★「産み終え」の油断 50歳前後にも多い妊娠中絶
人工妊娠中絶の件数が、20歳未満を中心に減少傾向にある半面、
40歳前後から50代にいぜん多いことが厚生労働省研究班の実態調査でわかった。
若い世代はピル服用など対策意識が高いのに対し、“アラウンド40(フォーティー)”
から上は
“産み終え世代”としての油断もあって、避妊に無頓着になる傾向が浮き彫りになった。
中絶は一つの命を絶つだけでなく、母体にも大きな負担となることを忘れたくない。
(中略)
実際の調査を担当した社団法人「日本家族計画協会」の北村邦夫常務理事は、
10代の若者を中心に中絶が減っている要因を
「女性の側から避妊に取り組めるピルの使用が、若者に広まってきている」と分析。
さらに、性行為後72時間以内の服用で効果がある緊急避妊ピルの認知度が高まったこと
もあるという。
一方、35~44歳のいわゆる“アラフォー世代”では19年度の対前年度減少率が
3パーセント台にとどまり、中絶を選択する割合は20歳未満に次いで高い水準となって
いる。
実態調査で「最初の中絶を決めた理由」を聞いたところ、アラフォー世代以上では
「相手と結婚していないので産めない」が全体の半数を占めた。
次いで「経済的な余裕がない」「相手との将来を描けない」。
このうちアラフォー世代になって中絶した人は、避妊の知識が十分あり、
結婚して子供がいる家庭を築いている人が多いことを考えると「こうした回答は、
性に対する無頓着ぶりを物語る」と北村理事は指摘する。
さらに「女性の側に『(年齢的に)もう妊娠しないだろうから、
特に避妊しなくても大丈夫』といった誤った考えがあり、望まない妊娠につながってい
る」とも。
年齢が上がるとともに性生活が減り、更年期で生理が不規則になると、
避妊対策をしっかりしなくなる傾向があるようだ。
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