私は50歳、今は貿易会社役員をしている。10年以上前の事だった。私は旅の手帳の文通欄に旅行をご一緒しませんかと言うメッセージを載せた。その時、川名清子という32歳の千葉県の銚子市立病院の外来に勤務する看護婦から手紙をもらった。私は京都、清子は千葉、文通だけで逢うことはないと思っていた。2ヶ月文通して逢う事になった。逢ったのは、新幹線の相生と言う駅でした。指定の列車に清子は、乗っていなかった。相生くんだりまで来るはずはないか、東京にはいい男は、5万といるのにと、半分諦めていた。もし来たとしてもたいした事ないだろうと思っていたし、もう1本だけ待つことにした。改札口から美しい女性が出て来て私に声をかけた。私はやったと、思った。明後日まで2人で温泉旅行出来るのだから、私の車で鳥取、吉岡温泉に向かった。途中彼女から割り勘よと言われ割り切りかと思った。それなら2日間楽しもうと考えた。泊まったのは、鳥取グランドホテルのスイートルーム。でも2人は、大浴場に向かった。私が入っていると女性出入り口から清子がどこも隠さずはいってきた。中にいる男は釘づけで清子をみている。どうせ私のおもちゃになる体、だれに見せ様がよかったのだろう。私も2日だけの女、好きにさせた。その清子の投げやりの態度がのちに私の心を変えていった。清子を抱いたころには、心から愛していたし、清子も愛してくれた。でも2人は、結局結ばれる事はなかった。千葉の海上町に清子はいる。でも逢えない。
私は、今体調を崩し、モルヒネ、燐酸コデインで延命しているだけ。心から愛していた。