小学校３年生のとき虫垂炎で近所の小さな医院に入院した。そのとき同室だった当
時４５ぐらいの足を折っている人が、いまでいうセクハラおやじだった。若い看護
婦が近づくと必ずどこかを触って「キャッ」とか「ィヤン」とか言わせていた。パ
ンティもよく見えた。おれは幼いながらも凄くエッチなことのように思えて、一生
懸命に見ていた。
その病室に出入りする看護婦は3人いて、みんな若くてけっこう可愛い女の人だった
けど、おれは松下さんという背が高く細身で色白の人が一番美人だと思っていた。
１９歳といっていた。オヤジのねらいも松下さんだった。他の看護婦にも触るのだ
が、それは瞬間的なタッチが多い。だが松下さんには特別にエッチだった。見え透
いた策略をしかけて、ガードできない状況にしてかなり長時間触るのだ。松下さん
はいつもダマされているのに、やさしいのでオヤジに呼ばれると「大丈夫です
か？」なんて無防備にカラダを近づけてしまっていた。
女の人は股のところになにかスイッチがあって、そこをグリグリされると電気が走
るんだと、そのとき思った。松下さんはのけぞって、腰をクネクネさせていた。声
は出さなかったと思う。歯を食いしばってまじめな顔をしていたのが、すごく印象
に残っている。
オヤジには別の部屋にもうひとり仲間がいて、あるとき二人がかりで羽交い絞めで
オッパイをもみ始めた。松下さんは股を突き出すように腰をクネクネさせていて、
おれはスイッチのウズウズしてるのかなと、一生懸命みつめていた。オヤジは松下
さんのスカートをまくって、プックリした股間のふくらみをなでまわしたり、布が
食い込んだ溝のようなところを指先で擽ったりしていた。あのとき誰かが入ってこ
なかったら、どこまで行ったのだろうか。
セックスのことをしっかり知るまで、スイッチがあると思っていたから、子どもの
頃にはいろんなお姉さんの股を触った。相手は警戒しないし、子どもがわざとオマ
ンコ触るわけないと思っているだろうから、今思えばもっと出来ただろうけど、当
時はそれでもビクビクしながらやっていた。歯医者のお姉さん、床屋のお姉さん、
中学の美術の先生、図書館のお姉さん、デパートのエレベーターガール。当時はだ
れも電気が走ったような反応がなかった。それでも子どもの頃から培ったテクニッ
クはおそろしいもので、今は相手にわざとと気付かせずに股間や胸を触ることがで
きる。今は電気も走る。満員電車は高校からだからもう２０年以上。スカートの股
を触った女子高生やＯＬは何千人になるだろうか。騒がれたことは一度も無い。ま
た社内や取引先に初々しい美人が入ると必ず一度はマングリ攻撃をするが、セクハ
ラ男とは思われていないようで、みんな愛くるしい笑顔で近づいてくる。そしてま
た、お股を触る。
今また入院している。いろいろ触った。若い女医さんに気付かれてしまった。
手がちょくちょくお股に当たるのをわざとと判断したらしい。
「こらぁ」
小さく怒った。触って怒られたのは生まれて初めてかもしれない。動揺した。でも
知らん顔をすることにした。そして触る。女医さんは諦めたようだ。