2、3日後のことです。
昼の営業が一段落してキッチンスタッフのパートの主婦2人が食事休憩でバックヤードに来ました。
僕も休憩のため近くにいたのですが、主婦のたわいない会話の合間に時折相槌を会わせながら事務処理をしていました。
「葵ちゃんも大変よね、家の洗濯機が壊れて…」「友達の家に行ったり、コインランドリー使ったりしているとか言ってたけど大変だって…」
「この前なんか大きなバック持ってバイトに来たから、旅行?って聞いたら洗濯物だって…」
「学校もあるから洗濯する時間の遣り繰りも大変よねぇ~」
そんな言葉が耳に残りましたが、僕は会話に参加することもなく淡々と事務処理をしていました。
4時を少し過ぎた頃、「お疲れ様でした~」とニッコリ微笑みながら挨拶してシフトから上がる女の子が目の前を通り過ぎます。葵です。
店の近所に住んでいて、夜間の調理師学校に通っている18才。普段はキッチンスタッフとして朝から学校に間に合う夕方までシフトに入って貰っています。
名前は当然、仮名ですが見た目は某大河ドラマに主演した女優にとても似ています(なので仮名に使っちゃいました)。
「お疲れ…」と挨拶を返そうとしたとき、葵のバッグから見たことのあるビニールの巾着袋が入っているのが目に入りました。
僕の中で全てが繋がり、同時に新しい欲求が芽生えた瞬間です。
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