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インターネットの女(終)
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:インターネットの女(終)
投稿者: 影法師
予定時間の少し前に私は店に戻った。
商店主が顔を覚えていてくれて、
「もうすぐ、戻ると思いますよ。美咲ちゃんが来るまで、木村さん何時もこ
こで待っていますから。」
「そうですか。それでは少し待たせてもらいます。」
私は店の邪魔にならない様、店の脇に置かれたビール箱に腰を下ろして待っ
た。
冬の陽射しは、既に西に沈みかけていた。
パタパタと音がすると、遠方から車が店に向い走って来るのが見えた。
小さなミニバンだ。
沙織が運転席から降りて、そのまま荷台の方に向う。
久しぶりに見る沙織の姿だった。
私は沙織のその姿に引かれる様に、その店の入り口に立った。
私を見て、商店主が、
「帰ったようですね、呼びましょうか?」
優しく声をかけてくれた。
その時、
「パパ!・・パパ!・・」
大きな声で私を呼ぶ声がした。
沙織の横を走りぬけ、美咲が私めがけて走ってきた。
凄い勢いで美咲が私に飛びつく。
「パパ・・迎えに来たんだね・・パパ。」
美咲を抱きしめながら、私は沙織の方に目を向けた。
沙織が私を見ていた。ジッとその場に佇み、私の方を見ている。
私は美咲の身体を離し、沙織の方へと歩み寄って行った。
沙織の表情がハッキリと確認できる距離になると、私達はお互いを見つめ合
っていた。
しばらくして・・沙織の目から大粒の泪が流れ出てきた。
泣き顔に笑みをうかべ、複雑な表情の沙織を私は抱きしめていた。
その時私はハッキリと気がついた。
あの時の沙織が、必死に戦う母の姿であった事に。
沙織は戦っていたのだ。美咲のために必死になって戦っていたのだ。
だから・・今度は私が2人の為に戦う番なのだと・・そう思った。
「よく頑張ったね・・これからは僕が頑張る番だ。」
私は沙織を抱きしめながらそう言った。
沙織は肩を震わせ、何時までも私の胸の中で泣きじゃくった。
「パパ・・美咲、又、お家に帰えれるの?」
「いや、ここの方が美咲の身体には良さそうだから・・今度はパパがここに
来る事にしたよ。」
「本当? パパ・・本当だね・・。」
美咲は嬉しそうに笑った。
私は、やっと長い旅の終わりを感じた。
インターネットで始まった長い旅が、今そのインターネットによって終わり
を迎える事が出来た。
冬の陽は既に西の彼方にその姿を消していたが、私達家族に、新たなる陽の
登る事を確信出来た瞬間でもありました。


                               <完>


2007/10/05 19:11:02(ZqVF.mWj)
7
投稿者: (無名)
とても良かったですよ、感動しましたo(^-^)o今の自分と似た話なんで涙でてました、またお話書いて下さい。
07/10/17 19:00 (SpOTlq85)
8
投稿者: (無名)
最初に戻ってイッキに読ませていただきました。
胸が熱くなりました。
素晴らしかったです。
また新作待ってます。
07/12/03 17:04 (fvkol0iN)
9
投稿者: 美希 ◆PRteQJyPzQ
影法師さん偶然見つけて読まして頂きました。
素敵な物語で目頭が熱くなりました。
此からも頑張って下さい。
10/05/04 21:18 (kuesmcby)
10
投稿者: ジャンボ
暇だったので旧い作品を眺めて居ました。
ただのエロ話しだと思い読み始めましたが最後は涙が出ました。とても良かったです。有り難う
11/09/10 16:09 (k2qYJXJD)
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