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ドンドンッと壁が鳴る。
ワンルームの壁が鳴くわけがない。 智也はプレイステーションのコントローラーを起き、壁を叩き返した。 隣人は智也の生活音に壁を叩き、ゲームの音に壁を叩く。 最初は無視をしたが、無視をすれば壁を叩かれる回数が増えた。 管理会社にクレームの電話をすれば 『共有スペースに騒音について注意喚起の張り紙をした』 というだけで、改善される事はなかった。 智也はイライラを抑えきれず、壁を叩かれれば叩き返す、それを繰り返している。 高校を辞め2年引きこもり、ゲーム機が欲しくて日雇いの引っ越しバイトをはじめて長く実家に寄生していたが、父親に出ていけと言われ30歳ではじめて一人暮らしを始めた。 敷金礼金を出せるわけもなく、初期費用が一切かからないこのマンションを借りた。 壁の薄いワンルーム。シャワーの音も隣人のクシャミさえも聞こえる。 イライラした隣人が壁を叩き、それが音になり智也の耳から身体に染み込みイライラが連鎖する。 『こんな事でイライラしたくない』 智也はいつもそう思っている。しかし身体に染み込んだイライラは消えてはくれなかった。 このワンルームに引っ越す為に派遣会社に登録し、『何でもいいから』と言い巨大な倉庫内ピッキング作業の仕事を始めた。 もちろん好きな仕事ではなく、小型の端末を持ち、それに表示された商品を巨大な倉庫内から見つけ梱包出荷を繰り返す毎日。それにも疲れイライラしている。 休みはワンルームに引きこもりこうしてゲームをする。 誰かを傷つけたいとは思わないが、無意識に好戦的になっていた。 ゲームの合間にカップ焼きそばを食べ、食べながらスマートフォンをいじり、Webサイトの掲示板を閲覧する。 ヘマをした人を探し企業を探し、相手を追い詰める言葉を書き込み、ストレスを解消している。 いや、解消は出来ていない。それは智也も分かっていた。 深夜2時になればテレビとゲーム機の電源を落とし、耳栓をして毛布にくるまる。 暗く無音の世界に入り込むと、自然と自分と向きあっていた。 30歳、学歴は高校中退で職歴は引っ越しバイトとピッキング作業。 周りと比べれば暗闇から帰ってこれなくなりそうになり、未来を思い描けば泥の中に引きずり込まれる気がした。 誰かを言葉で傷つけてもストレスは消えてくれなかった。 目を閉じる。明日の休日は外に出よう、そう決めた。 雨の音と匂いで目が覚める。 スマートフォンの電源を入れれば時刻は11時だった。 家賃に電気代が含まれているから付けっぱなしにしているエアコンで夏の暑さは感じなかった。 雨というだけで外出するのが億劫になったが、智也はシャワーを浴びてジーンズを履きTシャツを着てスニーカーの紐を結ぶ。 バックパックの鞄を片方の肩にかけビニール傘を持ち、鍵をゆっくり開ける。同じようにドアもゆっくり開けた。 隣人と鉢合わせたくなかった。向こうもそう思っているだろう。顔も分からない相手の壁を叩き、名前も名乗らず掲示板で人を傷つける。狼のように威嚇しても実際の顔、名前を知られたくはなかった。 エレベーターは使わず3階から1階まで階段でかけ降りた。 夏の暑さが雨で蒸され暑さが増している。 Tシャツが雨で濡れているのか汗をかいているのかどちらか分からなかった。 見知らぬ人と傘をぶつけ合いながら歩く。 夏休みの子供たちが集まる駅前の大型古本屋。 30歳の智也はその子供たちに紛れ漫画を立ち読みする。 居心地がいい。そう思っている。クラブやおしゃれなカフェには行ったことはなく行きたいとも思わなかった。 『ここでいい。』そう思っていた。 同じようにそう思っている大人が店内にいる。 スーツを着たサラリーマン、お洒落に着飾っているが漫画が好きな若い男。仲間とまでは思わないが顔と名前を隠せば仲良くなれる気がした。 “それ以外”の大人も目に入った。 漫画や本を選ぶ振りをして幼い子供に目線を向けている。 何をしているか智也は気づいていたし不快ではなかった。 気持ちは分かる。ショートパンツにニーハイソックス。小さな顔は可愛くてエロさを感じる。 中学生くらいの少女がお尻の形をみせ綺麗な生足を無防備みせる姿に興奮する。 ただし満たされる性ではない。目に焼き付けて、家に帰る前に駅の個室トイレでオナニーをするだけ。出すものを出せば、満たされず情けなくなるだけだった。 それをわかっているから智也は漫画に目を向けて自分の性欲を無視した。 雨は止まず降り続けている。 腹が減り大型ファストフード店に入り100円のハンバーガーとアイスコーヒーを注文する。3階の窓側席に座り甘いコーヒーをすする。 このファストフード店も不祥事を起こしてインターネット上で名前のない人間から醜い言葉で攻撃された。 智也も醜い言葉を掲示板に書き込みこのファストフード店を罵った。 だが実際はこの店を愛用している。 夏の暑さからたった100円で逃れる事ができる。無くなって欲しくなかった。 空っぽのお腹は満たされたが、空っぽの心が満たされない。 アイスコーヒーをチビチビ飲み、エアコンで冷えきった店内に居座る智也。 トイレで用を足すため席を立った。大型ファストフード店、夏休み、お盆の時期にもかかわらず客がいない。インターネットで批判されているからだろう。この店も閉じるかも知れない、そう思った。 まばらだが客がいる。2人席のテーブルに女が一人、3、4人席に老人が一人。『これだから老害は』客のいない店内でお一人様で3、4人席を陣取る姿に苛立つ智也。些細な事でイライラし、相手を咎めたくなる。 トイレに向かいながら女に目を向ける。20代後半から30代、そんな雰囲気。フリルのついた女性らしい青いシャツに、白のスカートから見える足がエロかった。顔立ちも綺麗にみえた。可愛らしい女が好きな智也にとってはタイプではない。仕事中の休憩に見えるから営業なのだろう。 智也は便座に座りスマフォをいじる。あんな女とは一生付き合うこともセックスをすることもないだろう。そう思うと同時にお盆の時期まで働く女がある意味羨ましく思えた。 俺はどこで踏み外したのだろう。イライラと劣等感が彼を襲う。『こんな想いはは何かに変えたい』そう思うとあの女と"やりたい”そう想った。勃起していない陰茎をいじり強引に勃たせるとそれをいじり続ける。スマフォで検索しOL画像を表示させ陰茎をいじり続ける。情けなく思う、思うと同時にいじるのをやめてズボンを履いた。 満たされぬままトイレをでると女に目を向ける。スマートフォンをいじり、ストローに口をつける姿がエロかった。勃起はしていないが興奮をおさめていない智也は頭の中のパラレルワールドで彼女を犯していた。 席に戻り氷の溶けたアイスコーヒーをチビチビと啜る。お盆休みなんていらなかった。智也には帰る場所もない。 階段を登る音が聞こえる。歩幅で男だとわかった。智也はスマフォをいじりアイスコーヒーを啜る。 ヒールの音が鳴る。女が席をたった。智也は少し間を開けてから振り向いた。女は自席に鞄と荷物日、傘を置いたまま席を立っている。老人が新聞を広げている。階段を登ってきたはずの男がいない。いや、確かに音は聞こえた。この3階のフロアの椅子を引く音も聞こえた。男がこのフロアにいたはずだ、智也はそう察する。 女の席、その前方の席に男の鞄がある。席が離れているから男と女は知り合いではないのだろう。トイレにでも行ったか。智也はそう思いまたスマフォをいじる。金を払ってでも女を抱きたい、そう想った。だが金がない。敷金礼金がない分、家賃が高い自宅。倉庫内ピッキング作業で稼ぐ金は生活費とゲーム代に消えていた。 オナホでも買うか、智也はそう思い巨大なショッピングサイトでそれを検索して時間を潰した。 と、女のヒールの音が鳴る。ふいに振り向いた智也。女が男子トイレから出て扉を閉める瞬間だった。フロアの奥、男子トイレの前立つ女と智也の目が合う。ん?と智也は気づいた。なぜ女が男子トイレから?女は智也から目を外らすと綺麗な足を動かしてヒールの音を鳴らし自席に戻る。席に座らずに荷物をまとめテーブルを片付ける。白いキュロットスカートにお尻の形が浮き上がり、エロかった。振り向き女に目を向けたままの智也。女は気まずいのか荷物を持ち階段に向かう。階段を降りる瞬間、その姿に目を向けていた智也と目を合わせた。綺麗な女だが恥ずかしそうな顔をしていた。 女がフロアから去ると男子トイレのドアがまた開いた。男が出てくる。40代に見えた。休日なのだろう、ポロシャツにチノパン姿。白髪と髭が男のストレスを表している。智也は男が自席に座るのを見を終えると席を立ち男子トイレに向かう。 ドアを開けると女の香水の香りがした。『ここでセックスしていたのか』智也はすぐに察した。それらしき物を探したがコンドームの袋さえ落ちてはおらず綺麗にしてる。だがここでセックスをしたのだろう、智也は興奮している。 40代の男と30歳前後の女がガラガラのファストフード店で待ち合わせ、無言で男子トイレにこもり、セックスをする。何度かしているのだろう。智也は便座に腰をおろし、パンツを下ろすと勃起したそれを出し、オナニーをした。女の香水とあの姿を思い描き陰茎をいじり、ティッシュに性欲を出しきると智也は虚しくなった。だが気持ちが高まっている。俺もあんな女とここでやりたい。そう想った。 トイレをでると男も老人もいなかった。智也は自席を片付け、店をでる。雨は止んでいた。傘を席に忘れたことに気づいたがビニール傘を取り戻すために店内に戻るのはやめにした。 いつもの牛丼屋で夕飯を食い、真っ暗な自宅に戻るとエアコンをつけテレビとゲーム機を起動させる。何十分かして壁が叩かれワンルームの部屋にそれが鳴り響いたが、智也は壁を叩き返さなかった。イライラよりも良い物をみつけた。苛立ちは性欲に変わり、智也を支配している。つまらないゲームをしながら智也は頭に描いている。あの女とやりたい。明日も明後日もあのファストフード店に行こう。女と男がどうやってやっているのか。智也は耳栓をして毛布に包まり、その毛布を女にみたてて股間を押し付けた。あの尻、足、あの口に押し込みたい。智也はまたオナニーをして眠る。自分を変えれるような気がした。 陽が登り、午後になり智也はまたあのファストフード店に向かう。今日も客はまばらだった。智也は100円のアイスコーヒーを注文すると3階フロアに向かう。老人はいない。中学生くらいの女が窓側にいるだけだった。 智也は自席をとり、鞄を置き、男子トイレに向かう。狭いトイレ。洗面台と立ちションベン用の便器、小さな個室トイレ。智也は個室トイレにこもるとわざと鍵を閉めずにそこに座る。鍵をかけていれば女と男はトイレ内に人がいると思い、ここでセックスをしないだろう。鍵をかけないまま個室トイレの便座にすわり、ドアを閉め物音を出さず女が来るのを待った。スマフォをいじって時間を潰せばいい、そう想った。 15分が経ち、20分が経った。『今日は来ないか』智也はスマフォをいじる。 と、男子トイレのドアが開く。ヒールの音、女の香水の香り。智也はびくついた身体を静止して静観する。個室トイレの隙間から様子を伺う。くるぶしまでのベージュのパンツに白いシャツ。上品なアクセサリーに白いパンプス姿。また仕事中なのだろう。営業の女。今日はパーマをかけた髪をまとめている。実年齢より若くみえる。隙間にちょうど女の尻がみえ、便座に座る智也の顔の位置と重なる。ヒールで持ち上げられた尻がエロかった。 女は片手に持ったスマフォと財布を洗面台に置くと、もう片方の手で男子トイレのドアノブを握っている。男子トイレのドアは鍵が書けられないから手で抑えているのだろう。男を待っている、そう想った。智也は息を静め身を動かさない。男子トイレ、その個室トイレ内に自分がいることがバレては台無しだった。 と、男子トイレのドアが鳴る。コンッコンッコンッコンッ。四回鳴ると女はドアノブから手を離しドアが開いた。40代の男が入ってくる。ドアを閉めると男はドアに背を預け女を受け入れ抱きしめてキスをした。舌と舌を合わせて音を鳴らしキスをする二人。智也は個室トイレ内で頭を動かし、ドアの隙間からその様子を伺う。男は女の尻を両手で掴み握りしめ撫でる。女は男の背中に手を回し必死に男の舌を吸っている。卑猥なキスだった。男は女の身体を離すと女にしゃがむように手で女の身体を抑えこむ。指示しているような動き。女はそれに従いその場にしゃがむ。ベージュのパンツ姿の女。尻の形がエロい。智也は勃起していた。 女は男のベルトを外し、チノパンを足元まで下げ、ブリーフパンツに顔を押し付ける。押し付けてから男の顔を見つめる。男は自分のブリーフを下ろし勃起した陰茎を見せつける。女の顔が見えない。智也は頭を動かしドアの隙間からなんとかみようとした。女は男の玉を丁寧になめ、陰茎をを加える。舐める音がトイレ内に響く。ドアの隙間から女の頭が動く姿が見える。クチョピチャと音が鳴る。音と合わせて女の頭が動く。パーマをかけた髪はポニーテールにまとめられそのテールがぶらぶらゆれる。女は舌と唇で男に奉仕しながら自分の手で自分のベージュのパンツの中に手を入れている。営業の仕事中の女。ベージュのパンツに白いシャツ、高めのヒールのパンプス、爽やかに髪をまとめているが、男子トイレで男の前でしゃがみ、オナニーをしながら40代の男その陰茎を咥えている。 『チンコが好きなんだろう』智也は頭のなかで女を罵っている。自分の陰茎を触りたいが身動きがとれない。男が女の頭を両手で抑える。男が小さな声で喘ぎ身体をビクつかせる。ドアの隙間からみている智也にも男がイッたのだとわかった。女の頭の動きが止まり、男の出す汁を口の中で受け止めている。女はそれを口に溜め込み口元を抑えその場に立ち上がる。男はチノパンを吐き戻しポケットからテッシュを取り出した。この間一言も喋らない二人は目線と顔の表情で会話しているようだった。男からティシュを受け取った女はそれに男の汁だし丸めた。 男は女を引き寄せ抱きしめると軽くキスをして男子トイレのドアをゆっくり開けそこから出て行った。白髪まじりで髭を剃っていない男。上品で綺麗な女に似合わないと智也には見えた。どんな関係なのか。智也には想像できなかった。 そんなふうに考えドアの隙間から一瞬目を逸らした瞬間、男子トイレに残った女が個室トイレのドアを開けた。「え!?」片手に男の汁を拭きとり丸めたテッシュを持ち、女は智也の姿をみて驚き身体をびくつかせた。 智也もびくついたがお互い大きな声を出さなかった。妙な間が開いた。智也は戸惑ったが素早く立ち上がり女に抱きつく。「イャ!」と高い声を出しそうになった女は自分の片手で自分の口を塞いだ。ここで声はだせない。男子トイレで男と性行為をしていた女。営業の仕事中だろう、抱きついた女の口元から少しだけアルコールに匂いがした。この女、仕事中に少し酒を飲み、ファストフード店で男の陰茎を咥えオナニーをしていたのか。智也はすぐに察する。「俺にもやらせてよ」智也は女の耳元で小さな小さな声でそう言った。「ンンッ」女が抵抗するように顔を背ける。智也は気にせず、女の身体を引き寄せ個室トイレ内に女と共に入り込む。ドアの鍵を閉めると。その狭い狭い空間で女の身体を抱きしめている。女は声を出せないでいる。わけもわからず智也はさっきみた男の真似をして女の尻を握った。高いヒールで持ち上げられた女の尻。肉ついた尻は弾力がある。小ぶりで感触がいい。女は「アァッ」と喘いだ。素人の女とセックスしたことがない智也。どうしていいか分からないが、反応のいい女、その反応に合わせて尻を揉む。女の首元の香水と化粧の香りが智也の身体を熱くさせる。スニーカーの智也と高いヒールの女の顔を位置は同じだった。智也は顔をそむけた女の首筋を舐める。白い肌、夏の日差しを避け白さを保ったその肌、首筋を舐める智也。女が小さな声で喘いだ。その反応に合わせ智也はまた舐める。その首筋を味わうように舐める智也。小さな声で喘ぐ女の身体の力がぬけていた。顔を動かしこちら側も舐めてほしい、そんな無言の指示を智也にむけている。智也は女の反応に合わせて舌を出し必死に舐めた。感度の良い女、女の身体が熱い。人はこんなにも熱いのかと智也は想った。その温かみがエロい。女は片手に持っていたテッシュをその場に落とす。智也の二の腕を掴み身体をくねくねと動かし喘いでいる。智也は自分が勃起しているのも忘れ必死に女の反応にあわせている。目をトロつかせた女がその手を智也の股間にあてる。智也は嬉しかった。女が智也の股間を撫でる。頭を動かし智也に首筋の両側を舐めさせる女。もう片方の手で智也の後頭部を掴んでいる。身体で喘いでいる。くねくねと身体を動かし喘ぐ女。 女は智也の頭を抑えると手で頭を抑えこみ、便座に座るように指示をした。智也は便座に座った。その間ずっと女の尻から手を離さない。トロンと目を落とした女は自身のベルトを外す。ベージュのパンツを下ろすと、水色のTバックが智也の目に入った。智也の目の前にそれがある。狭い狭い男子トイレ内の個室トイレ。女はTバックを自分の手でずらし陰部を智也に見せる。クリトリスを自分の指でいじりもう一方の手で智也の頭を掴むと顔を陰部に押し付ける。優しい力でそうするから智也は導かれるように女の陰部を舐めた。女はそれを見下ろしながらクリトリスを自分でいじり智也に陰部をなめさす。喘ぎを声を必死に抑え身体で喘ぐ女。足元が動くからヒールの音がコツッコツッと鳴った。 口を開け眉間にしわを寄せ喘ぐ女。智也は必死に舐めた。女の陰部から滲み出てくる汁を必死に舐めて吸った。女は智也の頭を掴み自分の股間から離さないようにしている。ビクビクと動く身体。女の感度、その反応が智也には嬉しかった。細い指でクリトリスをいじる女。綺麗にマニキュアしたその爪。智也は目と鼻と口、舌で女と言うものを味わっている。香水の香りと陰部のニオイと女の汁の味、目に写る綺麗なマニキュアをした細い指がクリトリスを必死にいじっている。勃起した陰茎からは智也の我慢できない汁が出ていた。智也を見下ろす女、黒髪をぼさぼさに伸ばし、Tシャツにジーンズ姿の男。必死に陰部を舐めている。異空間が女を興奮させた。 女は智也をまた立たせると智也のベルトに手をかける。智也はそれに気づき自分でベルトを外しジーンズを足元まで落とした。ブリーフを脱ぐと勃起した陰茎が露わになる。同じように足元までベージュのパンツを下ろした女は智也の陰茎を握ると智也の身体を引き寄せキスをした。目をトロつかせ舌を出し智也の唇を舐める女。智也もその舌に合わせてキスをする。口元を舐められているようなキスだった。立ったまま陰茎を握りそれをいじり智也にキスをする女。女は智也の動かなくなった手を握ると自分の陰部に引き寄せた。『触って』というように導く。智也は必死に指で女の陰部をいじった。女の身体は温かく、陰部は熱かった。トロトロした汁が智也の指に絡みつく。必死にキスをした。女の口紅、吸い付くようなその唇、温かく唾液で絡みつく舌。陰茎をいじられた智也はイキそうだった。女は智也のビクつく身体に気づく。いじるのをやめると、足元まで下ろしたパンツのポケットからコンドームを取り出し、袋を開け、智也の陰茎にそれをつけた。乾いた陰茎にコンドームを上手くつけることができない。女はその場にしゃがむと優しく智也の陰茎を舐めた。『あぁぁ』と喘ぎ声を出しそうになる智也。股間に必死に力をいれる。女は優しく舌で自分の唾液を智也の陰茎に舐め塗り、陰茎が湿るとコンドームを上手く根本までつけた。 立ち上がった女は智也に背を向ける。お尻を突き出すと振り向き自分の手で水色のTバックをずらす。智也の陰茎を握りそれを自分の陰部に導く。陰茎が陰部にヌメリと入り込む。最初は締め付けられたが奥まで入れようと押しこむと女の陰部の汁で陰茎が滑りこんだ。『アァ』と小さな声で喘ぐ女。女の反応の合わせ智也は腰を振った。音を出さないようにゆっくりとゆっくりと腰を動かす智也。熱い陰部、汁がぬめりと絡みつき智也の陰茎を締め付ける。何回か腰を動かしただけでイッてしまいそうになる自分に気づく智也。動きを止めて落ち着かせたからまた動かしたがイクのを止められるとは思わなかった。智也はイッても良いと思い腰を勢い良く動かした。身体がビクつく。早漏なんて恥ずかしくなかった。この気持ちよさを逃したくなかった。智也は自分の汁を出しながら絶頂を感じ、それでも腰を動かした。汁を出しきると陰部で締め付けられる陰茎がくすぐったかった。動きを止め「ンッ」と声を上げながらゆっくりと陰部から陰茎を抜き出した。ヌメっと滑り抜けた陰茎は少しタレ、コンドームには智也の白い汁がこぼれでそうになっている。女は振り向くと眉毛をへの字にして笑顔で智也をみつめた。罰悪そうな顔を智也をみつめると振り向きそこにしゃがみゆっくりと両手で陰茎からコンドームを外してあげる。『アァ』と喘ぎながらそれを見つめる智也。女は便器の横のテッシュを手に取りコンドームを包む。と、両手で智也の尻を掴みタレ下がった小さくなりそうな陰茎を咥えた。『アァア』擽ったくって智也は喘ぎながら腰を引っ込めようとする。女は嬉しそうに尻を掴み智也の陰茎を舌と唇で綺麗に掃除した。舐め終わると立ち上がり、ベージュのパンツを履く。白いシャツをベージュのパンツに入れ、ベルトを整える。スラっとしたいい女。スポーツをしていた身体にも見える。女は指を口元に合わせ『シー』と言い個室トイレのドアを開けた。それをすぐ閉めるとゆっくりと男子トイレのドアを開けそこから出て行った。 智也は受け取ったテッシュを便器に捨て、便座の周りを綺麗にするとスマフォをポケットから取り出す。あれから40分以上たっている。智也は便座に放心状態で座り込んだが我に返り、個室トイレから出て男子トイレのドアを開けた。 大型ファストフード店の3階。不祥事を起こしインターネットで批判されたその店に客はいなかった。女も男もフロアから立ち去り、窓側の椅子でフロアに背を向けて座り、スマートフォンをいじり夏の暑さから逃れている中学生くらいの女の子が智也の目に入った。智也は自席に戻ると氷の溶けきったアイスコーヒーを勢い良くすすった。 続く
2015/08/11 19:11:56(JAKXxqU2)
夏休みの日中はこのファストフード店でシェイクを飲むか図書館で時間を潰している。
優衣は学校に友達がいない。義務であるから通っているだけで楽しくはなかった。 生きるのがつまらないかといえばそうではない。インターネットの世界がある。好きな動画サイトを閲覧し、コメントを書き込み、SNSアプリで見知らぬ相手とフォローしあい、つぶやきを共有する。学校で作る友達よりも楽しく過ごせる。ただ孤独感は消えてはくれなかった。寂しいという気持ちが残る。ガラガラの店内はエアコンが効きすぎて少し寒く感じ、優衣の心をより一層冷たくした。 夏休みの大型ファストフード店、優衣は3階フロア窓側の席に座り、イヤホンを耳につけ音楽を聴きスマフォをいじる。ここで2時間以上こうしている。 イヤホンを外し席を立つ、女子トイレに向かった。フロアの席に鞄はあるが人はいない。 男子トイレと隣合わせの女子トイレ。ドアを開け中に入り姿鏡に映る自分と向き合う。ファストファッションショップで買った赤いショートパンツにTシャツ、まったくお洒落じゃなかった。低めのヒールのついたサンダルが一番高かったが、3000円程度。もっと可愛く欲しいと思う服もあったが、バイトすらできない立場の優衣にお金はない。雑誌を参考に化粧をしてみても、幼い顔にかわりはなかった。あご先までのショートカット。髪を耳にかけたりしてみる。 と、トイレ内に音が鳴る。ヒールの音、優衣のサンダルではない。そもそも女子トイレではなく姿鏡、壁の向こう側男子トイレから聞こえる。『女性が男子トイレの中にいる?』優衣はそう思ったがなにをしているのか分からない。姿鏡に耳をあてる。『アァ』という声が微かに聞こえた。なにをしているか優衣には分かった。インターネット世代。物心ついた時からインターネットに潜りこみ、その中で生きている。幼い優衣にもあえぎ声くらい分かっていた。 物音をたてず姿鏡に耳をあて様子を伺う。男と女の荒い息づかい。優衣は非日常の音を耳にいれると女子トイレをでて自席に戻り残り少ないシェイクを口にした。 どんな二人なのかが気になる。スマートフォンの画面には時刻16時が表示されている。門限の17時までには帰りたい。後15分は待ってみよう。そう思いまたシェイクを一口すすった。 と、男子トイレのドアが開く。優衣は振り向かず音だけを拾う。ヒールの音が鳴る。3階フロアに高い足音が鳴り響く。自席の鞄、テーブルを片付ける音を拾うと優衣は立ち上がりゴミ箱に向かう。紙ナプキンを取りながらちらりと女を見た。ベージュのパンツに白いシャツ、白いパンプスはヒールが高くお洒落な大人の女性に見えた。アクセサリーも鞄も安物には見えず、椅子に置かれた紙袋に社名が書かれている。『仕事中・・・?』優衣はそう思いながら女の側を横切る。 「あ、ごめんなさい。」女はそう言った。立ち上がり荷物をまとめる女が優衣に少し身体がぶつけただけだが、年下の優衣に丁寧に謝る姿に品の良さを感じた。窓側の席に戻りシェイクを口にする。ヒールの音が鳴る。女は荷物を抱え、ゴミを捨てトレイを返却すると足早に階段を降りて行った。 『仕事中の品のある女性がなぜ?』女子トイレで拾った音。あの喘ぐ声が彼女の物だと優衣には思えなかった。と同時に相手の男が気になる。優衣はまたシェイクを一口すするとズズズッと音が鳴るだけで甘い液体を口に入れる事は出来なかった。ドアが開く音がなる。ワックスで綺麗に磨かれた床、キュッキュと音が鳴る。フロアを誰かが歩いている。優衣は一呼吸置いてからスマフォと財布を持ち自席を立った。 女子トイレに向かい歩く優衣。ちらりと目を配れば20代後半の男と目が合ってしまった。このフロアに客は優衣とこの男しかいない。優衣はすぐに目を外す。ボサボサの髪にTシャツ。床をキュッキュと鳴らせたのはスニーカーであろう。一瞬目に入れただけだが野暮ったい男に見えた。女子トイレに入り、便座をテッシュで拭きそこに座る優衣は、女と男の接点を考えている。品のある綺麗なお姉さんと髪型にも気を使わない野暮ったい男。何が二人をつなげたのか優衣には全くわからない。用を足しテッシュを使う。手を洗いながらふと思う。『援助交際』しかし女はお金に困ってないように見える。どうだろう?優衣はあれこれ考えると自分が実生活でこんなに楽しく考えた事はなかった事に気づいた。インターネットの世界にのめり込み実世界での生活に冷めていた優衣。非日常の光景を目にし興奮している。 女子トイレをでると男はまだフロアの二人席にいた。ジーンズにTシャツ姿。こちらをみている。いやらしい目に見えた。少し不快だった。優衣は自席に座ると安価なフェイクレザーのショルダーバックからペンを取り出す。紙ナプキンに『いくらですか?』と書き込むとペンを鞄に戻す。優衣の小さな胸がドキドキと動く。優衣はその小さな口を開き大きく呼吸すると自席から立ち上がった。白色ベースのグラフィックTシャツに赤いショートパンツ。小さなヒールのついたサンダルで立ち上がっても身長は150センチそこそこだった。鼓動を感じながら両手でその紙ナプキンを持ちフロアを歩く。男のテーブル席で立ち止まる。男はその優衣の様子をずっと見ており目が合う。 優衣は男のテーブルにその紙ナプキンを置いた。ストローに口をつけたままの男は突然の出来事に言葉もでない。優衣はまた自席へともどる。鼓動が収まらない。紙ナプキンに書いたつぶやき。男はどんなリプライを送ってくるか。優衣は窓の外をみつめる。 間があったがキュキュッと3階フロアにスニーカーの足音が鳴る。男が優衣に近づいている。優衣の小さな小さな胸が大きくなりそうなくらい鼓動してる。男が無言で紙ナプキンを優衣のテーブルに置く。窓際の席。窓の外をわざとみている優衣に男の表情はみてとれなかった。男がキュキュと足音を鳴らし自席に戻っていく。 裏返しになった紙ナプキン。優衣が恐る恐るひっくり返すと『3千円』そう書いてある。優衣はやはりそうだったかと思う。でもあの女性がなぜ?と思う。私だから3千円?そうも考える。優衣は緊張を抑えきれずフェイクレザーの小さなショルダーバッグにその紙ナプキンを入れると立ち上がり空っぽのシェイクを持ち走ってフロアを駆け抜けた。男が「あ」と声を出したが振り切り階段を降りる。 優衣は『また明日もここに来よう』そう思い、次の展開がどうなるか、どうすべきか、それを頭に入れて家に持ち帰った。
15/08/20 11:44
(XQ11n07A)
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