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続・曼珠沙華 9
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:続・曼珠沙華 9
投稿者: 喜久江
時間の制約もあります。何時までもこの場に留まる事も出来ず、心苦しくも
ありますが、ひとまず家に戻る気持になっておりました。
掴んでいた彼の手を離し、眠っている彼の向かい、
「それじゃ、私帰るわね・・ゆっくり休んで・・。」
彼に聞いてもらうつもりもなく、そう語りかけ、その場から離れかけまし
た。
「行かないで・・」
背後で、私を呼びとめる声が聞こえました。
副島さんがジッと熱い目を私の方に向け、訴えかけるようにしています。
けだるい身体を蒲団から起こす仕草を見せ、必死の思いで私を呼びとめよう
としていました。
「ダメよ、無理しないの・・寝てなくちゃ・・」
私は慌てて彼の身体を押さえ、蒲団に寝かせようと試みた時です。いきな
り、彼が私の身体にしがみついてきました。
「アッ! 副島さん・・どうしたの・・」
熱のある彼の高い体温が、その身体を通して、私の身体に伝わって来まし
た。
「行かないで・・一人にしないで・・」
強い力で私は彼に抱きしめられました。
「ダメ・・副島さん・・ダメよ・・。」
その身体が私の方に預けられたので、その重みにより、私はその蒲団の上に
横倒しにされてしまいました。
追い討ちをかけるように、彼はそんな私の上に押しかぶさり、
「好きだ・・喜久江さん・・好きだ・・」
思いのたけを全てぶつけるように、激しくその身体を預けて来ました。
「ダメ・・イケない・・ダメ・・お願い・・」
熱っぽいその身体が、彼の情熱そのものの様に私の感じられていました。
駄々っ子のよう、私のしがみつく彼の仕草を、いつしか、黙って受け止めて
おりました。初めて彼を愛しく思えたのでした。



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2008/08/22 23:20:36(e3X6k/V5)
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