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※私は魔法使い、そんな私の空想H体験告白

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雪菜

投稿者:液男 ◆KmnSzGcTnk
削除依頼
2007/06/20 23:30:47 (VsVgWfkx)
 俺の彼女、雪菜は17歳の女子高生。
 名前の通り、雪みたいに肌が白い子だ。髪はそれとは対照的に艶やか
な黒で、腰ぐらいまで伸ばしたそれはすごいサラサラしてる。しょっちゅ
う触らせてもらってるが、これが全然飽きないくらいさわりごこちがよ
い。本人も自慢だと言っている、彼女のトレードマークだ。
 細身で、胸はちょっと控えめかな。物静かな、ちょっと古いタイプの
日本的美人さ。ひらひらしたワンピースみたいな、おとなしめの服を着
ていると、深窓の令嬢ってイメージがぴったりだ。
 結構なお金持ちの家の一人娘で、県下一の名門私立女子高に通ってい
る。成績はトップクラス、スポーツも万能、生徒会長までつとめている。
茶の湯とピアノをたしなみ、寝室の書棚には文字ばっかりの難しい本を
並べている。
 正直、俺みたいな取り柄のない男には、住む世界が違うというか、もっ
たいない子だと思う。しかし、なんでか彼女は俺を好いてくれているし、
俺も彼女を愛している。だから多少の格差があったとしても、そんなの
は気にしない。
 ただ、それでもやっぱり俺たちは、お互いが平等なカップルってわけ
じゃなかった。経済力とか教養とかじゃなく、もっと大きな点において、
俺たちは違っていた。
 どういう点で俺たちが違っているのかというと……。

 ある日の放課後、俺と雪菜は学校の図書館にいた。翌日提出の宿題の
ために、調べ物をしないといけなかったんだ。
 必要な資料はすぐに見つかり、雪菜と手分けしてそれをノートにまと
めていく。学校一の秀才である雪菜は、こういう仕事は大得意だった。
早々に自分の担当範囲を片付け、俺の分を手伝ってくれる。彼女が資料
の中から要点を的確に抜き出してくれるので、俺の仕事もはかどり、そ
の日の宿題は家に帰る前に片付いてしまった。
 仕事を終えて、一息つく俺。あとは資料を本棚に戻して、帰路につく
だけだ。さーて、と立ち上がろうとした時、隣に座っていた雪菜が、小
声でささやいた。
「ねぇ……そのまま座っていてくれる? ちょっとの間、じっとしてて」
 どうかしたのかと聞くと、雪菜は悪戯っぽくニヤッと笑って、右の手
のひらを俺に見せた。
 見ると、彼女の手の真ん中に、横一文字に、大きな切れ目ができてい
た。
 その切れ目は、目が開くようにぱかっと開いて、中にぬるぬるとした
粘液にまみれた、赤い舌が蠢いているのが見えた。
 それは、もちろんただの切れ目じゃない。人間の口だった。
「動かないでね……声も出しちゃ、駄目よ」
 雪菜は甘い声でささやきながら、手探りで俺のズボンのファスナーを
下ろし、そこに躊躇なく白魚のような手を突っ込み、チンポをひっぱり
出した。
 横目で、半勃ちのそれに視線を落とす雪菜。その顔はわずかに上気し、
頬が桃色になっていた。
 そして、彼女は手のひらを、第二の口があらわれた手のひらを、チン
ポの先端にかぶせるように触れさせてきた。
「う……」
 ヌメッとした、ナマ温かい感触が、チンポ全体を包んだ。
 ただ普通に手で触られているのではない。俺のチンポは今、雪菜の手
のひらにできた唇に、根本まで咥えられてしまった。雪菜の手の内部、
手首をちょっと過ぎた辺りまで、第二の口腔ができていて、そこにすっ
ぽり入りこんでいる。
 雪名の手の中で、柔らかい舌が激しく俺のチンポに絡みついてきた。
ディープスロートしてもらっているのとかわりない。耳をすませると、
「グチュッ、ジュポッ」という唾液の粘着質な音まで聞こえる。
 しかし、それをしている当人は涼しい顔で正面を向いており、はた目
からは俺ら二人は、作業を終えて休憩しているだけに見えただろう。図
書館にはこの時、他にも人はけっこういたが、俺が濃厚なフェラをして
もらっていると気付いた奴はいないようだった。
「ゆ、雪菜っ、そろそろ、イキそ……」
 俺がそっと耳打ちすると、雪菜はクスリと笑って、
「ええ、どうぞ……私の中に、遠慮なく出してね……」
 そうささやき返し、指で睾丸をやわやわと揉みながら、舌の動きを更
に速めてきた。
「うっ!」
 俺はぶるっと身を震わせて射精した。
 あまりの快感につい叫んでしまいそうになったが、こらえる。我慢し
ないのはチンポだけで、こちらは、彼女の言う通り遠慮なく出しまくっ
てやった。ビュクッ、ビュクッと断続的な射精が続き、それがおさまっ
てようやく、俺は全身を弛緩させた。
 雪菜の手の中の口は、俺の精液を全て受けとめ、一滴もこぼさなかっ
た。奥のほうがひくひくと蠢いているのが、チンポの先端に感じられた。
それはちょうど、口内射精された女が、口にチンポを咥えたまま精液を
飲みこんでいる感じに似ていた。
 その通りだった。今や雪菜の腕の中には、肩や首を貫通し、頭部まで
達する食道のような器官が生まれており、それがうねうねと蠕動して、
手の中で出された精液を、雪菜の本当の口まで送り込んでいたのだ。
「ん、……」
 雪菜が色っぽいため息を漏らし、ぴくっと肩を震わせた。どうやら、
手の中を通ってきたモノが、上の口に届いたらしい。彼女は潤んだ目で
俺をじっと見つめ、口を開いた。
 にちゃっと、上唇と下唇の間に、白い糸が引いていた。口の中には、
ゼリー状の精液がもってりと溜まっており、その精液だまりの下で、舌
がかき混ぜるようにゆっくり動いていた。
 その卑猥な光景を俺にしっかり見せつけると、彼女は口を閉じ、クチュ
クチュと口の中で精液をしばらく弄んでから、ゴクッ、と飲み干してし
まった。
「んふ……粘っこくって、おいし……v」
 妖艶な笑みを浮かべながら、舌を出して唇をぺろりと舐める。
 そして手のひらから、俺のチンポをズルリと引き抜いた。湯気の立っ
ているチンポをパンツの中におさめ、ファスナーを閉める頃には、彼女
の手にあった切れ目はふさがっており、すっかり元通りのきれいな手の
ひらに戻っていた。
「ね、今日、これから時間ある? 宿題も片付いてるし、よかったら私、
あなたのお部屋に遊びに行きたいんだけど……どう?」
 お部屋に行きたい、という言葉は、雪菜が誘っている時の合図である。
今さっき俺から一発搾り取ったのは前菜で、これからゆっくりフルコー
スを楽しみたいということらしい。
 俺も、雪菜相手だといつでもどこでもオッケーだし、一発だけじゃ物
足りない。もちろん頷いて、仲良くお手手つないで帰路についた……。

 ……とりあえず、これくらい俺と雪菜は違っている。
 俺は、まあ普通だ。どこにでもいる男さ。ただ雪菜は、世界中の誰と
も違っている。手でフェラだなんて、普通の人間にはできないよな。
 そう、雪菜は普通の人間ではない。魔法使いなのだ。
 どういう来歴かは知らないが、怪しげな魔法書を彼女は宝物にしてい
る。自分の部屋のどこかに隠してあるらしいそれを、彼女は俺にも見せ
てくれない。それに載っているのが、ほとんど危険な魔法だからだそう
だ。その中から、数少ない日常生活で役に立ちそうな魔法を、彼女は自
分にかけた。それが、肉体の随意変化術だった。
 その名の通り、自分の意思で肉体を自在に変化させられる魔法で、こ
れによって彼女は、いろんな変身をすることが可能になった。といって
も、犬とか猫に化けてもしょうがないし、楽しめない。そこで、彼女は
主に部分的な変身を研究し、それを俺とのセックスに応用することを考
えた。
 つまり、俺がグラビアアイドルみたいな巨乳女が抱きたいとリクエス
トすれば、彼女はその慎ましいオッパイをGカップに変化させてくれる
し、今日はロリっ子が抱きたいと言えば肉体を若返らせ、小学生のよう
な体躯になって俺を誘ってくれる。
 その他、さきほどのように、手のひらに口を作ったりもできるし、髪
の毛を触手のようにして、全身を愛撫してくれたりもする。
 非常に便利で、応用のきく魔法なのだ。しかし、俺は彼女が、俺との
性行為の時以外に、この魔法を使っているのを見たことがない。
 なぜかと雪菜に聞くと、
「あなたに誉めてもらいたくて習得した魔法なのよ。他のことに使って
も意味ないわ」
 髪をかき上げながら、すました顔でそう言うのだ。そんな風に言われ
たら、もう抱きしめてやるしかない。
 さて、俺は雪菜と彼女の魔法を紹介しようと、これを書き始めたのだ
が、前のようなことを彼女が言うので、魔法を紹介しようとするとエッ
チシーンばっかりの、単なるのろけ話になってしまうかもしれない。
 そんなの読みたくねえよ、と思われる人もいるだろうが、もしかした
ら、それでもいい、という奇特な人もいるかもしれない。一応、そうい
う人のために、また俺の日記代わりとして、俺と雪菜の日常の記録を、
気が向いた時にぽつぽつと紹介してみようと思う。

気が向いたら、続くかも。
 
111
2010/08/03 01:57:17 (2fjpPgIS)
健二です。

高校生の時から彼女の居た隆と違って、沙也ちゃんという彼女が出来る前までは1人の女の子ともつき合った経験の無かった僕
にとって、隆の言う恋愛経験話は理解不能な事柄の一つでした。
もちろん女性の嫉妬などという感情とは無縁に生きて来たし、それが生み出すドロドロとした男女関係は物語としては知っては
いたけれど、自分自身が体験する様な事はないだろうとタカはくくっていました。
沙也ちゃんは魔法が使えて何でも出来るのだから、嫉妬などという感情を持ち合わせてはいないのではないかと思っていたので
すが、彼女曰く、自分でもコントロールできない感情に出会ってちょっと混乱しているそうです。
その一つが「人を愛する」ことで、もう一つが「嫉妬する」ことなのだそうです。
女性って本当に不思議な生き物だとこのごろ感じるようにはなって来ました。
例えその女性が魔法が使える人だったとしても。


沙也ちゃんと深い関係になってから1回も帰って来てはいなかった自分の部屋だが、もちろん何も変わった様子はなくむしろ別
な意味での落ち着きさえ感じられた。
これも彼女が出来たという余裕なのだろうか。
ただ、部屋に入る前に覗いた郵便受けに入っていたチラシの量が、5日間という不在の日々を物語っている。

「冷蔵庫の中も整理しなきゃ...」

これから暑い夏を迎えるのにあたって、牛乳やハム類などは極力買わないようにしてはいたのだが、予定外の外出を重ねていた
ためにどんな物が残っているのか少し心配になっていた。
ガチャガチャとビン類をよけて生鮮食品等の賞味期限を確認していると、「コンコン」と玄関の戸を叩く音が聞こえてきた。

「誰?隆?」

沙也ちゃん以外に訪ねてくるとすれば隆たちしか考えられなかった僕は、冷蔵庫を片付ける手を休める事なく大声で返事を返し
た。
すると、それに対する反応は再び「コンコン」とドアを叩く音だけだった。

「ふざけんなよ、開いているから入れば!」

そんな反応を返す事こそ隆たちに違いないと勝手に確信した僕は、冷蔵庫を閉めて玄関の方へと向かった。

「じゃあ、失礼するわね」

と言う声と共に現れたのが女性だった事だけでも驚きなのに、それが昨日学食で僕たちを連れ出そうとした藤森彩香とその取り
巻きとでも言うべき佐々木美希、海老沢友希のユキミキコンビの3人だと判った時には心臓が口から出そうになった。
ミスキャンパスの肩書きを持つ藤森先輩は言うまでもないが、モデルエージェンシーに所属していて女の子向けの雑誌の表紙を
飾る事も多いユキミキコンビも大学内で知らない者はいない男女ともに憧れの存在なのである。
そんな3人がどうやって調べたのか突然僕のアパートに現れたのだから、動揺しない方がおかしい。
毅然とした藤森先輩とは対照的にユキミキコンビはなぜかトローンと目を潤ませていて、いつもの切れのある美しさに妖艶さが
加わり、どんな男でも1秒以内で虜にしてしまいそうな勢いがあった。

「今日は星野さんとは一緒じゃないのね」

ゆっくりと部屋を見回しながら3人に対して呆然と立ちすくんでいる僕を見据えて藤森先輩が話しかけて来た。

「今日は、あの、部屋を掃除して...」

状況が把握できずにしどろもどろの返事を繰り返す僕の前に、藤森先輩が恋人同士以上の距離まで近づいて僕の目を見つめなが
らその柔らかい手のひらで口を封じる。

「今日はあなたに、そう、あなたの体に聞きたいことがあるの。だから...」

そう言って藤森先輩は甘い吐息を「ふう~」と僕に吹きかけた時だった。
全身の力がすう~っと抜けて動けなくなってしまう感覚と同時に、一瞬で勃起したズボン前にかすかな痛みを感じながらその場
に倒れそうになってしまった僕を左右からユキミキコンビが支える。

「ユキちゃん、ミキちゃん、じゃあお願いするわね」

そう言った藤森先輩の問いに軽くうなづいた二人は、既に潤んだ瞳で僕の方に振り向くと右側を支えていた佐々木先輩が動けな
くなった僕の顔を両手で自分の方に向けると、熱い眼差しを向けると激しく唇を重ねて来た。
対する海老沢先輩は、自らの体をかがめたかと思うとしなやかな手つきで僕のズボンのベルトを緩め、続けてパンツをゆっくり
下ろして既に最大限になっていた僕の勃起をあらわにした。

「ユキちゃん、ミキちゃん、遠慮はいらないから健二君を気絶させちゃいましょうか」

激しいく唇を重ねてくる佐々木先輩の動きが一瞬止まり、藤森先輩の方を向いて再び頷くのと同時に、その背後で藤森先輩が微
笑みながらウインクをした瞬間、野獣が獲物をむさぼる様な佐々木先輩の口づけが襲って来た。
僕の体は何者かに乗っ取られたかのように舌が勝手に動いてそれに応じるのと同時に、海老沢先輩の嵐の様なフェラに晒され
る。
僕の肉体は自分の意思での動きは封じられ、キスを強要されながらしなやかな手と甘美な唇でしごかれ、あっという間に絶頂を
迎えてしまうのだが、沙也ちゃんの魔法で鈴口が消え去ってしまっている先端からは精液がほとばしることは無い。
次第に体は床に寝かされた状況になりってもユキミキの激しい愛撫は止む事はなく、既に2桁を迎えようとしている絶頂と共に
体の各部が激しい快楽に耐えかねるかのように痙攣を始めた僕は次第にその快楽の中に自意識が埋まりそうになって来た。

「先輩たち、健二君から離れて!」

突然、部屋に沙也ちゃんの声が響いた。
しかし、何かに取り憑かれたようにユキミキコンビは僕に快楽を与え続ける。

「やっと愛しい彼女の登場ね」

まるで待ちわびていたかのように落ち着いた様子で声の方に振り返った藤森先輩が声をかけると、ちょっと眉をひそめた沙也
ちゃんがその場に踞る。

「これは...ああっ。。」

上気した顔で自分の股間を押さえて感じている様子を見せた沙也ちゃんに、笑顔の藤森先輩が近づく。

「星野さんに健二君はもったいないわ、これだけ快楽を与えても射精しない様子をみるとどうやら彼は本物で、しかも誰かに守
られているみたいだけど、守っているのは貴方ではないようね。」

そう言って沙也ちゃんの髪の毛を掻き上げると、さらに大きな吐息をもらして沙也ちゃんが感じる。

「ああーっ、でも...健二君は...渡さない...」
「ふふっ、貴方も私の与える快感からは逃れられなくしてあげる」

藤森先輩は沙也ちゃんの向かいにしゃがみ込むと、上気している沙也ちゃんのあごを手で持ち上げてその美しい顔で口づけしよ
うとした。

「先輩は...魔の力で...うっ」

口づけされた沙也ちゃんは体を床に投げ出し、その手が自らの股間へと伸びようとしていた。

「ダメ...感じる...ああっ。。」

洋服のまま自慰をさせられようとしている沙也ちゃんが絶頂を迎えようとしていた刹那、今度は玄関の扉が大きな音をして開く
のと同時に、隆がもの凄い勢いで部屋の中に入って来た。

「健二ー、居るかぁ...あれ? 何だこれ、みんな、何してるんだ」

その時、沙也ちゃんにかかり切りになっていた藤森先輩が立ち上がって隆の前に立ちふさがり、その美しい顔立ちで見つめなが
ら甘い息を吹きかける。

「せ、先輩...オレ...」
「何も心配ないわ、でも、私、隆君のオナニーもみたいわ...」

その言葉と同時に、隆の体がガクガク揺れながら床に崩れ落ち、自ら既に勃起した一物を取り出すと既に視点の定まらなくなっ
ていた目をうつろに空に向けながらしごき出してしまい、あっという間に1回目の射精を迎えてしまった。

「ふふっ、あなたの失神する所もみてみたいわ...」

そういって更に激しさを増して、口から泡を吹きながら自らをしごき続ける隆を見下ろす藤森先輩の背後で、ふらふらしながら
ゆっくりと立ち上がる影があった。

「はあ、はあ、隆君...ナイスタイミング」

そう言って立ち上がった沙也ちゃんに藤森先輩が振り向いた途端、隆の手が止まった。
いや、正確に言うと隆を取り巻く空間の時間が停止したようだった。
強制的に射精させられ続けていた彼の精液も、それ以上落下する事もなく空間に停止していたからだった。

「もう、先輩たちの自由にはさせません...藤森先輩が魔の力を持っていたなんて、ちょっと油断していましたが、もうおしまい
にしましょう...」

藤森先輩も振り向いた髪の毛がなびいた態勢のまま硬直させられているのだが、隆と違うのは目の動きも呼吸もそのままな事
だった。

「とにかく、佐々木先輩と海老沢先輩には健二君から離れてもらいますからね」

そう言って沙也ちゃんがまだ僕に快楽を与え続けている二人の方を見た瞬間、二人の体は僕を離れて床から1メートルぐらいの
空間に浮かんでしまった。

「健二の唇....ああっ」
「感じさせてあげる...」

それでも更に快楽を求める表情を緩めない二人に沙也ちゃんが少し疲れ切った表情で言い放つ。

「お二人はお二人同士でそこで感じていて下さい。ただし、あまり感じると体が疲れますよ...」

空間に浮かんでいた二人の体は一瞬で全裸になり、美しいプロポーションの体のお互いがお互いの秘部を舐め合う様な形になっ
てゆっくりとベットの上に着地した瞬間だった。
もの凄い啜り音を立てながら互いの秘部を舐め始めると同時に、時間差でおのおのが快楽におおきな喘ぎ越えをたて始める。

「ああーっ、ユキ、いいーっ」
「ジュルルル......ピチャピチャ....あーっ、ミキ...ああっ」

ただし、おのおのが大きな快楽に善がり声を上げると同時に、心無しか体の線が崩れ、張りを失い、シワが増えて行くように見
える。

「さあ、次は藤森先輩です。誰かに頼まれたのかと思っていたら、藤森先輩自身が「魔」だったとは気づきませんでした。危う
くその力私も健二君も精神がおかしくなる寸前でしたけど、これは隆君に感謝ね」

沙也ちゃんが隆の方に目配せをおくると、強烈な快楽に喘いでいた顔は穏やかになり、一瞬で身支度を整えられてから跡形もな
く消えていった。

「先輩たち「魔」の一族に健二君を与える訳には行きません。残念ですけどこの世界からは...消えてもらいますからね」

そう沙也ちゃんが言った途端、藤森先輩の顔に変化が現れる。
端正な美しい顔に似合わない犬歯、いや牙とも呼べる物が口から生えたかと思うと魔法で硬直していたはずの髪の毛が揺らいだ
瞬間に沙也ちゃんの首筋めがけて襲いかかって来た。

「先輩は...魔に取り込まれて...」

驚いた表情を見せた沙也ちゃんだったが、冷静に先輩の攻撃をかわして二人が再び対峙した瞬間、振り向いた藤森先輩の顔は既
に上気し、その恐ろしい表情の元凶となっていた2本の牙が根元からポキリと折れたかと思うと、金属的な澄んだ音を響かせて
床に落ちた。
そして今度は藤森先輩が快感に喘ぐように床にしゃがみ込むと、自らの股間に手をあてて激しく動かし出した。

「ああーっ。気持ち...いいっ...くっ」

見慣れた空間で3人の美女が激しいオナニーにふける様子は、想像もつかないくらい異様な光景だった。

「沙也ちゃん...」

朦朧とした意識から醒め始めていた僕がよろけるように彼女に近づくと、厳しい顔をして小さな声で答える。

「藤森先輩は...魔の一族に引き込まれたの...多分...」

その時、先に相互奉仕の魔法をかけられている二人の声が変化している事に気がついた僕は、おそるおそるそちらの方に目を
やった。
そこには、美しかったプロポーションを誇った二人の姿とは似ても似つかない年老いた人間の営みが繰り広げられていた。

「ミキ...もうやめて...どんどん老いて行く...ああっ」

そいうって絶頂を迎えたユキからは、今度は既に白くなっていた髪の毛がぱさっと抜け落ちた。
ミキの方はと言うと、既にしわくちゃの顔に快楽の表情を浮かべてはいるが、その口元に既に歯はない。
お互いに豊満だったボディーは見る影もなく、ユキの方はシワくちゃで垂れ下がった乳房を自らもみしだき、ミキの方はという
と垂れ下がったお腹の肉の下にユキの顔はさんでよがり続けている。

「あの二人は、藤森先輩の魔の力で操られていただけみたい。ちょっとかわいそうだけど、健二をあんなに攻めたのは許せな
い」
「でも....」

そう言いかけた僕を遮って沙也ちゃんが笑顔を見せた瞬間、二人の喘ぎ声が止んだ。

「キャーッ」

お互いを認識した佐々木先輩と海老沢先輩は、正気の顔に恐怖と落胆の色を浮かべて叫び声を上げたあと、大きく床に泣き崩れ
た。

「どうやら快楽とショックで束縛からは逃れられたみたいね」

泣き崩れる二人を目にした僕は、思わず駆け寄らずにはいられなかった。

「先輩たち、もう終わったんですよ。これは悪夢だから.....」

そう言葉をかけて沙也ちゃんに目配せすると、一瞬まったくもうと言う顔をした彼女が顔をしゃくり上げて促した彼女たちの方
を見てみると、既にそこには世の男たちを魅了する二人の美しい裸体があった。
ポカンと口をあけて見とれている僕のチンコを、後ろから伸びて来た沙也ちゃんの長ーいてがぎゅーっとつかむと、彼女の方へ
引っ張り戻されてしまった。

「いててて...もうちょっと優しくできないかなぁ」
「健二は、誰でも良いのね...ちょっとおかんむりですっ」

その瞬間、僕のチンコは小学生並みになってしまった。
同時に、二人の先輩はいつものようにエレガントな服装に戻され、沙也ちゃんとアイコンタクトをとったと思ったら空気の中に
とけ込むように消えていった。
112
2010/07/13 12:38:49 (FVHXx4Xx)
健二です。

自覚しながら魔法をかけてもらった事がありますか?
以前の投稿にも書きましたが、相手にこれから魔法をかけるよと宣言されてかけられたとしても、自分ではどうにもならないの
が魔法なんだと改めて実感しました。
自分でも理解できない状況に一瞬で変わってしまったり、さっきまでの思考が一瞬で別な考えに変わってしまうのにそれらを瞬
時にはおかしいと理解出来ないのです。
魔法をかける側にすれば、一瞬で変えてしまうよりじわじわと変えて行こうと思えばそのとおりに出来る訳だし、その変化魔法
を人にかけた時に痛みなどの感覚を伴うかどうかも思いのままなんだそうです。
でも、もし魔法を使う宣言もなしに自分に何らかの魔法がかけられたとしたら、それを「運命」と受け取ってしまうのではない
かという考えに行き着いた時は正直ゾッとしました。


沙也ちゃんが意外とエッチで、意外と容赦のないいたずらっ子的性格だと言う事を思い知らされた朝、僕たちは連れ立って大学
へと向かった。
と言ってもここから大学まではほんの30秒、なんせアパートを出ればそこが構内という好立地?なのだから、講義開始時間の
15分前位まで彼女の家のダイニングで美味しいコーヒーに舌鼓をうちながらくつろいでから出て来た。
3号棟の前を歩いていたとき、向い側の学食の前から隆が1人で手を振りながら僕を呼んでいるのに気がついた。

「おはよ、健二、沙也ちゃんは今日もキレイだね、ご機嫌で...?」
「おはよう、隆君」

沙也ちゃんに絡む挨拶は、本気なのかカラカイなのか...知り合った頃は後者の様だった気もするが、ここ2、3日で大学内でも
目立った存在となってしまった今となっては、ほとんど目が泳いでる状態で会話するから本気なんだろう。

「隆、今日は一人なの?」

そう返した僕に、隆は沙也ちゃんを避けるように後ろから僕の肩に手を回してひそひそと話しかけてくる。

「ちょっと相談があるからさ、つき合えよ、サーヤ抜きで話したいんだけど...」

その様子を見ていた沙也ちゃんが、すかさず会話に割り込んでくる。

「あんたたち、何かまた怪しい相談でもしているんじゃないでしょうね」
「そんなんじゃないよ、男にはね、女の子に言えない深ーイ悩みが発生する事も有るんだよ」

僕の首に廻した腕を振りほどいて沙也ちゃんに食ってかかる隆を横から見ていたとき、その悩みがなんだか僕には解ったのと同
時に、思わず吹き出しそうになってしまった。
なぜなら彼女に話す事に夢中になるあまり、隆は無意識に何度か自分の又の間をズボンの上から凄い勢いで掻く作業に追われて
いたからだ。

「じゃあ、途中からでもいいから講義に顔出しなさいよ。健二君は昼の学食オゴリ1回で貸してあげるけど、ちゃんと返して
よ!」
「ナマ言うな! 俺の方が健二との付き合い古いんだよ!」

笑いながら会話を返している間にも、隆はチョロチョロとまたの間を掻く。
原因を作った沙也ちゃんは知らぬ顔の半べえを決め込んで講義のある2号館方面へと歩いて行ってしまった。
沙也ちゃんが視界から消えたのを確認すると、さっきまで元気一杯に沙也ちゃんとやり合っていた隆の声が急にトーンダウンし
た。

「健二、チョット学食で話そう」

そう言って時々瞬間的がに股になりながら、午前中でまだそんなに学生のいない学食へと急ぐ隆。
何組か喫茶メニューを楽しんでいる学生のグループから一番遠い所に座った隆が、正面に座るように僕を促した。

「健二、お前は貰わなかったか?」

僕は笑い出しそうになるのをこらえて、きわめて平然を装って答えた。

「貰ったって...何を?」

その反応に一瞬「あれ?」という顔をしていた隆が、更に顔を近づけ消え入る様な声で僕に言った。

「インキンだよ...お前は貰わなかったのか...」
「インキンって、誰に?」
「お前も一緒に行っただろ...駅前の風俗でだよ」
「インキンって、風俗で感染するの?」

その答えに、「あーっ、もう煩わしいっ」と1回又の間を両手で掻きむしってから、再び顔を近づけてきた。

「変だとは思うんだけど、ヒロも直也も貰ったらしい...」

原因を知ってはいても、「えっ」と驚いてみせる。

「でもおかしいんだよな、あれから一日でこんなに成るわけないって感じなんだけど、3人一緒だからな」
「病院には行ったの?」
「ああ、俺は恥ずかしいけどすぐに行った...だけど...」
「だけど...?」

隆はひと呼吸置いて再び股間を掻きむしってからこっちに向き直した。
その行動と、沙也ちゃんの意地悪ないたずらについに僕は笑ってしまった。

「笑うなよ~。で、病院行ったら何でも無い、清潔にしてくださいって薬もくれないんだ...」
「だって、そんなに痒いんだろ」
「それが、病院で先生や看護士さんの前で脱いで見せるとなんともないんだよ、だから余計に変な目で見られて...」

そこまで聞いて僕はついに大爆笑してしまった。
静かに喫茶タイムを楽しんでいた学生の何人かが、怪訝そうな顔でこっちを振り向く。
それにしても沙也ちゃんの魔法は、改めてイジワルだ。

「笑って....ごめん...それで薬は...」
「処方してもらえなかったから、ドラッグストアでかゆみ止め買って塗ったら、今度はしみるしみる。あんまり付け過ぎてケツ
の穴までスースーになっちゃって最悪だよ」
「そんなにひどいのか?」
「見せてやりたいけど、多分健二にも...解らないだろうな....」

そう言うと隆は一度周りを振り替えり、近くに人がいないのを確かめてからズボンのベルトを緩め、チャックを開けてからパン
ツのゴムを自分の体の前の方にグーっと伸ばしてから僕に覗き込むように目で合図を送って来た。
僕も周囲を確認してからおそるおそる覗き込むと、見るからに痒そうにピンク色に変色した皮膚の中心部付近に別の生き物のよ
うに白くなってジクジクした部分が広がっていた。
しかしそれ以上に驚いたのが、大人のサイズのチンコなのに本体と同じくらいの長さの皮が先っぽにぶら下がっていた事であ
る。
一言で言えば「もの凄い包茎」
これではオシッコもそこら中に飛び散ってしまって大変だろう。
ちょっと見るのが辛くなって目を外して隆にこう言った。

「凄く...痒そう...」
「お前、見えるのか!」

そう言いながら、隆は自分のパンツの中と僕の顔に交互に目をやった。

「うん...それにそのチンコも...」

そう言った途端、隆はパンツのゴムを放し、チャックをあげて急いで身支度を整えて僕の隣に座った。

「あれも...見られちゃったか...インキンだけならまだしも...突然ああなっちゃって...死にたいよ」

落ち込む隆に、努めて明るい声で返した。

「確証は無いけど、必ず元に戻るって...そんな気がするんだ」
「やっぱり健二は良いやつだな、お前に言われるとそんな気がしてくるから不思議だよ」

そこへ、学食の入り口のほうからドヤドヤとヒロと直也が連れ添ってやって来るのが見えた。

「あのチンコのこと...内緒にしといてくれな。。」

隆の頼みに、僕は軽く「ウン」と頷いた。

「講義出たら、サーヤがここに二人がいるからって」
「抜け出して来たっていうわけさね」

そういいながらも、交互に微妙にまたの間を気にしているのが解る。

「お前らはどうなのさ」

隆が切り出すと暫く口ごもっていた二人だったが、意を決したように又の間をボリボリ掻きながらヒロが口火をきった。

「俺...同級の医学部に行ってる友達に相談したら、見せてみろって。で、さっきそいつに合いに行って研究室で見せようとした
ら...」
「何でも無かった...だろ」

そう隆が口を挟んだ。
それに対してヒロが小さく頷く。

「で、直也はどうなんだ?」
「俺は...ちょっと人に見せられる状態じゃないから....」
「そんなにひどいのか?」

すると、直也はヒロと隆を順番に見つめてから

「状態は多分お前らと変わらないんだと思うよ...ただ...」
「チンコが見えなくなっちゃったとか?」

隆がそう切り出すと、沙也ちゃんに魔法で小学生サイズにまで小さくされてしまったヒロが微妙に反応するが、直也は気にする
事無くゆっくりと首を横に振る。

「ちょっと、今は言う気にはなれないな...」

一瞬固まった空気が4人を支配したが、重い沈黙を隆が破る。

「人に見せようとすると何でもないのに、さっき俺が健二に見せたら、こいつはちゃんと認識してたぜ」

その言葉にヒロも直也も「えっ」という顔をして反応してみせた。

「みんな、大丈夫だよ。さっき隆にも言ったけど、すぐに治ると思うよ...何の保証もないけどさ、大丈夫だよ」

するとヒロがちょっと安心した顔をみせる。

「不思議だよ、人に見せるとなんでもないのも、健二の保証の無い安心感も、両方が理解不能だな...」

続いて直也も重い口を開く。

「俺の場合は...人に見せるなんて状況には無かったから...もしここで脱いで健二に見せたら、多分気絶すると思う...」
「そんなにグロいのかよ...」

再び隆が割って入ると、悟った様な表情でため息を一つついた直也が答える。

「その...匂いで...........洗っても洗ってもダメなんだよ。さっきだって男子便所で小便したら、個室に入っていたやつが凄い勢
いで出てきて、洗面所で「ゲェーっ」って....もう、助けてよって感じだよ」

知られたくない秘密を吐露できた事と、僕も含めて悩みを共有できた事に安心したのか、その場の空気はだいぶ和んだものに
なっていた。
僕はというと、自分だけ軽いお仕置きで済んだのに、いつもつるんでいたこいつらがこんなに落ち込んでいるのを初めて見た
し、男としてこの沙也ちゃんの魔法は例え一週間の期限とはいえ相当キツいなと思ううちに、悲しくも哀れみの気持ちで一杯に
なってきてこみ上げるものが有った。

ふさぎ込む3人をなだめている時、突然頭の中で響く沙也ちゃんの声を感じた。

(いやだ、健二君。すごーく目立ってる。優しさのエネルギーがいっぱいに溢れてるみたいだから気をつけて。そんなに心配さ
れたら、沙也も凄く悪い気持ちになっちゃう。とりあえずごめんなさい。この講義が終わったらそこへ行って3人を元に戻すか
ら、とにかく今は安心して哀れみの気持ちを隠してね)

沙也ちゃんならすぐにここに来て、いや来なくても魔法で彼らを元に戻すくらい簡単なはずなのに、講義が終わってから直接来
てだなんて妙な所が真面目だから、魔法の使える人の心理も難しいなと考えつつ彼女が約束してくれた事による安心感で肩の荷
が降りた気がしていた。

少し落ち着いた様子の3人と努めてたわいのない会話を交わしているとき、その3人越しにこちらの方へ近づいてくる2組の学
生グループを認識した。
こちらの様子をうかがいながら近づいてくる一つは女性の3人組、もう一つは何やらトレーニング中と言った様子の柔道着とレ
スリングタイツを着た男たちの4人組だった。
先に近づいて来た3人の女の子たちは、キャッキャとした会話をしながら僕たち4人の様子をうかがっていたかと思うと、1人
が前へ出て隆に向かって話しかけてきた。

「ねえ、隆君だっけ、恭子から聞いていると思うけど、私たちが協力するから恭子とよりを戻す気はないの?」

そう話して来た女学生を僕は知っていた、いや、ここにいる全ての学生が知っているだろう。
4年生の藤森彩香は、昨年の学祭でミスキャンパスに選ばれ、4年になった今年は既にテレビ局から内定を貰っているともっぱ
らの噂の才色兼備な超有名人である。
そんな彼女が隆の別れた元カノの知り合いだからと言う理由でこのタイミングに現れるのも解せなかった。
隆は藤森とその友人たち二人を一瞥すると、不機嫌そうに言葉を口にした。

「恭子に言っといて、俺も悪かったけど、ヒロに迷惑をかけた事が許せないって」
「だから、それを話合いたいって恭子は言ってるの。ヒロ君だっけ、あなたにもちゃんと謝るからって言ってるから、お願いだ
から二人で付いて来て」

その様子を見て「修羅場だなぁ」僕に耳打ちしてきた直也に、今度は男の野太い声が語りかける。

「直也君、もうそろそろいい返事を聞かせてくれないと、今度の大学対抗に出られないんだよね」

こちらは、一度直也が冷やかし半分で顔を出してスパーリングをした総合格闘技サークルの勧誘のようだ。
確かに直也は体格も良いし、格闘技好きが嵩じてスパーリングでも抜群の強さを見せたらしい。
ただし、隆とつるんで草食系を自認する今となっては、おだててもなかなか木に上りそうにない。

「今日は、先輩がとにかくもう一度直也君と話がしたいとの事で、どうしても同道ねがおうと言う心構えで来ました」

なんだ、自分も修羅場じゃないかと隆の方を見てみると、そちらはそちらで藤森様御付きのお二人とヒロと隆で大口論中。
静かだった学食が一気にざわめき出して結構不穏な空気となっていた。
とにかく場をおさめようと騒がしく口論している方に振り向いたその時、僕の呼吸は止まった。
自分から10センチほどの距離の所にあの藤森彩香が立っていたから。

「あなたが健二君? 確か星野沙也ちゃんの彼氏よね、今年彼女はミスコン出ないのかしら。今、私たちの間でも彼女が出る出
ないで盛り上がっているのだけど、出るのなら相談にのるからあなたも一緒に来て」

そう言って僕の手を取る藤森先輩。
なんでこんな展開になるのかと冷静さを装おうとしているが、彼女の色香にどうかなりそうになる。
すると突然、反対側の手がぐっと握られ、藤森先輩の手から僕を引き離した。
沙也ちゃんだった。

「先輩、申し訳ありませんが、私はミスコンに出るつもりは有りませんので失礼させて頂きます」

一瞬、きょとんとした藤森だったが、その顔に新たに敵対心が浮かび上がったのが僕にはわかった。

「そう、まあとにかく今日は恭子の話だけでも付けないと...さあ、隆君、ヒロ君行きましょう」

そう言って隆とヒロの口論の場へ入って行った藤森だったが、そこは既に落城寸前の状態だった。
頑に突っ張っていた二人だったが、モデル事務所にも所属している二人の懐柔策に既にでれでれ状態だった。
逆に直也の方はと言うと、屈強な男たち4人に両腕を抱えられ、今にも強制執行が始まりそうな緊張感が張りつめていた。

「なんとかしないと...」

そう呟いた僕に、沙也ちゃんが耳元に口を近づけてまで小声でささやく。

「この7人には、魔法の痕跡を感じるの。さっきのあなたの力を感じて外へ連れ出そうとしているみたい」
「そんな...」

沙也ちゃんの言葉に絶句するしか無い僕。
まだ知り合って4日しかたっていないのに、もうこんな事に巻き込まれるとは。

「でも、私が忠告してすぐに健二くんの力の痕跡が消えたから、この4人のうちの誰なのか特定できていないみたい。
それに、こんな手を使ってくるのだから、相手は人間...」
「魔法の使える?」
「そう、何かしらの理由でね。魔法使いだったら、その場で健二君を同定して魔法で呼び寄せるか、私やその他の邪魔者を消し
て何も無かった事に...そんな事は考えたくないけれど、彼女たちの精神そのものまで変えた様子ではないから...今、魔法を使っ
ていないから確信は持てないけどね」

どうして魔法を使ってこの事態を解決してくれないのか聞こうとしたその時だった。

「いい加減に観念しろ!」

大きな声と共に、ほぼもみ合い状態になっていた直也が引きずられる様に連れ出されそうになっていた。
同時に、隆とヒロもふらふらっと女の子たちに支えられるように出口方向へと向かって行く。

「沙也ちゃん、どうしよう...」

この期に及んでも、まだ沙也ちゃんは魔法を使うのをためらっているみたいだった。

「健二、健二!、俺の、オレのズボンを....」

そう叫んだ直也の声に、はっと気づいた僕は格闘技同好サークルの4人の間に割って入り、息を止めながら一気に直也のズボン
とパンツを引きずり下ろした。

「ぐえ~ 何だこれ。おえっ」
「うおー、目が痛い! げええーっ!」

直也の直近にいた4人は、突然の激しい嘔吐に見舞われ床を這いずり回っていた。
隆とヒロ、そして女の子二人は胸を押さえてしゃがみ、藤森先輩もハンカチを口に当てて咳き込みながら出口へと向かってい
た。
喫茶タイムを楽しんでいた他のグループたちもすぐに外に飛び出し、昼食の準備で忙しいはずの厨房からは「早く原因を探せ」
との怒声とともに一気に喧噪が増していた。

してやったりの笑顔を浮かべた直也は、隆とヒロを両肩で抱きかかえ既に出口に向かっていた。
僕はと言うと目のシバシバ感に耐えながら息を止めたまま沙也ちゃんの元に駆け寄る。
すると彼女は涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔のまま笑いが止まらない状態でテーブルに突っ伏していた。
急いで彼女を抱きかかえて、僕も直也の後を追い表へと出た。

外で合流した僕たち5人は、逆に人気の一番多い噴水のある中央広場のベンチへと逃げて来た。
学食の方は、突然の異臭騒ぎでまだ騒然としているようだが、ここにはそう言う事には無関心な学生たちが十分な人数でたむろ
していた。

「あははは....健二君ナイスプレイ!」

あまりの出来事に未だに笑いの止まらない沙也ちゃん。

「それにしても自分の魔法でここまで被害を被るとは思っても見なかったわ」

ハンカチで涙を拭きながら思い出し笑いを繰り返す彼女に思い切って聞いてみた。

「どうして魔法を使わなかったの?」
「どんな相手かが判らなかったから、それにあの場で私が魔法を使えば私が魔法使いだって相手に知られる可能性があったの。
もし知られてしまえば、健二君が目標と言うのを悟られる事にも繋がるし、私の魔法を封じながら不意打ちで私を消してしまう
可能性も出てくるの。だから迷っていた」

沙也ちゃんが「消される」なんて今の僕には想像もできない。

「でも、魔法の痕跡が判るのなら、かけた本人を魔法で特定することは...」
「難しいわね...空間的に離れた場所からかけられた魔法ならどんなに離れていても相手がそれを望んでいなかった場合なら瞬時
に特定できるでしょうけど、普通は知られたくないと思う魔法の効果に守られているから。あの場合は既に皆魔法にかかってい
たみたいだったし、魔法そのものはたいしたものではなかったけど、必ず効果を監視している魔法場があそこには有ったはずだ
から、そこで魔法を使えばよほど複雑に思考防御していない限り、特定されたでしょうね」

そこまで話した時、放心状態から回復して聞き耳を立てていた隆が割ってはいってきた。

「沙也ちゃん、さっきから聞いていて全然意味判んないんだけど...」

その問いにヒロも直也も真剣なまなざしを向けてくる。

「意味が判らなくても、私は魔法が使えるの。それだけ!」

暫くポカンとしていたヒロが、何かを悟ったように沙也ちゃんに聞いた。

「それじゃあ、もしかして俺たちのチンコが痒いのは...」
「そ、私の魔法」

こともなげに言ってみせる沙也ちゃんに、今度は直也が訪ねる。

「じゃあ、オレのがこんなに臭いのも....」

それに対してにっこり笑って頷いてみせる沙也ちゃんに、今度は食ってかかる直也。

「てめえ、ブス、いい加減にしろよ。早く直せ!」
「きゃあ、か弱い乙女でございますぅ」

とおどけてみせる沙也ちゃんだったが、「ちょっと待って」と真剣なまなざしで皆を制止すると、目をつむってあたりを伺うそ
ぶりを見せた。
その態度に直也もこわばった表情であたりを見回し、身構えていた。

「大丈夫みたいね、もう気配はないわ、さあ、3バカ、受けてたちますよん」

そう言われて安心したのか、いの一番に直也が立ち上がり

「じゃあもう一度オレの匂いを味わってもらおうか!」

と言うが速いが、ベルトを外してズボンを脱ごうとするが

「もう結構でございますわ」

と沙也ちゃんが言った瞬間にその途中のままの姿で固まってしまった。

「おい、これもサーヤのしわざか、しゃらくせえー、うーん! ガー」

かけ声は勇ましいのだが、ぴくりとも動けない。

「おーおー、魔法に挑もうなんて、何と勇ましい直也ちゃんでしょう。あんな所にダーリンを連れて行ったからこーなったの。
でも、沙也もちょっと反省したからあそこはもちろん元に戻してあげるけど...」

さっきまでもの凄く力の入ってる顔をしていた直也だったが、今はなぜか上気していて声も出ないみたいだ。

「直也君、勃起すると意外とかわいいんですねぇ」

その言葉に改めて直也のズボンを見てみると、いつの間にかテント全開状態になっていた。
どうやら沙也ちゃんの魔法で強制勃起させられて言葉も無いらしい。

「他の二人も可愛くなっちゃうかな?」

そう目配せしたとたん、ベンチに腰掛けていたヒロと、芝生に座っていた隆が「あれ、あれっ」「なんだ、ああっ」
と声を上げながらゆっくり立ち上がり、直也の隣に立たされて同じように固まってしまった。
もちろん前は二人とももの凄いテントを張っている。
こういう所に沙也ちゃんのエッチさ加減を感じるのは僕だけだろうか。

「さあ、3人とも用意いい? 合唱祭に向けてのコーラスの練習をしましょうね、まずは直也君! ハイ ドー」
「なに言ってんだー サーヤー あれー 何だこの声ー」

それを聞いて思わず吹いてしまった、直也の声は何を言っても「ド」の音階になってしまっていたのだ。

「次はヒロ君で、ハイ ミー」
「やめてくれー あれー 変だー」
「最後は隆ちゃんね、ハイ ソー」
「ふざけんなー てめー 健二ー 笑うんじゃねー」

皆がそれぞれ文句をいうのだが、3人同時に喋ると完璧なCの和音になるから、もうおかしくてしょうがない。

「さあ、いよいよ歌ってもらいますよー みんな気持ち良く歌ってもらう為に先生ちょっと工夫しましたからね。さあ、準備し
て!」

そう言うと3人とも腕を後ろに組んで胸を張った良い姿勢にされてしまった。
ただし、ズボン前がテントを張っているが。

「まず直也君、こう...かな?」

と言いながら、沙也ちゃんがくちからペロっと舌を出すとそれに合わせて直也が「ああー」と「ド」の音でよがる。

「うーん、じゃあ、こうね」

と今度は少し口を開けてその中で舌を大きく動かした

「ああーっ」

さっきより立派な声、いや音で直也がよがるのを聞いて沙也ちゃんは満足げに

「これで行きましょう、じゃあ、この刺激がずーっといくわよー ふうーっ」

と直也に向けて息を吹きかけると、リズミカルに「ド」の音でよがり出す

「ああーっ ああーっ ああーっ ああーっ」

こういうのを目の当たりにすると、沙也ちゃんて本当にエッチないたずらには天才的なものがあるとは思うが、こんな目立つ所
で無限に感じさせられる事を想像すると、ちょっと身の毛がよだつのと同時に魔法のかけ方に多少の嫉妬を覚えた。

そうしているうちにも、既にヒロも隆も魔法でフェラ並みの快楽を与え続けられ、それぞれ「ミ」と「ソ」の音でよがり続けさ
せられていた。

「ああーっ ああーっ ああーっ ああーっ」
「ああーっ ああーっ ああーっ ああーっ」
「ああーっ ああーっ ああーっ ああーっ」

それにしても、端から見ると真剣に発声練習をしているとしか思えないから不思議である。

「それではクライマックス、行くわよー」

彼らのよがりに合わせて手を振っていた感の有る沙也ちゃんだったが、今度は手のフリに合わせて強制的に強烈な快感を送り込
むスピ-ドを上げて行った。

「ああ”ーっ ああ”ーっ ああ”ーっ ああ”ーっ」
「ああ”ーっ ああ”ーっ ああ”ーっ ああ”ーっ」
「ああ”ーっ ああ”ーっ ああ”ーっ ああ”ーっ」

多分沙也ちゃんのことだから、僕の時と同じように彼らの鈴口を全部塞いじゃって射精できなくしているのだろう、心無しか、
叫びに近い声が混ざるようになって来たように聞こえるのだが、音程が正確なため、それは迫力となって聞くものを圧倒した。

そして沙也ちゃんが大きなアクションで両手を広げ、一斉に振り下ろすと、僕には断末魔としか聞こえないハーモニーが構内に
響いた。

「あああ”~~~~~~~~~~~~~~~」
「あああ”~~~~~~~~~~~~~~~」
「あああ”~~~~~~~~~~~~~~~」

顔が紅潮し、焦点の定まらない目がグルグル回転している所を見ると、今まで押さえつけられていた射精が延々と続いているよ
うに思えた。
そして、沙也ちゃんが広げた手のひらを力強く握った瞬間に終演は訪れた。
その場にドカッと崩れ落ちた3人は、息も絶え絶えになりまだ芝生の上でそれぞれにピクピクしていた。

「すごーい、みんな最高ーね」

自分のいたずらに感激したのか、子供のようにはしゃぐ沙也ちゃんに遠巻きに見ていた何人かの学生が拍手を送った。
調子に乗ってそれに向かってお辞儀をする沙也ちゃんを今は微笑ましく思えるが、その魔法の矛先が向けられた3人は人ごとで
は済まされない状況だろう。

僕は息が整い始めてきた3人のそばに寄ってありきたりの言葉をかけることしか出来なかった。

「大丈夫...」

ふうーと大きく息を吐いて、まず隆が答える。

「沙也ちゃんとつき合っているお前が、偉大な人物に思えて来たよ...」

ヒロと直也も息を絶え絶えにしながら目線をこちらに向けてきた。

「なあ健二、俺たちがサーヤって可愛いと思う気持ちも、魔法なのか?」
「うん、凄く気さく仲間だと思えるもんな...」

その問いかけに隆も大きく頷く。

「みんな大事な友達だよ...でも、ごめんなさい。やっぱり...」

言葉を詰まらせた沙也ちゃんの後を、隆が紡ぐ。

「俺たちに魔法をかけて、サーヤが魔法使いってことは忘れさせちゃうってシナリオだろ...」

ゆっくり頷いた沙也ちゃんが先を続ける。

「本当は、みんなに知ってもらって、この5人だけの秘密にする事でもいいのだけど、今日あんなことがあってみんなを巻き込
みたくないから...あんまり知り合った人の記憶を操作するの好きじゃないけど、私が魔法使いと言う事も打ち明けたかったのも
事実。でも...これからも私たちは親友だから、心配しないで...私と居ると、少し変な事が有るかもしれない不思議な関係は続い
て行くの...」

そう言い終わると、沙也ちゃんは両手で顔を覆ってしまった。
それを見てゆっくり起き上がった隆が呟く。

「健二が守ってやらないと、沙也ちゃん自分で消えちゃうかも知れないぜ...なんてね、おれ、かっこいいべ!」

照れておどけてみせる隆の目に涙が浮かんでいたのを、多分僕は一生忘れない。

「さあ、サーヤ、失敗すんじゃねーぞ、やるんならすっぱりやっておくなせい!」
「おう、おれも覚悟はできてんだ、さあ、早いとこやっておくんな!」

それにしてもみんな、魔法使いの登場するアニメの最終回見過ぎって感じたのは、この時は多分僕だけだったのだろう。
意を決して立ち上がった沙也ちゃんが口をひらいた。

「あー、いつまでも3バカの相手はしてられないから、健二君帰ろ!」

それを聞いた3人が一斉に立ち上がる

「何言ってんだよ、自慢じゃないけどこの間まで4バカで通ってたんだよ!」
「健二、なンとかその女も馬鹿の仲間に入れて5バカってどうよ!」

そう強がっていた二人だが、どうも股間が気になる様子。
当たり前である。インキンは治ったが、大量の射精でベトベトの冷え冷えなのだから。
ただ、最後のヒロの一言に、僕らはノックアウトを食らう。

「サーヤ、そんな小学生みたいなポコチンの何処がいいかなぁ~、まあ、飽きたらいつでも相談にのるぜ!」

30分くらい前までその事で死ぬほど悩んでた男に言われたくないやと言う思いがおそらく沙也ちゃんにも伝わって、二人は思
わず顔を見合わせて笑った。

今日はここで3人と別れて、再び沙也ちゃんのアパートにお世話になる事にして歩き出した僕らの前を、藤森彩香たち3人が横
切って行ったのだが、一瞬曇った沙也チャンの顔を僕は見逃さなかった。

「やっぱり、直也君の匂い攻撃で他の7人の魔法は霧散したのに、彼女だけは残っている。でも、彼女は魔法使いじゃない...誰
が彼女を操っているのか...油断は禁物ね」

そう沙也ちゃんが教えてくれた数秒後、藤森先輩は僕らの方を見てにっこり笑ってくれた。あの沙也ちゃんに向かって敵対心を
感じさせた不気味さを微塵も表に出さずに。

「僕に魔法をかけてその力みたいなものが見えないと言うか、感じられないようにする事は出来ないの?」

その問いに難しそうに沙也ちゃんが答える。

「魔法の源に魔法は効きません。効くのだったら魔法でいくらでも作れるでしょ? 愚問...」

そんなものなのかなと不安を抱く回答だったが、今日の窮地もみんなで乗り切った事に妙な自信を感じていた。
113
2010/07/12 04:25:42 (qS5c6k8F)
健二です。

沙也ちゃんに告白され、いろいろな意味で驚きの体験を重ねているのですが、正直自分がこれからどうなって行くかの不安な気
持ちも大きくなっている事に多少戸惑いも感じています。
ここまでの数日で激変して行く自分の周囲に対して自分自身の事に目を向けると、何も変わっていなはずなのに「力」があると
か、その力が「目立つほどに増大」しているとか言われても、自覚する事すら出来ないでいます。
もしかして沙也ちゃんは僕を通じてその「力」を邪悪なことに使おうとしている存在を知らしめるためにここに投稿させている
のではないかとさえも勘繰りたくなります。
個人的にはそんな面倒な問題に巻き込まれたくはないのですが、やはり少し怖くもあります。


沙也ちゃんと初めて結ばれた翌朝。
この日目が覚めた僕は、いつもと違う部屋の風景に多少の戸惑いを覚えた。
しかし、昨晩の事を思い出すのにそれほど時間はかからなかった。
なぜなら、心地よい疲れを伴ってはいるが、体中に残るめくるめく快感の余韻がそれが純然たる事実だと認識をもたせてくれて
いるのと共に、さわやかな寝覚めを提供してくれていたからだ。
昨晩、処女を失った(で有ろう...と僕は思っている)沙也ちゃんの姿はすでにこのベットルームにはなく、洒落たドアで仕切ら
れたダイニングの方から、何やら支度をしている様子が伺えた。
「彼女」と言える存在を得られたのと同時にお互いの初体験を分かち合えた喜びもひとしお、初めてとは思えない究極の快感を
彼女が与えてくれた事を思い出すと、あんなに疲れていたはずの僕の分身がまたぞろ大きくなってしまうのを止める事は出来な
かった。

「健二君!」

ダイニングの方から少し怒こった様な声が聞こえて来た。

「朝からエッチな想像はそれくらいにして、顔でも洗って来たら?」

その瞬間、最大限の勃起を迎えようとしていた僕のチンコは、一瞬で朝顔の蕾み位の大きさに変わってしまった。
中学生の時の水泳の授業の後でもあるまいに、今更こんなのは情けない。
どうやら沙也ちゃんの機嫌をとらないと元には戻してくれなさそうだ。
気を取り直してパンツを履きなおし、Tシャツに袖を通してダイニングへと顔を出す。

今日も一日良い天気に恵まれるであろう事が想像に難くない快晴の海岸線の風景を映し出す大きな窓から溢れる光の中で、昨日
よりさらに、確実に美しさを増している沙也ちゃんがホットパンツにちょっと大きめのTシャツ姿でキッチンに立っていた。

「お・は・よ。朝食を用意するから、一緒に大学行こ? ボサッとしてないでサッとシャワーでも浴びたら? 健二君用のアメ
ニティー、洗面所のところに用意してあるから...」
「あ、うん、でも今日はいいかな...」

忙しそうに支度をする沙也ちゃんの後ろ姿にも愛おしさを感じつつ、チンコの事を流されてしまった僕はけだるさからシャワー
を浴びるのはやめることにしてそれ以上会話する事もなく洗面所とバスルームの有る方へ行くしかなかった。

「シャワー浴びないと、汗臭いでしょ...不潔」

そう言われたものの、透明なガラス製の大きな洗面台の横に真新しいタオルやハミガキセットからドライヤーまで用意してくれ
た沙也ちゃんの優しさに自然と笑顔になっている自分に気がついた。
が、とりあえずトイレを済ませてからともう一つ扉をくぐる。
そこは、彼女に魔法が使えると告白されたあの日のままだった。
女の子の一人暮らしのはずなのに、ちょっとしたホテルのロビーように男女に分かれ、なおかつ男用の小便器まであるこの場所
で魔法にかけられ、まるで小便小僧のオブジェのようにオシッコを噴射させ続けられた事を思い出した僕の顔は、笑顔から苦笑
いに変わっていたに違いない。

「でもこれじゃあ、本当に小便小僧だな。。」

パンツのなかから指先でつまみ出したチンコは、今や彼女の魔法でやっとそこから顔を出す程度のものに変わっていた。
「ハァ~」と短いため息をついて昨日からの事を思い出しながら朝一番の用を足そうと小便器の前に立ち、ゆっくりと目をつ
むったのだがすぐに異変に気づく。
気分良く放尿を始めたつもりだったのだが、便器に流れて行く音がしない。
それどころか、チンコの先の方に痛みさえ感じる。
慌てて目をおろして見ると、朝顔の蕾み状態だったチンコの先っぽが大きく膨らんでいるではないか。
包茎なんて状態ではない。
先が閉じられたソーセージのように、いや、閉じている場所もない状態でチンコの皮がテニスボールのように膨らんでいて、そ
れが放尿とともにどんどん大きくなって行くではないか。

「うわ、うわーっ!」

慌てて止めようと思っても、一度始めた放尿は止まらない...というか止められない。
既に放尿の快感は無く、薄く血管の浮き出たチンコの皮が延びながら多少の痛みを伴って益々大きくなって行く。
ついにサッカーボール大の大きさになったところでようやく放尿は止まったが、そんなものを又の間にぶら下げて歩く訳にもい
かず、
僕はただ呆然とパンパンに膨らんだ自分のチンコを男性用小便器の上に乗せたまま、そこから一歩も動けなくなってしまった。

「沙也ちゃん...助けてよ...」

弱々しくうめく事しか出来ない僕は、背後に感じた人の気配に哀願した。

「朝からエッチで不潔な健二君、ちょっとは反省したかな?」

妙に明るい様子で語りかける沙也ちゃん。
意外とイタズラ好きの彼女の性格は、可愛くも有るしうっとおしくもある。
それで魔法使いなのだから始末に負えない。

「わかったよ、シャワーを浴びて行くから、コレをなんとかして...」

おそらく恐ろしく情けない顔をしていたであろう僕の横に回り込んで、愛くるしい笑顔で自分のかけた魔法の結果を覗き込む沙
也ちゃん。

「健二君のオチンチン、立派よね。」
「こんなので立派もしょうがないでしょ! 早く戻して」

お願いする僕の顔を真顔で覗き込んだ沙也ちゃんが答える。

「今まであまり気にした事はなかったのだけど、健二君の彼女としてあんまりだらしない姿を見せたくなくなったの。だから、
魔法で少し...」

たしかに、ここ数日の沙也ちゃんの変わり様といったら見違えるようだと言う言葉がこれほどまでにふさわしい状態はない感じ
がする。
出会った頃の沙也ちゃんだったら、他に女の子が5人もいればほぼ目立たなかっただろう。
でも、今の沙也ちゃんは他に1万人女の子がいても、1万人の男が間違いなく認識するであろうと行っても過言ではない。
沙也ちゃんは沙也ちゃんのままである事は確かなのだが、以前と今とを比べるとすると確実に違うのである。

「でも、健二君にもちゃんとしてて欲しいの。だから、もう少し自分にも気を使って...」

そう言えば以前隆が女の子とつき合い始めた頃に「女ってカノジョになると突然女房づらするんだよね」と言っていた事が思い
出されたが、コレもそんな所か。

「解った、シャワー、浴びるよ...」

そう答えると沙也ちゃんの顔が自然な笑顔に戻る。

「じゃあ、ちゃんとキレイキレイになって来てね!」

言うが速いが唐突に僕の頬にチュッと口づけする。
その瞬間、便器の中で「パン」という音とともに僕のチンコが破裂すると、バシャッという音を立てて開放された大量のオシッ
コが便器に跳ね返り、僕は自分のものを浴びる結果になってしまったのだが、もちろん沙也ちゃんの姿は既に消えていたのだっ
た。

アクリル製の重厚なシャワーヘッドからあふれるたっぷりとしたお湯に打たれながら自分の体を流し、さっき思い出した隆の言
葉に付いて考えていると、女の子って複雑な上に面倒くさいんだなという認識を持たずにはいられなくなっていた。
昨日隆たちとの別れ際に直也が「あんな跳ねっ返り相手にしてたら、命がいくつ有ってもたりないって....」と言っていた事も
思い出し、意外とそのとおりだとも思うと同時に慣れない朝シャンなんかしている自分を可笑しく思うも、面倒臭さがつい口を
ついて出てしまった。

「沙也ちゃんて、意外とウザイ所あるのかなぁ...魔法できれいにしてくれれば良いのに...」

そう呟いた刹那だった。
手にしていた硬質のシャワーヘッドがぐにゃりとした感触にかわったと同時に、あの強制的な排尿感が襲って来た。
さらに頭から浴びていたお湯にかすかな塩分を感じる。

「えええ~っ」

アクリル製だったシャワーヘッドは肌色に変わっていて、メタル製だったものとそっくり入れ替わっていたホースの根元へ目を
運ぶと、そこは自分の股間へと繋がっていた。
つまり、僕は再び自分のものを浴びるはめになってしまっていたのだった。

「冗談キツいよ...」と自分に向けていた5メートルはあろうかというチンコを床に転がし、大きくため息をつくと今度は一瞬で
視界が真っ白になった。
手で顔を拭うとどうやら全身きめ細かい泡に包まれているようだった。
もう放尿感は無い。
磨りガラスの向こうからクスクスと笑っている沙也ちゃんが話しかけてきた。

「魔法にたよらずに、自分できれいにして来て! 汚してほしいのならいくらでも。」
「自分の好きな人に、こんな仕打ちするかぁ、普通」
「私、普通じゃないから。健二君はよーく知っているでしょ?」

そんな言葉を残し、彼女はダイニングの方へ行ってしまった。
やっぱり結構跳ねっ返りなのかも....
いわれの無い不安感に襲われながらも、なかなか無くならない泡と格闘しながらなぜか幸せを感じている僕だった。
114
2010/07/08 04:23:45 (p.uAX2/T)
健二です。

夏休みになって今までの事を精力的に整理している状況を含め、ここに投稿する事によって沙也ちゃんが何かを伝えようとして
いるのではないかとさえ思えて来ました。
今は彼女との生活が楽しいし世の中がバラ色に見えてはいますが、ここに投稿する文章を書いている時の集中力も含め、なにか
大きな力に突き動かされている様な薄気味悪い感覚があるのも事実です。
何せ今までこんなに文章を書いて人に何かを伝えようと思った事もないし、経験ももちろんなかった僕が一心不乱に投稿してい
る姿は、投稿が終わった時に振り返ると自分自身でも不思議に思えてなりません。
でも、魔法という力が実在する事こそ一番の不思議なのかも知れませんが...

初体験となった風俗でさらに信じられない体験を重ねてしまった僕は、悪友3人組と別れた後、沙也ちゃんと食事をしてから2
回目の訪問となる彼女の家へ行く事にした。

お互いにホテルの中であった事を事細かく振り返る事を避け、とりとめのない会話で楽しく食事をした駅前のファミレスを後に
して彼女の家へ向かう前に本屋に寄る事にした。
将来、宇宙の根本を解明する仕事に就きたいので今の学部を選んだのだが、元々色々な物に興味があったので専門的な講義を受
ける前に量子論の専門書を手に入れておきたかったのだ。
本屋で何冊かの専門書を手にしている僕に、沙也ちゃんが話しかけて来た。

「量子論、解るの?」
「うん、凄く興味は有るし、面白く感じるよ」
「私もね、魔法を使うことによって物性がどうなるのかを理解してみたかったからこの学部に来てみたの」

そう、彼女は魔法が使えるのだった。
魔法とは全ての物理法則を無視した効果を発揮するように思うのだが、魔法がかかった物でも物理的に世の中に存在しているの
だから、その過程を知りたいと思う彼女の好奇心に感心してみたりもした。

1冊の本を選び、連れ立って本屋を後にした僕たちは大学方向へのバス停へ向かって歩こうとしたのだが、ロータリーの有る方
向へ向かう道の手前にあるビルとビルの路地の前で沙也ちゃんが立ち止まる。

「健二君、家へ行くならここが近道」

と、僕の返事を待つ事もなく何個かゴミ箱の並ぶ路地に1人で入って行ってしまう沙也ちゃん。
僕も迷う事なく後を付いて行くと、路地を出た所に見慣れた白いアパートが有った。

「こっちから来ると、意外と近いでしょ?」

もはや返事をする気力もない。
ただ苦笑いを返すのみで彼女の家へと入って行った。

今日は魔法ではなく沙也ちゃん自身が入れてくれているコーヒーを待つ間、僕はリビングのテーブルで今買って来た量子論の前
書きなどをパラパラめくっていた。
窓の外は穏やかな月明かりを反射する海面が静かにそよいでいる。

コーヒーを入れてきて向かい側の席に沙也ちゃんが着いた時に、二人がそれぞれ同時に口を開いた。

「魔法ってさ...」
「魔法ってね...」

同じように切り出した二人ともが、お互いに顔を見合わせて笑い合う。
その可愛さにごまかしの意味も含めてコーヒーを口に含んだ僕に、沙也ちゃんが話しかける。

「ごめんね、じゃあ、健二君の質問から受付まーす。何でも聞いて」

この感じが、明るさが大好きだ。

「うん、じゃあまず沙也ちゃんはいつから魔法が使えるようになったの?」
「そう来ましたか。多分...生まれた時から」
「魔法を使う時って、どんな感じ?」

すると沙也ちゃんは手元にある量子論の本をパラパラめくりながら、素粒子の図解のページを開いてみせて僕にこう言った。

「小さい頃から感覚的には宇宙の全ての素粒子の動きが解っていたような気がするの。魔法を使うと限定された時空内ではもの
凄いエネルギーがやり取りされたように見かけ上は見えるけど、宇宙全体の様な巨視的スケールで見ると、ほんの少しの紐の振
動が変わっただけ...解る?」
「なんか、講義みたいだね...」
「わたしも、ここまで理解するのにいろいろな本を読んだから。みんな良い線行ってるけど、私が感覚的に理解しているのとは
ちょっと違うみたい」
「つまり、魔法を使う事でエネルギーが消費されると...」
「うーん、相対論で定義される公式では説明できないけど...」

そう言うと沙也ちゃんはテーブルの上に手をかざした。
するとそこに突然お皿にのった2個のエクレアが音もなく出現した。

「細かい事を言えば、ここにエクレアという物を出現させるのに当然ほかの物質やエネルギーから変換された物である事は正し
いのだけど、物は同じ場所に共存できないからその空間を占めていた空気を消さないと存在は不可能だし、正しく等体積でない
と爆縮したり風が起こったり大変なのは理解できるでしょ?」

何となく解るが、本当に講義みたいになって来た。

「でも、私の感覚上ではそこにお皿に載ったエクレア2個をイメージするだけで、そんな面倒臭い事はしてないの。魔法に関し
てはこの宇宙の摂理が自然に調整してくれているイメージかしら」
「でも、君が僕の力を必要だと言ったのは...」
「それは...もしあなたと全く同じ分子構造を持った人を魔法でこの場に出現させても、自我は同じにはならないの。だから、お
のおのの健二さんが同じ時間軸の中で別々に行動していくことになるの。それを魔法で同じ行動をするようにコントロールする
事はできても、根本は別みたいなの。その辺は今の私にも解らない。でも、魔法で強制されなかった意識の元で形成された優し
さの生命エネルギーが、より強力な魔法の源になることは正しいみたい。さらに、それがこれから生命を宿すエネルギーを持っ
た精子に集約される事も確かね」
「僕にその力があるというのか...」
「そう...でも健二君の力が私を朦朧とさせるほどの物だとは想像もできなかったの...そして、あなたを好きになってしまう事
も...」

そう言って沙也ちゃんは僕の方へと近づいて来た。
コーヒーカップをテーブルの上に置いた沙也ちゃんは、どんな男も魅了してしまうであろう瞳を閉じて柔らかな唇を僕に重ねて
きた。

甘い口づけにとろけそうになりながらも、二人でベットへと向かう間にさっきの沙也ちゃんの解説を必死に理解しようとしてい
る自分がいた。
ベットルームのドアを開けて可愛い仕草で僕を迎え入れようとしている沙也ちゃんに、場違いとも思えるお願いをしてみた。

「ねえ、なんか僕に魔法をかけてみて...」

そう言ってはみたものの、どんな結果になるのか想像もできない怖さと自発的に魔法を体感してみたい好奇心とが同居してドキ
ドキしているのに気がついた。
ちょっと怪訝そうな顔をした沙也ちゃんだったが、ふっと息をついたかと思うと両手を開いた状態で自分の前に突き出した。

「もう10時ね...じゃあ、解りやすいように手を叩いた瞬間に魔法をかけてあげる...覚悟はいい?」

そんな聞き方をされたら、ちょっと意地悪されるのではないかと背筋に悪寒が走った。
僕の目の前で沙也ちゃんが手を叩いた瞬間、手の届きそうな所に立っていた沙也ちゃんが消え、ベットの上で全裸で僕を見つめ
ている状況に変わった。

「あの。。自分に魔法をかけるのじゃなくて...」

きょとんとしている僕にこともなげに沙也ちゃんが言う。

「あら、あなたに魔法をかけたのよ? あなたの体も、思考も時間も止めてあげたの。その間に私はシャワーも浴びて、寝る準
備十分! 魔法も物理の相対論と同じというわけ、結果は同じでも魔法をかけたのはあなたにというのが事実」

そう言われて時計を見ると、僕にとっては一瞬で10時40分になってしまった感覚しかない。

「じゃあ、今度は...ちょっと嫌だけど、コレ!」

そう言って手を叩かれた瞬間から、僕は一歩も動けなくなってしまったのと同時に沙也ちゃんに悪態をついていた。

「もう良いからやめろよブス! 裸見せたって気持ち悪いんだよ!」

さっきまでドキドキしていたのに、本当に不快な気分になっていた。
彼女自身は何も変わっていないのは解っているのだけど。
でも、言い終わったとたんに手を叩く音が聞こえると、今度は彼女に対してすまない気持ちで一杯になった。

「やっぱり魔法の力とは解っていても、健二君にそんなこと言われるのは凄くイヤ...この気持ちは...魔法で作った物ではないの
を信じて欲しい...事実はちょっと健二君の脳の中の分泌物質の配分を替えただけなんだけど...」

物悲しげに体の大事な所を隠しながらそう言う沙也ちゃんを、今は凄く愛しくおもえるし、守ってあげたくなる。

「さあ、もう大学の講義の延長はやめて...素直になろう!」

と次に沙也ちゃんが手を叩いた瞬間、もの凄い衝動に耐えられなくなって口が勝手に動く。

「沙也ちゃん、大好きだっ!」

その言葉に笑顔を浮かべながら敏感に反応する沙也ちゃん。

「解説しまーす! 今かけた魔法は”私を好きだと言いなさい”ではなくて”私に対する気持ちを素直に言いなさい”ですから
ねっ!」
「変な事言わせないでよ」

大声で女の子に向かって好きだなんて言った事などなかったので、恥ずかしさからそう口走ってしまった。

「変なことなんだ...じゃあ、もう言わせないけど、行動で示してもらいましょうか...健二くん、今度こそ覚悟してね!」
「えっ」

と返事をする間もなく沙也ちゃんが手を叩いた瞬間、僕の来ていた服は全て消え、アソコは既に最大限に勃起して例のごとく出
口は無くなってしまっていた。
戸惑っている僕は次に手を叩かれた瞬間、ベットの上に移動させられて強烈な彼女の愛撫を受けるはめになった。

「沙也ちゃ、あ、ああーっ」
「これは昨日私を午前中機能不全に落とした事への償い!」

彼女の激しいフェラになす術もなく声を上げ、もだえてしまう。
そして、例のごとく無限の射精。

「はあはあ、そして今度は、あんなところへ行ったから...私の事も...舐めて感じさせて...」

そして沙也ちゃんは体をぐるっと回転させたかと思うと、僕の顔の上に自らの大事なところを持って来た。
初めてま近に見るその部分からはしっとりとした女の子の香りが漂って来たのだが、決して不快には感じなかった。
でも、どのようにしたら彼女が気持ち良くなってくれるのかが解らなかったし、本当に舐めていいのか遠慮もあってモジモジし
ていると、一生懸命僕を愛撫してくれていた沙也ちゃんが僕の物から口をはなして呟いた。

「いつまで見ているの?...恥ずかしい...」
「だって...本当に舐めていいの?...」

その問いにふぅーとため息をついた沙也ちゃんが答える。

「健二君のバカ...死んじゃえ...」

そう言われた途端だった。
僕の顔が凄い勢いで沙也ちゃんのお尻に吸い付くのと同時に、舌がもの凄い速さで彼女の敏感な部分を舐め上げ始めていた。

(うぐー、止まらない...)

彼女の香りに包まれて幸せな気分ではあったが、限界を超えたクン二を強要されては次第に舌の根元が痺れてくる。

「あん、あー、健二君...大好き...」

彼女の感じている声が励みになり、それがもの凄く嬉しいと思った時、不思議な事に舌の動きが更に激しくなる。
彼女の魔法と僕の感情の共同作業のようだった。

「ああっ、もう...だめ...イク...イクーっ」

一段大きな声で感じていた沙也ちゃんの体が僕の顔の上で一度大きくは跳ね上がり、戻って来た時には小刻みに震えながら両足
の太ももで僕の顔をぎゅーっと挟んで来た。
僕は得体の知れない満足感で一杯になったが、困った事は舐め続けている舌が止まらない事だった。

「あっ、健二くん...もう。。。助けて...」

そう呟きながら沙也ちゃんはまだヒクヒクしている体をけだるそうに反転させながら僕の顔を覗き込むのと同時に両手で優しく
包んでくれる。
しかしその指が僕の唇に触れると、指先から手のひらに至るまで即座に舐め続けてしまう僕にかけた魔法をおもいだしたのか、
感じてヒクついていた体の震えが、次第に笑いのそれへと変わっていった。

「ごめんなさい...忘れてた...」

沙也ちゃんが髪を掻き上げペロっと舌を出して見せた瞬間、僕の舌は開放された。

「魔法って...怖いね...」

そんなこと、魔法使いの君に言われたくないよという心境だったが、どんな男も虜にするような眼差しで見つめられては言葉も
出ない。

「健二君の力...凄く強くなっているのを感じる...今までは優しさだけだったけど...今は...」

そう言って恥ずかしがる沙也ちゃんに、頭に浮かんだ言葉を思い切って発してみた。

「愛するってこと....」

それが正解だったかどうかは、小さく彼女が頷く事で解った。

「でも、ちょっと心配...こんなに強くては...目立ち過ぎる....」
「それ、どういうこと?」

さっきまで上気していた彼女の顔が、今は神々しいが真剣な表情に変わっていた。

「この世界には私の様な宇宙の森羅万象の一分を操作して力を具現化できる人が常に何人かいるはずなの。でも、心の本質を変
えられないように、さらに大きな力を得る為に間違った伝承を信じて力を集める人たちがいるはず。その人たちに取って、今の
健二君は間違いなく大きなエネルギー源...」
「それって、僕が色々な人に犯されちゃうってこと?」
「私のように聖液から力を得る方法を実践している人ならそうでしょうけど、私がイヤ。それに、その他の方法として....」

顔を曇らせて僕を心配してくれているであろう沙也ちゃんの表情でさえ、今の僕には愛おしく感じられてしまう。

「昔から、生け贄という儀式が人類には有ったでしょ? あれは人の憎悪や慙愧の念が持つ力を血液を通して吸収する事。だか
らドラキュラの伝説なんかも生まれた...その力も強大だわ...人1人の生命をかけたものだからみたい...私には出来ないけど...」
「そんな、それじゃあそんな事をして力を使っている人がこの世の中にいるというの?」
「私も...出会った事はないけれど、確実にいるはず。目立たないように大きな事はしないで、自分の快楽や指向の為だけに力を
使い生きて行く。でも、こんな力を持ってしまえば麻薬と同じ。自分の能力が枯れてしまえば、一度にたくさんの力を手に入れ
たい衝動に陥るみたい...自分の近くで....私が思うに例えば...秋葉原とか....」

沙也ちゃんの告白に脳みそがひっくり返る。
という事はこの日本にも彼女の他に魔法が使える人間がいる事になる。
しかも、人間の基準で考えると邪悪な...

「だから、健二君は私が護るわ。この家にいる間は、絶対安全だから...そのかわり私に力をちょうだい...ううん、私を愛し
て!」

潤んだ瞳に見つめられると恐怖心がさっと引いて行くのが解った。
同時に僕のアソコが大きくなるのを見届けた沙也ちゃんは、とびきりの笑顔で僕を迎えてくれた。

「もう魔法はいいの?」
「大丈夫。精一杯沙也ちゃんを愛してみせるから...それに、沙也ちゃんが気持ち悪く感じる様な魔法は...もう二度とかけないで
欲しいから...」
「じゃあ、健二君におまかせね...」

僕の初めての経験は処女の魔法使いと言う事になった。
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