では続きを。
「どうしよう…ぐすっ…」
鼻をすする音と弱々しい声がトイレから聞こえてくる。
正直めんどくさかったが、そのままにしておくわけにも行かず、俺はドアをノックした。
俺「どうしたの?〇〇さん?」
返事はない。ドアに鍵は掛かっていない。
俺「開けるよ?」
少し間を置いたがやはり返事はない。
俺はゆっくりとドアを開けた。
ドアを開けると、ゆりが便座ではなく、便座カバーの上に座っていた。
トイレの床は水浸しになっており、鼻を突く匂いが立ち込めていた。
ゆりの姿はというと、ジャージを膝のあたりまで下ろし、下着が見えている状態だった。
下着も、ジャージも、靴下も、濡れているように見えた。
ゆり「ごめんなさい…」
俺「…。」
俺は固まってしまった。
涙声が聞こえてきたときから、もしやとは思っていたが、想像以上の惨事だったので。
状況から察するに、彼女は慌ててトイレに飛び込んだ後、ジャージを脱いで便座に直接座って用を足そうとしたようだが、あまりに慌てていたせいで、下りていた便座カバーの存在に気付かずに便座カバーの上に腰を下ろしてしまい、直後に慌ててジャージを脱いだ瞬間にお漏らししてしまったのだと思う。
もちろんこの時の俺にそんな冷静な分析はできなかったがw
俺はとりあえずトイレを出て、ドア越しに彼女へ語りかけた。
俺「とりあえず、俺、タオル持ってくるからそのままでいてね。あ、何か着替えも。」
とにかくタオルと着替えだと、俺は自分の部屋へ行き、タオルを数枚と自分のジャージ、それからビニール袋を持ってトイレに戻った。
今思い出しても、我ながら結構落ち着いていたと思うwこれが彼女とかだったらもっと慌てていたのだろうか。
ノックしてからドアを開けると、ゆりはどうすれば良いのかわからないらしく、困った様子でもじもじと身体を揺らして立っていた。
俺「トイレの隣の部屋が風呂だからさ、シャワー使っていいから、洗ってからこれに着替えなよ。濡れた服はビニール袋入れて。」
ゆり「…ぐすっ…。」
俺が持ってきたものを渡してもゆりは泣くばかりだった。ショックだったろうし、仕方ないのだが。
俺「泣いててもしょうがないじゃん。ね?」
彼女の態度に少しイラッとしたが、ここでキレても仕方ないので、必死に笑顔を作って俺はそう言った。
ゆり「わかった、じゃあ…」
ようやく同意したゆりが風呂場に行ったのを見届けてから、俺は全速力でトイレを掃除し、居間に戻って彼女が来るのを待った。
やがて20分程で彼女は戻ってきた。
ゆり「ありがとう…トイレ汚しちゃってごめんなさい…」
さすがに少し落ち着いたのか、蚊の鳴くような声で彼女は俺に謝ってきた。
俺「仕方ないよ。そういうこともあるって。トイレはもうキレイにしたし。」
ゆり「……。」
(言うんじゃなかった。また泣くかな。泣くとめんどくさいな。)
それから少しの間、2人共黙ってしまった。
気まずい沈黙だったが、何を話して良いのかわからなかった。
ゆり「…〇〇君のジャージとタオルはあとで洗って返すから。今度何かお礼するね。」
俺「あ、うん。気をつけて帰ってね。ってここから100メートルもないか、〇〇さんの家。」
ゆり「ありがとう、それじゃ。」
そんなやり取りをして、俺は彼女を手っ取り早く帰させた。玄関まで見送ることもせずに。
(疲れた。ちょっと冷たかったかな、早く帰れ言ったようなもんだったし。ま、いいか。)
(そういやさっきの彼女、漏らしたからジャージの下ノーパンか。でも俺の下着穿かせるわけにもいかなかったしな。)
そんなことを思ったりした。
続きはメシ食ったら書くかな。
エロくなくて申し訳ない。
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