ここに書いたら良いかわからないが、
私は、30代の会社員。
周りからは結婚結婚と言われているが、仲の悪い兄貴夫婦を見ていると、結婚生活ってどうよ?って感じで、独りのほうが楽かなと思ってる。
1年前になるが、休日に夕飯を食い行き、帰り道を歩いていた時、公園の前でうずくまっている女性が居た。
壇蜜とまではいかないまでも、なかなか綺麗な女性だったが、裸足で、よく見たら顔にあざがあるようだった。
ちょっと気になり、彼女に声を掛けた。
私「どうしたん?」
女「・・・ちょっと・・・」
私「ケガしてる?」
女「・・・・うん。でも大丈夫やし。」
でも、放っておくのもどうかと思い、
私「俺の家、すぐそこだし、ケガ、なんとかしようよ。」
少し躊躇したような表情だったが、しばらくして彼女は立ち上がり、私の後を付いてきた。
とりあえず足を濡れタオルで拭いてやり、部屋に上げると、急に彼女は泣きだした。
話を聞くと、彼女は同棲中の男がいるのだが、以前はベンチャー企業の社長で羽振りも良く、近いうちに結婚も視野に入れていた矢先、業績が急に悪くなり、会社は倒産。
それでも再起を図ろうと励ましていたのだが、それもなかなか上手くいかず、だんだんと男は暴力的に。
とうとう耐え切れなくなり、家を飛び出してきたそうな。
私「こんなとこでも良かったら、しばらくおったら?」
女「いいのん?」
私「俺一人だし、別に。」
そういうと安心したのか、ようやく笑みが見えた。
しかし、着の身着のまま出てきたせいか、所持品は身分証が入った財布とスマホのみ。
ただ、スマホは男から電話が掛かってくる可能性があり、電源は入れられない。
とりあえず、次の日は、食料品の買い物ついでに、多少の衣類と靴、安い化粧品を揃えた。
スマホは当然解約した。
ここから、彼女との生活が始まった。
とはいえ、まだ男女の関係は特になく、ただの同居人って感じだった。
流石に、ただ居候させるのもと思い、マンションの下が飲食店で、厨房なら男が来ても分からないので、ランチの時間だけバイトに入るようになった。
バイト代は、月に8万くらい。そのうち、私は居候代(部屋代+光熱費等)として6万受け取ったが、実はその前に、彼女の話から実家の場所を探し、事情を話すべく両親に連絡を取って会ったのだが、まだ羽振りの良い時に彼女は両親に仕送りをしており、それを結婚資金にと置いていた彼女名義の通帳と印鑑を預かっており、私も彼女から受け取った金は全てそこに入れていた。
半年くらい経つと、いろいろと喧嘩することもあった。
ある日、私は結構怒って、彼女は落ち込んでいるようだった。
私はふて寝していたのだが、夜中になると、下半身がなんか変な感じがして目を開けると、彼女は私のペニスを咥えていた。
私「・・・おい・・・何してんの?」
女「これくらいしか・・・私にはできんし・・・」
と言い、泣き出した。
彼女なりに、いろいろ耐えていたんだと思うと、俺も言い過ぎたなと思い、彼女を抱きしめた。
女「ねぇ、なんで今まで、Hしなかったん?」
私「って、別に俺の女ってわけじゃないしな。」
女「いいよ・・・好きにして。」
私「好きにって・・・」
躊躇していると、彼女は私の上に乗り、パンツを脱いで自ら入れていった。
女「お願い・・・忘れさせて・・・今日から、あなたの女にして・・・」
泣きながら、彼女は自分で腰を振っていた。
彼女の腰使いと中の気持ち良さで、思わず私は彼女の中に放出してしまった。
それからは、付き合ってるとかはハッキリしないものの、お互いを満たし合う仲になっていったが、ある日、転機が訪れた。
彼女の実家から連絡があり、父親が危篤状態になったらしい。
私はそのことを彼女に告げると、なんで?といった表情をしながらも、私は彼女を連れて、実家のほうに向かった。
病院で、辛うじて意識がある父親と彼女を久しぶりに合わせると、翌日、お亡くなりに。
私は一旦自宅に戻り、葬儀には彼女の会社の元同僚ということで参列した。
採骨・初七日も無事に終わり、彼女の実家に戻ると、私は彼女に、
私「もう、親を悲しませるな。後は母親を支えてやれ。」
女「でも・・・そんな・・・」
私「これ・・・お前に。」
以前、彼女の両親から預かっていた通帳と印鑑を差し出した。
私「お前が親に仕送りしていた金、そして居候していた時にもらっていた金、ここに全部貯めてあるから。これから当座は金が要るだろうし。」
そういうと、彼女と母親は号泣した。
私「また他人同士だけど・・・寂しくなったら、いつでも来いや。」
そういうと、彼女は黙って頷いた。
私は彼女の実家から離れ、また独りの生活に戻った。
四十九日が終わり、彼女と母親がお礼を言いに、我が家にやってきた。
話しの中で、昔の男は数日前に自害したらしいと。恐らく借金苦によるものだろう。
これで、逃げるものは無くなり、彼女から、
女「こんな女だけど・・・いいかな?」
横で母親が深くお辞儀をしている。
逆プロポーズといったところだろうか。
尽くしてくれたことは感謝している。
しかし結婚は、ちょっとなぁ・・・と思っていたが、こんな女と巡り合う機会もないだろうしと、承諾した。
喪が明けたら、入籍。身内だけで式を挙げようと思う。