13 (vZFYeYuK)
6
投稿者: ゆんた ◆y3D96y2lQY



森の中の小さな小屋。外観は猟の時に使う小屋のようにも見えるが、中は綺麗に整えられ、床はフローリングで塵ひとつ落ちていない。


男は満足そうに小屋の中を見回した。


この場所は私に全てを与えてくれる。そういう意味ではあの男に感謝してもいいだろう。


男は小屋の中に入るとカギを締めてさらに南京錠をとりつけ、小屋の中にぽつりと置いたベッドに横たわると昨日の自分の仕事について考えた。


完璧だった。私の姿は誰にも見えない。その気になれば誰にも気付かれずに街中で獲物を仕留める事もできるだろう。だが、私はそんな真似はしない。自分の能力を誇示するのは馬鹿な連中のすることだ。


それよりも、先ずはあの女だ。頭の弱いあばずれだが、私の最高の遺伝子を受け入れると少しは人間らしくなるだろう。

男はほくそ笑むとぼんやりと宙を見ていたが、ゆっくりと起き上がり、むきだしの白い足を投げ出したまま、気を失っている女の手首と足首を鎖につないだ。


しばらくすると小屋の中から静寂は消え、肉をむさぼる淫猥な音が数時間も続いた。その間中、女のくぐもったような悲鳴が途絶える事はなかった。






ようやく空が明るくなりかけた頃、なつきは飛び起きると着替えも顔を洗う事もせずにリビングに飛び込みテレビのスイッチを入れた。


まだニュースはしていない。アナウンサーなのかタレントなのか分からないような人が、天気予報のオジサンと今日の天気について話しているだけだ。


ほぅっと小さく可愛いため息を吐き出すと、なつきはノロノロと洗面台に向かった。

あれから毎日のようにおかしな夢を見る。妙にリアルで匂いや手触りまで、起きている時に感じるそれと大差がない。

朝の早い時間になると息苦しくて目が覚めるし…今日はおばあちゃんの話を聞いたら、私の話も聞いてもらう事にしよう。

そう思うとなつきの胸は軽くなり、もう一眠りして昼を過ぎてから祖母の家へと向かう事にした。



12/03/17 02:07 (VuAKMyQL)
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