別のある夜
多香子「はーーーーっ気持ちよかったーーーーっ♪やっぱりエッチの後にお風呂入れるっていいわね~~~~~♪」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ぼんやり眺めていたTVから、ぺりぺりと意識を引き剥がすように。
多香子「ん?なに、TV見てたの?なんか面白いのあった?」
湿度の高いシャボンの香りを、ホワホワと体にまとわりつかせたまま。
俺 「髪洗ってよかったの、おばちゃん」
多香子「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
俺 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・な、何?」
多香子「・・・・・・今日はフィットネスクラブに行ってることになってるから平気、そういう話だったわよね?」
俺 「そうだ、そうでした」
多香子「あんたが何を考えてるのか、よくわかんないわ」
俺 「ジェネレーションギャップじゃない、ほら、俺、平成の生まれ出し」
多香子「うるさいわね。昭和生まれをバカにする子は、おばちゃん許さないわよ」
俺 「申し訳ございません。お姉さま」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
フィットネスクラブにーーー行っていることになっている。
と。
シャンプーの匂いをさせて家に帰ってもいい理由を、口にして。
多香子「ほら、時間ないわよ。シャワーだけでもいいから使ってらっしゃい」
俺 「・・・・・・・・・・・・・・」
むにゅっ。
多香子「あんっ・・・・・・♪あん、こら、ちょっとッ・・・・・・」
むちゅうっ・・・・・・・・・・・。
多香子「んふンッ・・・・・♪あン、はぁ、んちゅっ・・・・・・ちゅぷっ、んふゥ、んむんんんッ・・・・・・・・♪」
ぽってりとした。
人妻の唇の柔らかさを、楽しみ。
多香子「はぁ、んぅんっ・・・・・・・あん、ダメ・・・・・♪せっかく洗ったのに、また濡れちゃうわ・・・・・・」
俺 「いいから」
ぢゅるぅうぅッ・・・・・・・・!!
多香子「はぷぅッ・・・・!んっ、むふゥ♪んぐっんぢゅるッ、んぱァ、ねちょねちょねちょッ、んれろおぉ・・・・・・・!!」
全裸で。
濃厚な、大人の女性の、芳醇な味と匂いの、ねっとりとした、熱い唾液を。
好色にーーー愛情に飢えたように動く舌を。
舐め回し、しゃぶり回しーーー
多香子「ぷふぁッ・・・・・♪んはァ、んぐッ・・・・・・ああんもォ、ダメだってば・・・・・・延長料金かかっちゃうでしょ・・・・・?」
潤んだ瞳で。
聞き分けの無い子を優しく叱る、慈愛に満ちた母親。
ーーーフリをして。
ぷちゅうッ・・・・・・。
多香子「んふぅぅぅぅ~~~~~んっっ・・・・・・♪んちゅッぢゅるっんぷゥ、んむぅううぅぅ~~~~~~~~んッ・・・・・・・・!!」
次の瞬間にはーーー男に媚びる雌そのものに。
甘えた鼻息を漏らしながら
多香子「ふゥん、んふぅん・・・・・んぅんッ♪んちゅれろれろれろッ、んぐっ、んはァ、はむっ、ぢゅるぅぅうぅぅ~~~~~んんんッ♪♪」
欲望のまま。
グチャグチャ、レロレロと舌を淫乱に踊らせる。
勃起が始まる。
この雌の痴態に。
俺だけが知っているーーー多香子の媚び声に。
多香子「んぱぁッ・・・・・・んぐっ、はぁ・・・・・・・・はい、もうダメっ」
俺 「え~~~~~」
多香子「えー、じゃないの。お風呂入んないなら、もう服着なさいっ」
そう言ってーーーたわわな乳房を揺らしながら、くるりと背を向けてしまう。
俺 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
口の中に。
まだ残っているーーー生々しい雌の味。
それが数分で消えてしまうことを、知っている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
俺 「おーばちゃんっ」
多香子「ん?なに?」
俺 「・・・・・・・・また俺ん家でエッチしようよ」
多香子「ダメって言ったでしょ」
俺 「えーーー、だってーーーー」
多香子「だってじゃないの。しばらくダーメ」
店に来る小学生に言い聞かすように、おもちゃ屋のおばちゃんは言う。
そう。
具体的にどうこう、ではなく。
隼人の母は。
息子が出入りしている部屋での逢瀬にーーーいまさらながら、危機感を強めたようだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
むろん。
隼人に直接。
『お前、気付いてる?』
ーーーなどと聞けるわけもなく。
俺 「・・・・・・・・自分の部屋でエッチしたいのになあ」
多香子「もう、あんまりワガママ言わないの。いいから早く服着なさいってば」
俺 「はーーーい」
そう。
これはワガママなのだ。
この、秘密の逢瀬を。
彼女の家庭をーーー壊さない範囲で許されている、ルール違反の関係。
そう。
ルールを破っているのは、こちら側なのだから。
多香子「あれーーー、この子結婚したんだーーー」
俺「ーーーは、はっ?」
唐突にーーー話題は、液晶画面に映し出された光景に移っていた。
多香子「んー?相手のこれ、誰?ひー坊知ってる?」
俺 「・・・・・・・えーと、たしか、お笑い系出身のタレント」
多香子「へー全然知らないわー。あらーいいわねー、あたしもウェディングドレスを着てみたかったな~~~♪」
どこにでもありそうな披露宴の様子に、そんな感想が零れ落ちた。
俺 「・・・・・・・着てないの?」
多香子「は?何が?服を着てないのはあんたでしょ?」
俺 「そ、そうじゃなくて」
なんとなくパンツを探しながら、画面を指差す。
多香子「ウェディングドレス?着てないのよ。って言うか式自体してないからね~」
俺 「・・・・・・式って、結婚式だよね」
多香子「他に何があるのよ。お葬式でウェディングドレス着てどうすんの?」
俺 「なんで式しなかったのさ」
ジーンズに足を通し、チャックを上げながら。
多香子「付き合ってすぐに隼人が出来ちゃったからね~~、あはは、出来ちゃった婚のハシリってやつ?」
18年か19年ばかり昔のことを、おばちゃんはそう笑い飛ばす。
俺 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
多香子「?何よ、その顔」
ーーーぺとっ。
多香子「あん♪やだ、くすぐったいわよ。何?」
近づいて。
シャツに包まれた、女体の下腹に手を乗せてみる。
俺 「・・・・隼人がここから生まれてきたかと思うと、変な気分だ」
さわさわと。
多香子「んふふ、もうすんごい昔の事よ・・・・・あん、くすぐったいってば♪」
そこに命が宿るという神秘性を。
いや。
想像もつかない異常性をーーー確かめるように、撫で回し。
多香子「・・・・・ふふっ・・・・・どうしたの。子供の作り方なら、もう知ってるでしょ?」
俺 「知ってるような、知らないような」
多香子「よく言うわよ。あんなことばっかり上手くなっちゃって・・・・・・」
俺 「・・・・・・俺、上手くなってる?」
多香子「ふふ、やだ。恥ずかしいこと言わせないの♪」
俺 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
むちぃッ・・・・・・・・・・と。
多香子「ん~~~~~~ッッ・・・・・・・・ちゅっ♪んふんッ・・・・・」
閉じたままの唇を押し付けあうだけの、キス。
それは。
今日の逢瀬の時間が、リミットを迎えようとしているサイン。
多香子「んはッ・・・・・・・・・・・・んふふ、それじゃ、またね♪」
俺 「うん」
と。
重く感じる頭を、頷かせると同時に。
じゃーん、じゃーん、じゃじゃーん♪○~×=△□パーク~~~~~~♪
俺 「わ、わう?」
多香子「あら、なっつかし~い。まだこのCMやってるんだー」
付けっぱなしにしてたTVから、レトロなCMソングが流れ出す。
多香子「ここ昔よく家族で行ったのよね~~~~。隼人が観覧車が好きでー・・・・・あれ?ひー坊も一緒に行ったっけ?」
俺 「いや」
ぷるぷると首を横に振りながら、記憶を掘り起こし。
俺 「・・・・・・・隼人と茂と恭とーーー俺たちだけで行ったときに、お弁当を作って貰ったんだ」
多香子「あーそうだっけ。あんたたち昔っから、子供だけでどこでも行きたがったもんねぇー」
そんな。
そんな、昔話も。
多香子「あーそうそう、すんごい大きな観覧車。あーこれこれ、こわこわ、今だったらもう乗れないわ~~~」
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