買田のおばちゃんとまともに話をしたのは、きっと7~8年ぶりのことでした。高校生になって話した記憶がありませんから。
母から『買田さん、なんかおかしいわ。』と聞かされて、僕も自然と話し掛けるのをやめました。ですから痴ほう症というのも、実際は知らないのです。
数年ぶりに話したおばちゃんからは、やはりそんな感じを受けました。愛想よく話してくれますが、僕のことを分かっているのでしょうか?
そう疑ってしまうほど、どこか他人行儀なのです。老化は進み、気力は落ち、知っているおばちゃんではなくなりつつありました。
『こっちは知っているけど、向こうは知らない。』、これは僕には好都合にも思えました。
数年ぶりに話し掛けたのも、きっとおばちゃんが気になったから。この年齢で、男に身体を許しているのです。便器にも思えて来ます。
近所のおばちゃんをどうにかする勇気などないくせに、漠然と『おこぼれ。』『隙あらば、僕も。』などと考え、数年ぶりに話し掛けたのでした。
今日もまた、男はやって来ました。裏の僕も、何日目なのかも分かりません。男はなんの変化もなく、いつもと同じようにおばちゃんを抱いて帰りました。
そしてその日は早く、13時に帰って行くのでした。
裏にいた僕の中に葛藤がありました。『玄関を叩くか?このまま、いつも通りに家に帰るか?』、答えは間違いなく前者です。しかし、勇気が出ないのです。
『男はもう帰ってこない。男が射精して、まだ30分も経っていない。つまり、部屋は終わったばかり。今
入れば雰囲気だけでも。』、勇気が欲しかった。
『こんにちわぁ~!』、カギの掛かっていない玄関を開き、数年ぶりに買田さんの家に入りました。
勇気が出たのではなく、『早くしないと、おばちゃんがセックスした後の雰囲気が無くなってしまう。』という焦りが僕を押したのです。
しかし、おばさんは現れません。いるのは分かっています。時間が経つにつれ、『セックスの後が無くなる!』と僕にも焦りがでます。
躊躇う時間はありません。『おばちゃん~?おる~?入るよぉ~?』と声を掛け、数年ぶりに家に上がり込みました。
もちろん、たった今セックスが行われた居間の扉を開きました。数年ぶりに入ったため、イメージとは違う造りの部屋でした。
カーテンは締められ、昼間なのにとても薄暗い部屋でした。中央に座蒲団が縦に2枚並べて敷かれ、そこに買田のおばちゃんが服を着て眠っていました。
その部屋に入るのに躊躇してしまい、足が進みません。ただ、眠っているおばちゃんが起きないかと、その閉じた目を見ていました。
おばちゃんは起きそうにありませんでした。その部屋に足を踏み入れたのは、かなり経ってからのこと。途中、怖くて何度も引き上げそうにもなりましたから。
ゆっくりと歩を進め、先に向かったのはゴミ箱の方でした。捨てたばかりののティッシュが入っていますが、さすがに指で摘まみ出す勇気はありません。
僕は座り込み、おばちゃんが起きないかを再度確認をします。そして、座った場所から辺りを見渡し、『こんな部屋だったのか。』と改めて思うのでした。
僕の目を釘付けにする物が、畳の上に落ちていました。大きくて、ダブついていますが、それがパンツであることは明らかでした。
慎重になりながら手を延ばし、それを手にします。手にした途端でした、おばちゃんに背を向け、それを鼻に押しつけ、何度も匂いを嗅いでしまっていました。
中央の汚れを唾で溶かし、それを吸っている自分。おかしいのを分かっていてもやめられない。
好きとか嫌いとかいう感情ではありません。たった今、ここでセックスをしたばかりの女が脱いだ下着に興味があったのです。
おばちゃんのセックスを感じられる物は、それ以上は何もありませんでした。ノーパンで眠るおばちゃんとはいえ、手を出すなど出来る訳もありません。
ただ横に座って、おばちゃんが起きるのを待つのでした。
※元投稿はこちら >>