「帰りにどっちが運転するかで揉めた挙げ句、二人とも地のお酒を飲みたいものだから決着がつかず、ちょっと帰りにお風呂入るつもりが泊まることになっちゃいました…」
私はそう仲居さんに言い訳をした。
とりあえず親子を装ったんですが、実際に半分は嘘ではない。
仲居さんは、じゃあせいぜい親孝行してなんて笑って、夕食の時間を告げて出ていきました。
折からの人手不足のせいか、食事は広間の方でするらしい。
といっても、家族連れが一組しかいないそうなので、大広間を貸し切りみたいなものですし、なかなか風情のある部屋なようなので異論はなかった。
まるで文豪が缶詰めになって原稿を執筆するような趣のある旅館でした。山あいにあるので私達はせっかくなので散策に出掛ける事にした。
近くに有料のマス釣り場があり、釣ってきた魚を調理してくれると教えてくれたので、娘婿は俄然ヤル気になったようでした。
ただ、その前にせっかくだから温泉に入った。
部屋には半露天風呂が付いていたのだが、思わずこんな明るいとこじゃ入れないなんて、まるで一緒に入る前提で漏らしてしまった。汗
だから、最初は大浴場にそれぞれ入り、旅館の浴衣で散策に出掛けました。
平日で曇天の上、終いの時間が近かったせいか、はいなかった。
仕切られた渓流のワンブロックにマスを放流してくれるらしい。
彼はなかなか手慣れたもので三匹釣りました。
私も餌だけはつけてもらって一匹釣り上げて感激しました。
戦利品を持ってブラブラ歩いているとポツポツ雨が落ちてきました。
私達はたまたま近くにあった木の案内板に東屋があったので、急ぐ訳ではないしそっちに行ってみることにした。
緩やかな林道をうねうね上がり、さらに矢印に導かれて脇道を上がると東屋に着いた。
見晴らしがいいと言っても山が見えるだけ。
それでもなんか楽しくてしかたなかった。
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