ほんの一瞬の事であり、店内は薄暗い事もあって、まわりには気づかれなかったようです。
「すっすみません」
それには応えず、彼女の両手に力が入り、ぐっと引き寄せられます。
「この先は偶然じゃ進めないわよ」
彼女の真っ赤な唇が近づいてきました。
「もっとキスして…」
その香りと色に逆らえるはずもありません。
唇が重なりあいます。
男の癖に自分の唇が震えています。
でも、止まらない。止められない。
ふと、この店は彼女の知り合いの店であることを思い出しますが、そんな事を思うほど興奮が止まりません。
それは彼女もおなじなのか、時おり漏れる吐息が激しくなってきます。
もうキスだけでは止まらない…そんな時に曲が終りました。
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