お風呂は自動で止まっていたみたいで、入れる状態になっていた。
「風呂入ってくる」
「行ってらっしゃーい」
シャワーを浴びてるのを窓ガラスから見ているとシャワーを窓にかけられた。
ジャー
水飛沫の向こうに見える笑った顔。
声をつけるなら「へへへ」と言ったとこかな。
華奢な体が羨ましい。
ぺたんこなお腹を見てしみじみ思った。
「来てよー」
お風呂に浸かった建一の曇った声がする。
ドアを半分あけ顔をだす。
「どうしても?」
「もういいじゃん」
確かに、もう良かった。
「目つぶって」
「もー」
建一は薄目を開けてた。
「見てるしっ」
「見せてよ」
「もー」
もーもー牛みたい…
よし!女は度胸!または愛嬌
フェイスタオルで往生際悪く隠しながら入った。
「タオルいらねって」
「いりますー」
「湯船にタオルはつけないで下さい」
「銭湯かっ」
「だからいいって」
建一にタオルを剥ぎ取られた。
「入浴剤は?」
「濁らし作戦か」
「うん」
「せこい作戦だな」
「取ってきて」
「はい、はい」
建一が入浴剤を入れたが、クリアタイプだった。
「残念、作戦失敗」
「ついてないわ」
建一が私を抱き寄せる。
「泊まろうよ」
「泊まりたいけどぉ」
私は、親と彼氏が気になっていた。
親は電話して何とかなるにしても、彼氏から電話きたら絶対に出れない。
お風呂から上がって連絡がなければ泊まろうかな…
考えをまとめると
「もう少し考える」
時間稼ぎをした。
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