こんなにたくさんのコメントを頂くのは想定外でした。
実話かどうかについては私からは特にありませんが、小説として読んでいただければ罪の呵責も僅かながら薄くなるかも知れませんね。
こんな事が続きながらも両親は兄と妹を同居状態に置いている事を不思議に思いませんか?。この子の話を聞いていて私には不思議で仕方がありませんでした。確かに母親は専業主婦であり、ほぼ家に居るとは言っても話の中にあったと思いますが買い物で家を空けて兄妹を二人きりにすることもあるのですから、またいつ間違いを息子が仕出かわからないのです。それについては理由がありました。
この子は家庭内では孤独な生活を送っていました。全く気付かなかった、気付いてあげられなかった私の、それも罪の1つなのです。
両親は成績の優秀な兄を後継ぎと考えていたため特別な扱いをしていました。娘の前では形式的に兄の行為を責めてはいても陰では擁護にまわっていたのだろうと私は思っています。部屋に鍵をつけて欲しいと言う娘の願いも果たされてはいません。
話を聞いていて悩みました。
この子にどんなアドバイスが私にできるのだろうか、と。
言葉を失いながら、ただ頭を撫でてあげていると泣き出してしまった教え子に、どうすることも出来ずにいる自分の無力さを感じていると、この子は私の胸に顔を埋めてきたのです。
熱い涙が私のシャツに染み込んで胸を濡らしました。そして気がつけばいつの間にかその華奢な体を抱き締めていました。
今に思えば抱いたその瞬間に少女が体をピクンと痙攣させた事がこの話のプロローグだったのでしょう。
それも今となって回想すれば、の話です。
涙が止まってからも私は彼女を抱きしめたままで、彼女も顔を私の胸に押し付けたままじっとしていました。彼女の息がシャツを通して熱く伝わってきます。
それは小さな声でした。
「先生はさ、ロリコン?」
驚いて体を離すとなぜそう思うのかを聞きましたが彼女が言うことにはクラスの女子の一人が私に特別な視線を向けたり、体に触れたりすると言っているとの事でした。
もちろん私には全く見に覚えのない捏造話です。でも、その話は隣のクラスまで噂として広がっているらしいことをその時初めて知ったのでした。
私がその小さな体を抱きしめたときに僅かに怖がるような痙攣をしたのにはそんな理由があったのです。
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