仰向けでの足の施術に移ったのですが、記憶が大分あやふやで、この頃には既に頭の中がトロンとした状態に。施術師さんに身を任せてなすがままでした。
覚えてる所をかいつまんで書くと
「舌でのマッサージもしましょうか?」
との問いに、頷きながら掠れた声で「はい…」と返して、
指なのか舌なのか分からないなか上半身のマッサージが続きました。
この時の私には、拒否する選択肢は1mmもありませんでした。
そのうち下半身のタオルがどけられ、大事な所が温かく包まれます。
何が起こっているかすぐには分からず、自分の嬌声で舌で愛撫されている、クンニされているんだと気が付きました。
息づかいは乱れて、喘ぎ声がもう隠しようもない程漏れ出てしまいました。
舌の色んな面を使って、緩急をつけてじっくりと舐められて、「舌が生き物のよう」という例えはこういうことだったんだ、と回らない頭で思いました。
長い時間舌で愛撫されていると、どうしても中が寂しくなってきたのを明確に覚えています。待ち望んだ指が入ってきた時は、言葉にならない気持ちでした。
どれくらい愛撫を受けていたのか分かりませんが、目隠しのタオルがいつの間にか外れていて、すごく施術師さんの視線を感じました。
視線に温度があるような、その熱に浮かされている気分でした。
性感帯への愛撫だけでなく、抱きしめられたりして、その緩急に翻弄されました。
時間の感覚が分からなくなった頃、終わりの時間がきて、施術師さんが背中に手を回して起き上がるのを支えてくれました。体にはタオルをかけ直してもらっていたので、胸元でタオルを押さえながら体育座りに近い姿勢に。後ろから優しく抱きしめられて、事後の余韻に浸っていました。施術師さんが離れて、タオルなどを片付け始めた姿をぼーっと見るともなしに視界に入れつつ、「素肌のままの背中は、もしかしたら全裸の状態より官能的かもしれないな」と、どこか他人事のように思いました。
最中は全裸の時もあり、もっとすごいことをしていたはずなのに、薄暗い空間でタオル一枚を抱えて座っているだけの今の方が心許ない、丸裸のような気分でした。
あの日から日数が経ち振り返ってみると、強烈な官能と癒しを行き来するジェットコースターのような時間に圧倒されたマッサージ体験でした。
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