西本さんの家に招き入れた意図は分かりません。ただ、僕自身はどこかHな気分になっていたのは確かです。
玄関が開くと、西本さんは僕には気を使うことなく、早足で奥に消えました。奥からは『ご飯食べましたか!?』と年老いた母親に語りかける声がしました。
上がり込み、僕が母親の前に姿を見せると、『お客さん!』と少し大きな声で母親に説明をするのです。
母親は僕に頭を下げました。反射的に、僕も下げ返します。
西本さんは台所に一旦消え、すぐにコーヒーを持って現れました。『これ、飲んでて。』と一言いうと、また台所に消えました。
台所からは、洗い物をする音が響いて来ます。僕は座って、コーヒー片手に飲むわけですが、目の前には母親が座っています。
母親は、一点に僕を見つめていました。もしかしたら、認知症なのかも分かりません。その目は、不思議そうに僕を見ています。
笑顔で返したりしてみました。しかし、母親の表情が崩れることはなく、やはり認知症の気があるようです。
母親の視線に耐えられず、僕はゆっくりと台所に向かいました。扉を開けると、僕の顔を見た彼女は、『お母さん?あんまり気にしないで。』と言うのでした。
流し台を見ると、西本さんの洗い物も最終段階。僕は彼女に近づいて、隣に立ちました。『なによ~。』、と意地悪く言われました。
僕に見えていたのは、西本さんでしょうか、彼女でしょうか、それとも母の姿だったのでしょうか。とにかく、『ここは居心地がいい。』と思いました。
隣に先程まで車の中で手を繋ぎ合っていた、隣に立つ女性にちょっかいを出し始めます。最初に触れたのは、その細い肩でした。
『どうしたのぉ~?』とすぐに返ってきます。指先で肩の部分を摘まみ、彼女の服を意味もなく少し持ち上げます。
『なによぉ~?』と更に返って来ました。その手は、彼女の肩からうなじに触れ、左から右へ横断を始めます。意味はありません。ただ、触れたかったのです。
彼女の細い両肩を僕の手が握ると、『もぉ~、触らんのよ。』と少し強めの警告が来ました。イエローカードです。
『おとこ?』、西本さんが謎の言葉を発しました。意味が分かりません。『たいちくん、おとこの部分が出てる?』と言われ、少しだけ理解が出来ました。
要は『興奮してるの?』と言うことです。流石に手が停まります。勢いでやっていただけに冷静になると、『相手は40歳も年上の女性。』と気づかされます。
更に、車の中で距離は縮まっていたはずなのに、『親父の彼女。』ということを思い起こされ、自分の軽率な行動の愚かさに気づきます。
恥ずかしさやら、虚しさやら、その場を逃げ出したくもなりました。ところが目の前の彼女をもう一度見た時、その恥ずかしさは飛んでしまいます。
さっきまでやっていた洗い物は完全に終わっていて、もう蛇口から水も落ちていません。
彼女はただそこに立ち続け、後ろから迫ってくる僕を待っていてくれているのです。
もちろん半信半疑でした。それでも勢いをつけて、僕の両手は強引に彼女の脇の下をすり抜け、後ろから彼女の両胸を掴ました。
『イヤッ…。』と一瞬だけ言葉が出ました。しかし、僕の手のひらには、ブラジャー越しではありますが、しっかりと彼女の乳房が掴まれていました。
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