彼の車に乗ると
「カーナビないんだよ」
と苦笑いで言い、私の家の近くの駅を地図を見て調べました。
彼は車で2時間ぐらい離れた場所に住んでる人で、あまり土地勘はありません。
途中道に迷い、コンビニに寄り彼はジュースを買ってきてくれました。
ジュースを開ける時に
「いただきます」
私は何気に呟いたのですが、彼はちょっと私を見て「きちんとしてるんだね」と言い、少しの沈黙の後に「出会いはアレだけど…よかったら付き合って下さい」と言ってきました。
「私でいいの?」
「うん」
私達はお互い照れ笑いをしながら手を握りました。
「今日泊まってく?」
「明日仕事だから帰るわ」
ずっと私達は笑ってました。
自分の家の近くの駅が見えてくると胸が締め付けられました。
(本当はもう会えないんじゃないか?)
そんな思いが私を支配します。
彼は駅の近くで車を停めて、
「どうした?」
「優しい嘘ならつかないでね」
涙がこぼれそうなのを必死に堪えます。
「必ず会いにくるから。メール苦手だけど頑張ってするから」
彼は、私をなだめてキスしてくれました。
「じゃあ、またね」
車を降りようとする私の横顔を見て
「あ~ダメだヤバイ」
「何が?」
「大学の時の遠恋思い出した。俺、本気だわ」
そう言うと、もう一度キスをして私達の一日目は終わりました。
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