みなさんと違ってプロのマッサージの方ではないのですが、私の体験談を話しま
す。私は建築関係の会社のOLをやっています。会社には下請け関係の方が沢山お
見えなりますが、今回お話しをするひともそのひとりです。ちょっと見には布施博
ふうの身長は180cmほどあるでしょうか、40才ぐらいの中肉中(?)背の気さくな感
じのひとでした。会社(事務所)には私以外にも2人の(お局的な)OLの方がいます
ので、応対はもっぱらその人達が受け持ち、私とは会話らしい会話もなく少し寂し
い思いをしていました。何故かと言えば、その方の特技に加わることが出来なかっ
たからです。そうなんです。その方の特技というのがマッサージなのです。営業等
の目的で会社にやってくるのですが、時間のあるときにはお局さま達のリクエスト
で簡単なマッサージを行ってくれるのです。1日中座りっぱなしのOLは肩や腰や
らが凝り固まるのが職業病です。お局さま達は元請けと下請けという会社の関係(特
権)をフルに利用し、おやつはネダルし、時にはお芝居や映画のタダ券までも要求す
る始末です。でも、その方はイヤな顔ひとつせず、せっせといつもニコニコしなが
ら会社にやって来てくれました。ほんの数分だけですが、お局さま達の要求で肩や
頭、腕などをマッサージしてる姿をいつも私は羨ましく見守っていました。その方
は「○○さんもよろしかったら如何ですか。」っなんて言ってくれるのですが、そ
んなときはいつも「チーちゃんは若いからいいのヨ!」とお局さま達の邪魔がはい
るのです。
ところが、ある日のことです。ふたりのお局さま達がふたりとも会社を休んだと
きのことです。男子社員も出払っていて、事務所には私ひとりが留守番状態になっ
ていて、これといった急ぎの仕事もなく閑な時間を過ごしていました。ちょうどそ
んなときにあの方が会社にやって来ました。「あれぇ~?!★◇さん達は?折角、
アイスクリーム買ってきたのになぁ…。」私は内心「やったぁ~」と思いながら、
その方と世間話を始めました。思ったとおりその方はユーモアたっぷりの、話題が
豊富なひとでした。だいぶ打ち解けた感じになった頃、その方は「こんなときって
めったにないから、○○さんにもマッサージしてあげようか?」って言ってくれた
のです。「え~…、☆◇さんに悪いですぅ~。」っと言うと、「いいからいいから
」って感じで肩のマッサージから始めてくれました。肩から腕、そして頭へとやっ
てくれましたが、その気持ちのいいこと…。ほんの10分ほどのマッサージでした
が、もう頭の中がボ~っとしちゃうほど気持ちよかったです。聞くところでは学生
の頃は体育系のクラブに所属していたそうです。先輩・後輩の関係がキツく、部活
の後には必ず先輩達にマッサージするのが日課だったと言ってました。それで自然
、その腕前も上がり今に至ってる…なんて話してくれました。恥ずかしい話ですが
、私は相当重い腰痛持ちなのです。生理のときなんかは立ちあがることも出来ない
ぐらい。そんな話を打ち明けると「ねぇ~…○○さん。ボクのことを信用してくれ
る?絶対変なことしないから今度ふたりっきりで会わない?そのときに腰痛に効く
マッサージしてあげるけど…?!★◇さん達には内緒ネ?!」そりゃ~私も結婚前
の乙女(?)ですから、警戒心は持っています。でも、その方の誠実そうなトコ、腰
痛を治してくれるかもしれないという藁をも縋る思いに、ふたつ返事で約束してし
まいました。(今思えば、少し期待(?)もあったかもしれません。)その日から2日
後が土曜日で休みだったので、ある所で待ち合わせをしました。会話もそこそこで
ホテルへと向かいました。☆◇さんもどうやらすごく緊張しているみたいでした。
それが逆に私に少し余裕をもたらしてもくれました。聞いたところ、こんな経験は
初めてのようでした。しかも元請けの社員との秘め事(?)…。何かあったときには
人生をも棒に振らなければいけないのですから…。(ちょっと大袈裟かな?!)(笑)
(つづく)