お風呂屋さんからの帰り道に夫の話を聞きながら、私は気持ちが動揺しているのを感じていました。
ご主人がイヤらしい目で私の裸を見ていたのであれば、これまでとは違ってお店を利用するたびにご主人を意識せざるを得ません。
それでも、今さら初心者のようにご主人の前で裸を隠すのも何だか不自然ですし、まるで急にご主人を異性として意識し始めたみたいで、私としても不本意です。
とは言っても、そんな気持ちを抱えながらご主人の目に裸を晒すわけにもいかず、夫と一緒に何年も利用したお店ですが、この辺でそろそろ打ち止めにすべきでしょうか?
とても気持ちの良いお風呂だけに、そうなるととても残念です。
夫にもどう話そうかしら?
そんなことを考えながら、いつの間にか眠ってしまった私ですが、翌朝はスッキリしていました。
というのも、目が覚めて隣で寝ている夫の顔を見たとき、ふと気が付いたのです。
「キレイな方」というのは、夫へのお世辞を込めた挨拶言葉にすぎず、話のポイントは私が誰だか分からなかったという点にあるのではないでしょうか?
それに「スッポンポンだから分からなかった」というのは、番台から無数の女性客の裸を長年見てきたベテランの言葉に相応しいように思います。
女なんて裸になれば、胸が膨らんでいて下腹部に黒々と毛を生やしており、お尻が大きいことでは皆同じで、服でも着ていない限り誰だか見分けがつかないというのが、ご主人の偽らざる感想なのかもしれません。
そんなことを考えているうちに、私はすっかり気持ちが楽になっていました。
昨日も夫と一緒に件のお店を利用しました。
番台にはご主人が座っており、普段よりは私も意識せざるを得ませんでしたが、特に私の方を見ているようには感じられませんでした。
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