2004年に国内で新たに報告されたエイズウイルス(HIV)感染者は748
人、エイズ患者は366人で計1114人となり、報告制度が始まった1984年以降、
初めて年間1000人を超えた。厚生労働省エイズ動向委員会が26日、速報値を発
表した。
年間の感染者、患者数としても過去最多。感染者の約7割が20、30代で、10
代も12人(男性8人、女性4人)いた。
感染者と患者の累計は9784人で1万人に迫り、厚労省は「予防と早期発見、
治療を進めたい」としている。だが、先進国の中で日本は増加が目立つとさ
れ、実効性の高い対策が早急に求められる。
これまでで最多だったのは03年で、感染者640人、患者336人、計976人。献
血時の感染検査での陽性件数は、10万件当たり約1.7件と最も多かった。保健
所などで感染の有無を調べる検査も8万件を超え、過去10年間で最高だった。
感染者、患者ともに約9割が男性。感染経路は、男性の同性間性的接触が感
染者の約6割と最多、患者でも異性間接触を上回っており、動向委の吉倉広
(よしくら・ひろし)委員長(前国立感染症研究所長)は「男性の同性間接触
による増加を放置すると事態は悪くなる一方」と指摘した。
04年9月下旬-今年1月上旬の約3カ月間の感染者は190人、患者93人で、前回
報告(04年6月下旬-9月下旬)より、それぞれ19人、33人減った。
感染者、患者数に血液凝固因子製剤が原因の1434人は含まれていない。
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