どゅむッ☆
俺 「わ、うわっ!?」
多香子「あんたねえ、あんなふうにウチの店の前ウロウロしちゃダメでしょっ」
まだ。
口の中の生々しい唾液のの味がーーー消える間もなく、飛んできたチョップにうろたえながら。
俺 「う、ウロウロなんてしてない」
多香子「まったく、なんでお父さんと立ち話なんかしてんのよ。見た瞬間肝が潰れたわ」
俺 「・・・・・・・・話しかけられたんだから、しょうがないじゃんかよ
多香子「ウチの前を通らないようにするとか、色々あるでしょ」
俺 (そこまでコソコソしなきゃいけないの)
と、思いながらも。
ーーーそれはやはり口の中に留めておく。
そう。
これはきっとーーーそこまでやっても足りないくらい。
念には念を入れて。
注意してもし過ぎることはないくらい。
絶対に。
絶対にーーー知られてはいけない事なのだろう。
ーーー家庭を持つ、母にとって。
多香子「とにかく、もっと注意してよね。自分では普通だと思っていても、傍から見れば不自然ってこと、よくあるんだからね」
俺「・・・・・・・・・・・・おばちゃんだってあの時、一瞬エい顔をしてたぞ」
多香子「はっ?い、いつ?」
俺 「お昼、おっちゃんと三人でしゃべってた時」
多香子「し、してないわよ」
俺 「してた」
多香子「してないったら」
おれ 「してたしてた」
多香子「い、いつよ、いつしたってのッ、何時何分何秒ッ」
俺 「こ、子供じゃないだから」
多香子「・・・・・・はあッ・・・こういうところはまだまだ子供なのに・・・・・・」
俺 (なんでそっちが言うだよう)
ーーーと思うが。
俺 「おばちゃん、この3日間に、おっちゃんとキスした?」
多香子「・・・・・・・・・・・な、なによ、いきなり」
俺 「教えてよ」
多香子「・・・・・・・・・・・・・・・・・・してないわよ・・・・そんなこと、もう何年もしてないわ」
俺 「エッチも?」
多香子「は、はっ?」
俺「最後におっちゃんとエッチしたの、いつ?」
多香子「な、なんでそんなこと聞くのよぉ」
俺 「知りたいんだい」
多香子「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
たっぷりと。
蛍光灯の安定器がジジジと唸る音が聞こえるくらいのーーー静寂。
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