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続・曼珠沙華 5
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:続・曼珠沙華 5
投稿者: 喜久江
その後も、彼と二人きりで話す機会は、ついに巡って来ませんでした。その
夜の主役でもある副島さんは、常に大勢の人に囲まれ、とても私が傍で話の
出来る状況ではありません。2次会にも誘われましたが、結局私は参加せず
に帰る事になりました。彼を見る最後の日も、後味の悪いお別れとなってし
まいました。
帰る道すがら、(これで良いの・・、もう忘れなきゃ・・、私には夫も子供
もいるんだから・・)
それは、正に自身に聞かせる戒めでもありました。
しかし、家に戻ると、夫は私の姿を見るなり、
「さっき、お前宛に電話あったぞ、この間の副島とか言う奴から・・」
忘れようとしたその矢先、夫から再びその名前を聞かされました。
「なにか言ってました?」
つとめて平静を装い、夫に訊ねました。
今夜の送別会が、彼のものとは夫に話してはいません。
「後でまた電話するって言ってたよ。家まで仕事の電話寄こすな・・て言っ
ておけよ。」
何も知らぬ夫に、とてもすまない気持ちでした。
「すみません。」
その言葉は、夫に対し、2重の面でのお詫び的な意味あいが含まれておりま
した。夫以外の男性に引かれかけている自身と、家に仕事を持ち込んでしま
った事でした。
それにしても、彼が何の様で私に電話を寄こしたのかが気になりました。副
島さんは、まだ2次会のはず。そんな中で、いったい私にどんな話が・・?
夫の視線が気になりましたが、その肝心の夫の方は、すっかりテレビの画面
に釘付けの様でした。
そんな夫の姿を見て、私は心の中でつい叫んでしまいました。
<お願い・・もっと私の事を見て! そんなだと・・私がどうなっても知ら
ないわよ・・、それでいいの・・あなた・・>
心の底から私は夫に訴えていました。何が何でも、夫に、私をしっかりと捕
まえていて欲しかった。今の自分に対し、あまりにも自信がなかったのでし
た。


2008/08/15 14:39:11(n9sVGjKW)
2
投稿者: 応援団より
切なくて,生身の感情が好きです。
思わず恥ずかしくなっちゃう場面,あるかな?
勝手な期待して,ごめんなさい。
焦らないで,気負わないで。
応援してるからね。
08/08/16 13:17 (elIozZ2V)
3
投稿者: ヒデ ◆VFQoDaRGdI
小出しにしないで、早く続き書いて下さい
気になって仕方ないんですよ
08/08/16 21:27 (c/RBaq79)
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