まだ正月気分も抜けない二日酔いの朝でした。
師匠から電話でどうしても外せない仕事ができたと言われて仕事場に出かけたんです。
仕事場に入ると図面を広げた作業台に向かう師匠がいて、私の駆けつけた労をねぎらう言葉もソコソコに出来上がった分だけを持つと客先へと出かけました。
そこに彼女がいて、実は子供の世話も兼ねていたんです。
勿論その子とは何度も仕事場で顔を合わせていたので酔い醒ましのコーヒーを淹れている私の左の腰に体を寄せてそれを見ていたんです。
コーヒーの香りに混じって仄かに彼女の髪から甘いシャンプーの香りが私の鼻腔を擽りました。
そんな私の怪しい興奮を見透かしたかのように下から見上げ、何故か口元に笑みを浮かべて、その可愛らしさに耐えきれず思わず彼女の腰に手を回し、小さな体を引き寄せていました。
その途端に彼女の顔から笑みが消えました。そして小さな声で言ったんです。
「なに?」と。
慌ててその腕を離した私を、さっきとは別の意味にとれるような微笑みで見上げると更に言いました。
「べつに、いいのに」そして今度は誂い混じりの笑顔を見せたんです。
コーヒーはミルクと砂糖をたっぷりと入れて甘くすれば飲めると言うので作ってあげながら私が「コーヒー飲めるのか、大人だなぁ」そう言う私の腰に体を擦り寄せ衝撃発言。
「そーだよ?もお生理あるし」
手が震える手でコーヒーカップを渡します。
「へえ、スゲエな、じゃあもう赤ちゃん産めるんだな」冗談混じりに言った私にカップを受け取りなからクラスでは何人も生理が始まってる女子もいる話を聞かせてくれました。
そしてそのあと超特大の衝撃発言。「もーセックスだってした子もいるよ」と。
思わず口に含んだコーヒーを噴き出しそうになった私を見てゲラゲラと笑いました。
同じクラスの子かと聞いた私の問いにには答えず、ただ笑っています。
「にがっ!」コーヒーを一口飲むとまだ苦いと言うので温めていた残りのミルクを継足して上げているとポツリとひとこと……
「ううん?、わたし」
白いマグカップで半分隠れた顔から目が悪戯っぽく笑っています。
二日酔いのせいではなく地面が傾いたような軽い目眩を感じていました。
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