これから書くことは私の悪行を正当化しようとするものではありません。厳しいご批判を頂くのは覚悟のうえで、ただ粛々と事実を書いていきます。犯してしまった罪はいくら後から取り繕おうと、あの日の出来事を無かったことにはできません。
私にナイショで話したいことがあると書かれた2つに折りの付箋紙を手渡されたあの日。
彼女の家は私のマンションの前を通ります。
「ゼッタイだれにもはなさないで」と深刻そうな書き方だったので翌日の土曜日を休んで私のマンション前で待ち合わせ、話を聞いてあげることにしました。
部屋に彼女を招き入れて聞いた話は実の兄にレイプされかけたという恐ろしい話だったのです。
独身で彼女もない私の部屋にはソファーが1つしかないため彼女の隣で聞いていました。
うつ向いてポツポツと話している間に、その時の恐怖が甦るらしく、肩を震わせる11歳の女児にどんな事を言って聞かせれば良いか言葉をたくさん選びましたが、何一つ良い言葉が出てきませんでした。
震える細い肩を抱き寄せて頭を撫でていました。
「怖かったな、怖かったよな、無事でよかった……本当によかったな」
ただそれしか言えませんでした。情けない話です。
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