…その2
荷物もそんなに無く、花屋にあった軽バン1台で全て運べた。
部屋に案内されると6畳ほどの和室があり、廊下から出入りする引き戸と、窓のある壁、押入れと隣の部屋に通じる扉があった。
隣は店主の寝室だった。
荷物もそれなりに整理して、大学から帰ってからの店の仕事を教わった。週に2回、店主が営業に出るのでその日だけは店番を必ずする以外は手伝ってくれる程度で良いらしい。
そしてその晩から店主との同棲が始まった。
店主の名前はSとする。
結婚はしたそうだが、3年前くらいに亡くなっていた。チラッと見えたSさんの寝室に仏壇があった。
食事は1階の販売スペースの裏に居間があり、そこでちゃぶ台囲んで行う。台所も風呂も更にその奥にあり、暖簾で仕切られただけの販売スペースと居間はほとんどプライバシーが無い。風が吹いて暖簾がめくれれば店先から台所まで一直線で見えて居留守は使えない。そして扉一枚ですぐ風呂場の為、脱衣所と言うものが存在しない。
だから営業時間中に風呂に入ろうと言うのは不可能ではないが無理だった。
人は割と来る。
狭い町だし高齢者が種を買いに来たり墓参りやお供え用の仏花を買っていく。
たまに洒落た男が花束を注文してくる事もあった。
営業が終わるとシャッターを閉めるため外部からは中が見えない。
ようやく食事や風呂に入れる。
食器などの片付けがある為、Sさんは後で風呂に入る。「片付けをしている間は後ろを向いているから、その間にお風呂に入ってしまってね。」と言われ、早風呂の自分は20分くらいで終わらせた。
着替えてそのまま部屋に上がり、大学の課題をする。
その間にSさんが風呂に入り、自室で髪を乾かしたり布団を敷いたりする。
簡単なベニヤでできた扉なので、お互いの生活音は丸わかり。
最初はかなり気を遣って物音を立てない様に過ごした。
2ヶ月過ぎた頃には流石に遠慮が無くなった。
毎日顔を合わせているのだから親以上によく話すし、毎日のルーティンも定まってきた。
何も言われずとも風呂に入り、部屋に篭る。
しかし、悲しいかな当時は大学生。当然、大学にいる大人びた格好の女子に興味も湧くし格好もつけたい。しかしバイトですらない花屋の住み込みで肩身が狭くなかなか女子と関わる事は無かった。
だから溜まるものはトコトン溜まった。
部屋ではオナニーはできないし、風呂も後からSさんが入るので臭いとか精液を残すわけにはいかない。
トイレだけが安住の場だった。
それに悪い事に夏に近づくにつれSさんの服装は段々と軽くなった。
Sさんは年なりにふくよかな体型をしており、張るべきところはかなり張っていた。胸はくたびれたTシャツの襟から谷間が見えるし、お尻もパンパンのデニムが窮屈そうだった。
つまりとても悩殺ボディだった。
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