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2025/05/12 08:29:06 (//xCp597)
通信会社で働くチカとは、サイトで知り合った

その日は函館出張の帰りだった
仕事は順調、報告も済んで、あとは帰るだけ
けれど、なぜかその晩は、誰かと会いたくなった
いや、正確に言えば「女を抱きたくなった」のだ

函館空港でレンタカーを返却し、チェックインを済ませる
機上の人となると、携帯を使うことはできない
搭乗前に投稿してしまいたかった

函館~丘珠間は30分
メールが来ていることを心から祈った

丘珠に到着するなり、携帯を取り出しメールを確認
一通のメール
それがチカだった

地下鉄環状通東駅前で会った彼女は、ポニーテールの髪を揺らした、どこにでもいるような女性だった
少しおとなしく見えたが、目だけが妙に印象的だった
北海道女性特有の濃さを感じる、エキゾチックな顔立ち

ホテルまでの道すがら、彼女は身の上を、初対面の私に明るく語った
会社の愚痴、ひとりで飲むのが好きなこと――屈託のない無邪気な笑い声、私は不思議と耳を傾け続けていた

部屋に入っても、すぐに体に触れることはなかった
少し離れて座り、フロントでもらった、やけに甘い缶コーヒーを飲みながらの静かな時間が流れた
だが、やがて手を伸ばせば届く距離に彼女がいて、その空気が自然と引き寄せ合った

服を脱がせると、彼女の体は驚くほど白く、熱を帯びていた
交わりの最中、彼女の反応は少し不思議だった
ふと体を離すと、彼女が目を細めて声を漏らす
それは、まるで密着していないのに、そこに満たされているような――そんな感触だった

すべてが終わったあと、ふたりで並んで寝転んでいた
いわゆる“賢者タイム”というやつだ
照明は落とし、天井の明かりだけがぼんやりと残っていた

「ねえ……私、昔ちょっと風俗やってたの」

チカがぽつりとそう言った
私は驚きもしなかった
ただ、「そうなんだ」とだけ返した

「お客さんとか、彼氏とするときには、正常位だと体がくっついてないとダメだった。密着してないと、気持ちよくなれなかったんだ。でも……あなたの時は、体を離してもすごく感じた。なんでだろうね。大きさなのか、当たる角度なのか、フィット感なのか……」

そう言って、照れたように笑った

それは、冗談混じりでもなければ、お世辞でもなかった
現場を何百、何千と経験してきた彼女が、ごく自然に漏らした一言
私はその時、風俗嬢という「ある種の評論家」から、お墨付きをもらったような気がした

男同士でイチモツの話をすることはまずない
ましてや比較なんて、したことも、されたこともなかった
だけど、あの晩のチカの言葉は、どんな根拠ある賞賛よりも、ずっと素直で、私の中に真っ直ぐ届いた

それ以来、少しだけ、自分に自信が持てるようになった


その夜、私はチカという女性の過去を知ったと同時に、彼女の「今ここにある心」に触れた気がした

それから何度も、彼女と会うようになった

ただ抱くのではなく、話を聞いて、少し笑って、それから静かに重なった
すべてが、あの夜から始まった
 
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