好きであるということは、安心と同じことだと思う
私は彼と一緒にいることが好きだった
彼と一緒にいると安心できた
交尾した後、彼に寄り添うのは私の方で、彼にぴったり体をあずけて眠るのが好きだった
この時期は特に暖房をつけてもうっすらと寒く
そのうっすらとした寒さ
外の寒さと室内の温かさ
彼の熱
私自身の熱
彼が私に残した精はもちろん
彼が私につけた傷の一つ一つも愛おしかった
彼と私の熱が寄り添って
ただの雄と雌でいられて
私はそれがとても安心できて
あんな安心は、人間の男性からは得られない
暴力的な人ではなく紳士的な人であっても
その匂いを私は受け入れられなくなっていた
・・・・
彼以外の雄とは、交尾自体は問題なくできる
人間の男性とは違って私も安心できる
でも彼が私に与えてくれたぐらいの安心を与えてくれる雄は、たぶんいない
記憶を美化してるのかもしれない
でもやっぱり、彼が私に与えてくれた安心はもうどこにもない
彼は私にとってやっぱり特別だったのだろうと思う
寒い
彼が一緒ならこの寒さも楽しめた
だけど今はただ、寒い
暖房はつけていても、寒いのだ
彼がもういないから、寒いのだ
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