『旦那さん、どんな人?』、そう聞かれると、旦那のことを語る門脇さんはとても嬉しそうにします。自慢の旦那さんだったのかも知れません。
話の中では、出来の悪そうに旦那のことを語るのに、結局は自分にあった大切な人だったと、僕に思わせるのです。それからも、深い愛情を感じます。
だからと言って、嫉妬などすることもなく、『そうなんだぁ。』と僕も聞いてあげるのです。
『コウタさん、彼女は?』と聞かれ、『別れた!フラれた!』と答えました。フラれたのはウソです、面倒くさくなった僕から言い出しました。
それには、『コウタさんモテそうだから、大丈夫よ。』と門脇さんから励まされます。『モテんよ~。門脇さん、何とかしてよ~。』とからかいました。
しかし、この言葉に彼女の表情が一転。その気もないのに、立場的に僕が優位に立ってしまったのです。
それを確かめようと、更にからかいます。自分の股間を指差し、『僕よりも、こっちの方が困って困って…。』とわざと冗談ぽく言います。
門脇さんの顔が固まり、恥ずかしそうに少しうつ向きました。『もぉ~、そんな話しないでよぉ~。』って顔です。
これはチャンスだと思い、更に言葉を続けます。『もう4ヶ月くらいはしてないから、これが困って困って…。』とおかしく言い、それは事実です。
そして、『門脇さんは~?どのくらいしてない~?してる~?』と聞いてみます。うつ向いたままに、答えてはくれません。
それどころか、『この子、こんな話をする子~?』『この話、もうやめよ~?』とそんな雰囲気さえ漂わせてくれます。
立場は完全に僕が上でした。答えたくない、答えられない彼女に、言葉を使って責め始めているのですから。
『門脇さん、かわいいぃ~~!』、うつ向いた彼女を見て、一度そう言ってあげます。これ以上の責めはマイナスと思ったからです。
この会話が切れたと思った彼女は困っていた顔を上げ、その表情が緩み始めます。その顔に、『本気です!僕、本気です。』と強く言ってあげます。
その時の門脇さんは、とても面白い表情を浮かべました。困る顔ではなく、嬉しさが半分、もう半分は『こいつ、ついに言いやがったわ。』的な顔をします。
『可能性は低いけど、こんな風になるかも知れない。』と彼女も心のどこかで思っていたのかも知れません。
テーブル越しに、彼女の両手を握りました。本当はこのまま迫ってみようと思ってのことです。しかし、自制をしてしまいます。
彼女の手を掴んだ途端に現実に戻されてしまい、勢いを殺されてしまいました。手を掴んだまま、うつ向いた彼女を見つめます。
『もぉ~。恥ずかしいって…。』と、男に手を握られて照れくさそうにしながら、顔をあげます。
目が合いました。見つめ合うとかではなく、こんな状況になってしまったことに、『こんなことして、どうするつもりなの?』とお互いに戸惑ったのです。
『門脇さん、どのくらいセックスしてないん?』、きっとこの場面では間違った質問です。それには『言わん~。』と惚けて答えました。
『旦那さん亡くなってから、してない?』と詰めよってみます。その顔が真剣だったのかも知れません。
『そんなこと、10年や15年もうしたことないよぉ~。』と答えてくれました。旦那との計算は合いませんが、ちゃんと答えてくれたのです。
僕はテーブルを回り、彼女に近づいて行きます。そして、彼女を掴まえると唇を寄せに掛かります。しかし、彼女の上半身が大きく逃げました。
僕を、半分からかっているのです。『しようよぉ~。』とねだってあげると、更に彼女身体が逃げます。
彼女は、もたれ掛かるものを探していました。この部屋にはソファーらしきものはなく、床にそのまま座るため背もたれがないのです。
彼女が見つけたのは、唯一のソファーとも言える年代物の古いマッサージ機。それに、もたれ掛かろうとするのです。
何とかその背を預け、彼女は振り返ろうとします。しかし完全に振り返る前に、僕が唇を奪いました。半身の体勢のままに、彼女の身体は停まったのです。
協力的ではないキスが続きます。興奮した僕は彼女に強い圧力を掛けてしまい、きっとその勢いについて来れないのです。
尖り気味の彼女のアゴを上に向かせ、真上からその口を塞いであげます。次第に頭まで強く抱き締め、唇を重ねていました。
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