次の日の夜も智子は夜やってきた。
「ごめんなさい。今日生理始まっちゃった。」
そうか、じゃ、お風呂入ったら寝ようよ。
と言うと「今日は着替え持って来たから大丈夫。」と
智子はシャワールームに消えた。
例のネグリジェ(ややシースルー)を着て出てきたが
生理パンツを履いて出てきた。
智子が買ってきた紅茶を二人で分けて飲んでいると、
「そうそう歯磨き用コップ持って来た。」と見せてくれた。
えっ、、、と驚くブルーとピンクのお揃いのペアカップだった。
もちろん真ん中にはハートのマークがドーン。
ちょっと俺もドーン引き。
去年の慰安旅行の景品で貰った物で、捨てようかと思ってたと言う。
「こらこら、ここはごみ場所じゃないぞ。」
「ちょっとの間だけ、いいでしょ?」ウインクをして
ペロッと舌を出す。ダメだ、本当にこいつは天然に可愛いんだ。
惚れた弱みを見せないようにするのが精いっぱいだった。
歯を磨き、二人で抱き合って寝る。生理なので愛撫はしないが、
かえって見つめあう方が恥ずかしい。
「明日洋子さんに言われて家飲みになっちゃった。
洋子さん明日の準夜勤明けから休みなんだって。
ごめんなさい。」
「いいよ、俺だって付き合いあるから仕方ないよ。」
何気ない会話だったが、この事が後々の人生を変えることになった。
翌日、会社で舞から「今夜相談に乗って欲しい。」と
社内メッセンジャーが飛んできた。今日は智子も来ないので
OKを出す。「秘密で相談したいので19時B駅改札口で」
と決まった。
どこの店にするか?と舞に訊くと「ピザとるから家に来て」となり
舞の家に向かった。
ビールを飲みながらピザの宅配を待つ。舞は思いつめた表情で
黙ってハイボールを作りながら何杯か飲んだ。
ピザが届き2切れ食べたところで舞が話し出した。
「後輩と別れた。信じられない。」と大声を出し、泣き出した。
・骨折を機に実家に帰り、家業を継ぐ。
・親が決めた婚約者がいる。来年結婚予定。
・会社は来月末で退社する。
とのことだった。「俺さんにしか話せない。今夜は付き合って・・・」
うわぁ、首突っ込みたくない・・・ でも手遅れか・・・
2時間近く飲んで話して泣いて疲れたのか舞は寝てしまった。
舞はスーツだったので、スーツの上下とシャツを脱がし
ベットに運んだ。行き苦しくなるだろうとブラのホックを
外し、タオルケットを掛ける。舞が「俺さんありがとう。」
と目を覚まし、ガードルとパンストも脱いだ。
さすがに今日する気は起きなかったが、生理パンツを履いて
いたので、ある意味助かった。
「今日はお礼できません。ごめんなさい。明日は大丈夫だから。。。」
と言う。「お礼なんかいらないよ。俺何もできないから。
それに智子もいるからなおさら。」「俺さんとは友達だから。
これからは相談や飲みは智子も入れてにします。でも
生理終わったらめちゃめちゃにして。忘れさせて。」
その日はタクシーで家に帰る。気分直しにと智子に電話した。
既に智子は出来上がっていた。
「俺さ~ん、凄い飲まされた~。みんな俺さんと会わせろって
言われた~。今度よろしくね~。」ダメだ呂律が回っていない。
適当にあしらって電話を切る。幸せそうな声にホッとする。
そして翌日会社で顔色の悪い舞からメッセンジャーが飛んできた。
「凄い二日酔い。俺さん昨日はありがとう。」夕方になって
二日酔いも治まった舞から、「週末智子と3人で会いたいなぁ。」
と再度メッセンジャーが飛んできた。
週末は智子とデートだから、と返すと「智子には私から連絡する」と
返答が来た。
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