約束の日、僕は25万円の価格設定をしている脇差に丁子油をひき、適度な大きさの刀袋に納め、そしてしっかりと口を結んで準備した。後は茎の「濃州関住〇〇作」を見せるための目釘抜き等を用意し、阿倍野駅の所定の窓口で待っていたのでした。
待つ事15分。約束の時間は午前10時。すでに5分が過ぎていた。
(もしかして、ダマされたのかな)と疑念が湧き始めたころ、いきなり背後から「お待たせしました」と声を欠けられたのであった。
「うおっ!」思わず声をだしてしまった僕。するとそこには、身長150センチくらい?(小さいなぁ・・・・)体躯も小さめ。かなり小柄なオンナノコがそこに立っていた。フェイスブックの写真ではコスプレメイクをしているので素顔は分からなかったが、意外と、まさに意外なところに出てきた普通のオンナノコ。というか女性。(顔は綺麗系)大学生ぽい子がいた。
服装もおとなしい目の清楚な感じの服を着ていた。てっきり奇抜な格好で現れやしないかと想定していましたが、紺色のタイトなふくらはぎまである丈のタイトスカート。黒ストッキング着用。ベージュのパンプス。上半身は薄ピンクの長袖シャツ。華奢なゴールドのネックレス。そしてベージュ色の小さなバッグを持っていた。(めちゃ普通の子やん・・)髪の毛も軽く茶色がかったセミロングで、毛先に軽くウェーブがかかっている感じの子だった。
ただ・・これからホテルで行う、「撮影会?」の為なのだろう。きっとコスプレ衣装が入ったリュックを別に持っていたのが違和感あったところ。
僕「どうも。〇〇堂のトモヒコです。フェイスブックでやり取りありがとうございました。」
M「こちらこそ。マイです。こうして本名を紹介しあうのは初めてですねw」
聞いたところによると、マイちゃん。年齢は21歳。予想どうり大学生との事だった。そして僕は初だしではあるけど、この時35歳でした。職業はサラリーマン。余暇をみつけてオヤジが販売する美術品をネット販売してあげて副収入を得ているだけの男。そんな二人でした。
トモヒコ「じゃ、、どうします?朝ごはん食べてきました?」
マイ「まだです」
トモヒコ「じゃ、軽くコーヒーとサンドイッチでもツマみにいきますか。奢りますよ」
マイ「ありがとうございます~」
こうして近くのコーヒーショップに入った僕達。そして軽食を取りながらお互いの身の上の話しなんかをやっていました。僕は普段はサラリーマンで、オヤジが古物商なんだ等。マイちゃんは大学生をやっていて、最近、友人に進められて始めた刀剣乱舞にドハマりしてしまった等といったところでした。
マイ「手に持ってるのは例の刀ですか?」
トモヒコ「うん。そうですよ。いつでも警察からの尋問を受けても大丈夫なよう、古物商の登録証のコピーと、脇差本体の登録証、そしてすぐに開けれないように厳重に口を縛ってる」
マイ「へー。やっぱり警察とかだと、手に持ってるのが日本刀だとかすぐ分かるんでしょうね」
トモヒコ「うんw 普通に地味とはいえ刀袋だからね。武道している人とかなら猶更、あの人、刀もってる。くらいはわかるんじゃない?」
マイ「楽器には見えないですよねw」
こんな会話をしながら僕達は自然と、打ち合わせた方向へと歩いていきました。その、打ち合わせた方向というのはネットでやり取りをしていた段階で決めていたラブホテルがある場所でした。こうして済ました顔で何気ない会話をしている僕達でも、しっかりと「何時からどこそこのホテルで、時間は3時間。撮影会をする。そして・・商談内容を締結する」という約束はしっかりと段取りを組んでいたのです。
ともかく、この段階から僕はかなりドキドキしていました。てっきり現れるのは、あのフェイスブックで見たような「オタク系女子」がくるものだと思い込んでいたのです。それが現れた子は予想外にも普通、いやそれ以上の綺麗系の小柄女子。しかも大学生。(まさか。。。こんな子がな・・・)と、むしろネット上での印象とリアルでの印象を、ここまで予想外に裏切ってくれるとは思いもしませんでした。
(場合によっては、タダでわきざし上げるから、定期的に会ってほしいレベルだわ・・・)そんな事を考えていました。
そして到着したのが阿倍野、天王寺といったほうが分かりやすいかもしれません。繁華街の外れにあるホテル街。そこにあるホテルの中に入っていき、受付カウンターのオバチャンに「休憩の3時間でお願いします」と伝えて前金を渡し(ホテル代は僕持ちでした。・・・当然かw)狭いエレベーターに乗って所定の部屋へと入っていったのです。
部屋に入るとそこは普通のラブホテルでした。ただ目立つように空間のど真ん中に大きなベッドがおいてあり、枕元には有線放送の機械。そして冷蔵庫やら荷物を入れる棚等。そしてシャワールームがありました。
トモヒコ「とりあえず・・・先に脇差みます?」
マイ「そうですね」
そして僕は厳重にくくっていた刀袋から脇差を取り出し、「この拵えは本歌拵えというものでね。金具とかも、そこまで有名な職人じゃないけどそれなりのものが入ってるよ。鞘は漆塗りだから刀を手入れした後の油がついた手とかで触らないでね。漆が剥離してくる事もありえるから」・・・と脇差の外装の説明なんかから始めました。
そして、綺麗なバスタオルをベッドの上にひき、そしてその上で目釘抜で刀の柄を外し、刀身をマイちゃんに見せてあげたのです。
マイ「おー・・・本物だ・・・」
トモヒコ「ゾクゾクするでしょw本物はw」
マイ「はい・・・めちゃ気に入りました・・・」
トモヒコ「そして、写真のとおり「濃州関住〇〇作」って銘が入ってるから。あと、これが登録証ね。で、ここで〇〇作の話なんか始めてたら日が暮れるからw そこは自分で調べてみて。そこそこ有名な刀匠だからネットに情報が散らばってるよ。そういうのを調べていくのもこの趣味の楽しみの一つだと思うから」
マイ「はい・・・!」
トモヒコ「じゃ、もういい?」
マイ「はいw」
そして脇差を元に戻し・・・刀袋に納めたのです。
マイ「それでは、、次は私からの提案の話しをさせて頂こうと思うのですが・・・」
トモヒコ「うん」(ドキドキ・・・ドキドキ・・・・・)
この時の印象。もしかしたら、マイちゃん。こういう事するの初めてなのか?と思いました。Hな行為そのものじゃなくて、交渉の為にHな行為をするという駆け引きの事です。なぜかというと、普通に緊張しているんです。顔を少し赤らめてうつむきながら・・・。
マイ「以前にもお話したとおり、〇〇堂さんが最初にこの脇差の商品説明をアップしたときに、思わずこれほしい!!ってなったのですけど、既に話した通り予算が無くて・・。」
トモヒコ「うん。言ってましたね」
マイ「なので15万円で売ってください。その代わり、撮影会をやりましょう。という話しになったという事ですが・・。」
トモヒコ「うん。話しの流れではそうだったね」
マイ「じゃ、、撮影会をしようと思うのですけど、まず服から着替えてきたらいいですか?」
トモヒコ「とりあえず・・・予定どうり始めましょうか?ただ・・・」
マイ「ただ・・?」
トモヒコ「こうして会ってみると、マイさんがすごいいい子だなーって思ったし、本当にこの脇差が好きなんだなっていう想いも汲み取る事が出来たと思うんだよね。だから・・15万円で、、っていう話しをしていたけど、うーん。。。変な言い方だけど、マイさんの努力次第では大幅な値下げも考えてます」
マイ「え、、本当ですか?」
トモヒコ「うん。本当ですよ」
こんな会話が進んでいったのですが、、この点だけは結果から先に話してもいいんじゃないかと思います。
ここに来るまでの間、しっかりと・・・マイちゃんも駆け引きをしていた。という事が後になって分かるのです。
というのは、実際に全ての行為が終わってマイちゃん本人が言ってた事ですが、「出来ることなら撮影だけで済ませたい。とは思ってましたよw」と言っているのです。これがどういう事かというと、マイちゃんの駆け引きの中では、「15万円は支払う」これは納得済み。
だけど・・・・出来ることなら本番行為、それに不随する性サービスは行わず、、いかに相手(つまり僕)を撮影だけで満足してもらえるか。という事は考えていたみたいです。だからこそ、ネットで交渉していたときも露骨に「ヤラせてあげます」とか「口でヌイてあげます」とか直接表現をせず、、「撮影会」というニュアンスを作った訳で、それを僕が勝手に「なすび舐めてるからフェラしてくれるんだろうな」と思い込んでいたのは僕の方だった訳です。
そんな背景要因もあって極端な表現をすれば、「撮影会はこれで終わりです。はい。今のが10万円分の撮影です。性行為?そんなのする訳ないじゃないですか」となった場合、僕が逆上したりしない人物かどうか。。。という不安と恐怖が常にあった・・・。と本人の口がそう言ってました。
ところが・・・マイちゃんにとっても予想外の事を僕が口にした訳ですよね。「努力次第によっては、大幅な値引きを考えている」と。これを聞いた時になって初めて、、、「本番行為はできません><ごめんなさい。」って言わないといけない瞬間がくるんだろうな・・・。っていう不安から、、(じゃ、、頑張ったら15万円からも値引きしてくれるっていう事???しかも大幅に?)という風に、思考が変わったと言っていました。
なんだかんだと言いながら、ちゃーーんと心の奥では駆け引きをしていたっていう事ですよね。僕達二人とも。
この段階からマイちゃんが腹を括ったという感じになっていったのです。もちろん、この時は僕はマイちゃんの裏の心理面の変化なんて知りませんから?(お。。さっきは緊張してたのに、やる気になってきたなw)くらいにしか思ってませんでした。
でもマイちゃんからすれば(もうこの際、Hなしで事を済ますというのは諦めよう。逆にしんどい。。となると、もうHな事もある程度は覚悟して、それなら値引きしてもらって数万円くらいまで下げてもらえるほうが早いかもしれない・・・)
こうして・・・話しがまとまっていったのです。
つづく
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