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カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:絆
投稿者: (無名)
月が綺麗だ。川の流れる音が眠りを誘う。
薄れゆく意識の中,石を踏みしめる音が微かに聞こえた。
気がつくと,白い天井と不精ヒゲの男が見下していた。
「何があったかは聞かない,俺の遊び場で死ぬな」。
左手首に包帯が巻かれていた。
「あそこは俺が夜釣りをする所なんでね」。ここは俺の診療所を兼ねた自宅だ,行くとこがないなら暫くは構わんぜ,どうせ男やもめだ」
あれから三ケ月,彼は私に何をするでもなく,日々を過ごしている。彼の作るご飯は褒められたものじゃないけど,鯖の味噌煮だけは本当に美味しいのだ。綺麗な白い猫が私の相手をしてくれていた。こんな私によく懐いて,喉をゴロゴロ鳴らす。可愛い。いつの間にか感情が戻っていた。居心地は悪くはなかった。食事を作る彼に,どうして私に良くしてくれるの?と聞いた。「おっ,初めて口をきいたな,喋れないのかと思ったよ」と笑う。
私は自分でも驚くほど,今までの事を全て話した。
数年前の交通事故で,奇跡的に下半身不随は免れた。リハビリで下半身の感覚が全ては戻らず,性感覚だけが駄目だった。
私の美貌には誰もが一目おいた。だが何人もの男が通り過ぎていった。不感症の私の前を。ある者は飽きて,ある者は体力と大きいモノが自慢で。ある者は誠実だったが,努力も空しく絶望して去った・・・みんな去った。私はセックスがないと男は愛が育たないのだと知った。
「成る程」。彼は肯定も否定もしない。
「人間の身体はよく出来てる,太い神経が遮断されても細い神経が代わりを果たすようになる。リハビリだ。一度は死んだ身,時間はタップリあるさ」。 その日からリハビリが開始された。羞恥心と不安がないまぜだが,全裸になってマッサ-ジを受ける。感じないアソコを重点的に。 「いいか,焦らないことだ。」
感じななくても身体は準備する。濡れる。彼はクリトリスと膣を指で丁寧に優しく愛撫する。毎日一時間,それを半年間,毎日だ。その間,私が不安にならないように色んな会話をする。時には涙を流すと「大丈夫だ」と口で口を塞いでくれた。徐々に鈍くだが指の感覚を自覚できると,彼は身体中を愛撫しはじめた。首,耳,背中,手足の指の間,気持ちいい。身体が溶けていくように陶酔していく。脇の下,乳首,おヘソ,わき腹,口で軽く吸いながら舌先を回す。思わず身体をのけ反らしながら吐息をもらす。

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2008/07/15 16:12:05(O.cZmznD)
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