遥を失いたくない気持ちからそうなったのですが、
男のズルさがそうしたのかもしれません!
ただ遥はそれを解ってくれました。
8月のお盆の時期になりましたが、
仕事柄一番忙しい季節なので当然の事休みはなく、連勤の日々でした。
遥も同じくお盆休みもなく多忙な毎日でした。
右足の腫れもだいぶ良くなり、普通に歩けるくらいまで回復しました。
「久志さん、今夜は何食べたい?」朝、駅に向かう途中で遥が聞いて来ました。
「そうだなあ…遥の快気祝いに焼肉でも行くか?」
「私も明日はお休みだから、ニンニク増し増しで体力付ける?(^。^)」
「よし、じゃ終わったらLINEするよ」
遥の仕事終わりの19時に合わせて焼肉を堪能して帰宅しました。
「私、髪の毛洗いたいから、久志さん 先にお風呂入って!」
「じゃ、サッとシャワー浴びて来るよ」
「うん!ビール飲んで待ってて」
一時間近くしてタオルで髪を拭きながら遥が出てきた。
「ドライヤー持っておいで!乾かしてやるよ」
「やった~(^。^)」無邪気に笑う遥が愛おしいと思った。
オレの膝の間に座る遥の髪を乾かしながら…
「今年も帰れないな…お母さん寂しがってないか?」
「大丈夫よ、彰(弟)居るし…」
「お父さんの墓参りに行かなきゃな!」
「うん!ありがとう。」
遥の父親は8年前、遥が16歳の時に癌で亡くなっていたのです。遥が看護の仕事を選んだ理由だと言ってました。
「世間のお盆休みが落ち着いたら、一度休み取って墓参りに行こう!」
「えっ!仕事は大丈夫なの」
「うん!何とかなるよ。それにレンタカーを借りれば【密】にはならないだろ?」
「うん。9月になってからだね!…私にもビールちょうだい」
のんびりとふたりで故郷の事を話しながらビールを飲んで時間を過ごしました。
「久志さん、もう寝ようか?」
「うん!シャンプーのいい香り…(^。^)」
布団の上で遥が正座をしてオレに言った。
「久志さん、ホントに私でいいの?」
「もちろん!遥がいい。遥だけを見て生きていく!」
「ありがとう。久志さんの気に入らないところがあったら遠慮なく言ってね!ちゃんと直すから」
「うん!遥は今のままの遥で充分だから」
「久志さん…今夜、私を久志さんの奥さんにして」
「えっ?いいのか?」
「うん!私、決めてたの。明日お休みだし、足もやっと直ってきたから…久志さんが可哀想だし」
「足、大丈夫なのか?完全に直るまで入れなくても我慢するぞ!」
「うん!大丈夫たから。久志さんに着いて行くって決めたから…私をもらって(^^;;」
「遥…」
ふたりの絆を一層紡ぐ一夜となったのです。
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