翌朝
ピピピピッ・・・・ピピピピッ・・・・ピピピピッ・・・・。
俺 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ピピピピッ・・・・ピピピピッ・・・・ピピピピッ・・・・。
俺 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ピピピピッ・・・・ピピピピッ・・・・ピーーー
俺 「がっこ・・・・・・行かなきゃ・・・・・」
週3日も一時限目からの授業を入れたことを後悔する。
(眠い・・・・・・まぁ、もう少しだけ寝るか・・・・・)
俺 「ぐうぅぅぅぅぅぅぅぅぅう~~~~~~・・・・・・・・ぐうぅぅぅぅぅ~~~~・・・・・・」
それがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
てれてれてれ・・・・・・てれてれてれ・・・・・てれてれ・・・・・・・
駅への道を歩くーーーーーーー
慶次「ひー坊、これから大学かい?」
俺 「ーーーえ?あ、うん」
慶次「うちのも珍しく今日は朝から出てるよ」
俺 「ちゃんと学校に行ってればいいよね」
慶次「不吉な事を言わないでくれよ、本当に行ってない可能性が高くて困ってるんだから」
俺 「おもちゃ屋を継がせればいいのに」
慶次「うーーーーーーーーーーーーーん」
おっちゃんは、今にもプラモの箱を持ってなければ腕組みしそうな顔で考え込む。
慶次「まあ、専門学校を出るまでは好きにさせるつもりだよ。あれは縛り付けても聞かないだろうから」
多香子「おとーーーさーーーーん、お昼どうするーーー?」
俺 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ」
多香子「あら、ひー坊。何ふらふらしてんのよ。ガッコ行きなさいガッコ」
・・・・・・・・・・・・ごくん。と
俺 「これから行くところだよ」
唾を飲み込み、舌を湿らせてーーーなんとか声を出す事ができた。
疼く。
股間が。
目の前の雌の肉と汁の味と匂いを、思い出して。
慶次「ん?母さん、お昼がどうしたって?」
多香子「買い物してくるけど、何か食べたいものある?」
慶次「あれ?チャーハンにするんじゃなかったの」
多香子「ゴハンがあまり残ってないのよ。隼人が食べちゃったみたい」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
幻影。
いや。
記憶を素材としたーーー脳内CG処理能力の賜物か。
慶次「じゃあ、野菜かき揚げで、冷たいお蕎麦がいいなあ」
多香子「はいはい。ーーーひー坊、お昼食べてく?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
その目は。
何気なさを装いつつも。
ーーーほんの僅かな意図が隠されているような。
俺 「・・・・・だから、これから学校なんだってば」
多香子「相変わらず不健康そうな顔しってわねー。あんた、持ってったおばちゃん特製野菜たっぷりカレー食べたのー?」
俺 「た、食べてる、全部食べた」
慶次「おや、ひー坊、野菜を食べられるようになったのかい。昔、ジンギスカンした時は、お肉しか食べなかったのに」
俺 「お、大昔の話でしょ、それ・・・・」
多香子「もうすぐしたら、色々畑で採れるようになるからね。できたら持ってってやるから」
俺 「い、いい、いいって」
慶次「あはは、遠慮すことないよ。これからの季節、山ほど採れるんだから」
俺 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
口の中に。
口の中に蘇るーーー肉汁の滴りを、舌の付け根で。
思い出し、味わいながら。
俺 「じゃあ・・・・・遠慮なく、頂きます」
多香子「・・・・・・・・・・・・・・・・」
慶次「ついでにプラモ作りも再開しない?ほら、2割引にしとくからさ、ほらほら」
俺 「それはそのうちに。学校行くんで」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
何だか複雑な気持ちで駅へ歩き出す。
てれてれ・・・・・・てれてれ・・・・・・てれてれ・・・・・
※元投稿はこちら >>