「絶対に後ろ向いちゃだめだよ」
私は彼に言った
なぜならこの長い長い坂の上には何万ドルの夜景が広がっているからだ
「早く走ってよぅ」
長い坂道を私たちは上っていく。何の迷いもない。私は楽しくてしょうがなかった
彼の手を強く握って夢中で走った
同じ景色を見て同じように綺麗だと思って欲しかったからだ
彼と一つになりたかった。セックスではなく今同じ気持ちなんだと感じたかっただんだん二人の息も上がってきた
そして…「目をつぶって」「もういいよ」ついにその時がきた
「どう?」私は少し不安げに聞いてみた。そこには心地よい風と何百万ドルの夜景が広がっている
私は景色を見てる彼の目をそっと見た
透き通った少年のような目をしていた
私にはそれで十分だった
なぜか私は泣いていた