2014/06/22 20:44:09
(iMdNcGF7)
爺ちゃんは亡くなった。
爺ちゃんに言われた言葉、岡島さんを大切にしろ、それを守った。
礼子さんは、俺とセックスした数日後、彼氏と別れた。
あっさり別れ話はケリついたと言われたら。
そして始まった交際。
確かにすれ違いが多かった。
会うこともままならない、勤務終わりのはずが終わらなかったり、休みのはずが休み無くなったりの連続だった礼子さん。
ドタキャンなんか当たり前だった。
でも礼子さんは努力してくれた。
必ず一回、どんな忙しくても、メールに返事をする、それを実行してくれた。
元彼との失敗を繰り返さないようにと、必死な様子が伺えた俺は、会えないことが続いても我慢できた。
交際も二年近くなったとき、俺は礼子さんにプロポーズした。
『生意気な子ね』
相も変わらず俺を子供扱いする礼子さん。
俺は交際二年たっても、岡島さん、礼子さんと呼ばされてたくらい子供扱いされた。
礼子さんも30になっていたから、OKと言われると思っていた。
しかし返事はNO。
理由はこうだった。
『私はまだ看護師として一人前じゃない。もう少し待ってほしい』
そのかわりにと言われた言葉。
『一緒に健児君と住みたい。君がよければだけど』
俺はそのとき、親と同居していた。
家を出ろと言うことだ。
プロポーズした以上、覚悟を決めていた。
俺は親に話し、家を出た。
同棲が始まった。
相変わらず礼子さん、健児君のままだったが、実際一緒に生活するようになると、看護師の過酷さがよくわかる。
時間などあってないような勤務態系。
カレンダーに書かれた勤務シフトなど、用をなさなかった。
そんな生活が一年も過ぎたあたりだった。
すでに彼氏と結婚して、専業主婦していた吉井和代さんがきた。
『礼子も、もうすぐ31になる。子供でも出来ればあの子は変わる』
アドバイスされた。
セックスは避妊有り、外出し、中出し、礼子さんの言われた通りしていた。
外出し要求をされたある日、俺は無視して中出しをした。
『なんで?健児君。なんで?』
詰め寄られた。
『看護師辞めろと言わない。けど、もうそれそろいいでしょ』
俺の気合い、根性が勝ったか、的中させた。
慌ただしく式挙げた。
籍入れた。
今俺29才、礼子さん33才、長女三人暮らし。
結婚しても健児君、礼子さんのままだ。
時々、生意気な子、そう礼子さんはまだ言う。
専業主婦になっても。